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月明かりが照らす夜の話。

 下弦の月が夜の廃墟の窓を照らす。

 部屋の広さの割には天井が高く、鉄骨が剥き出しになっている。

 どう考えたって私みたいな女子高生に相応しい場所ではないのは確かだ。

 しかし、そこには6つの人影があった。

 中央に線でも引いてあるかのように、二手に分かれている。


「条件はさっき言った通りでいいんだよな」

 髪を逆立てて真っ赤に染めた男がポケットに手を突っ込みながら吐きかける。

「ああ、構わないよ。『3対3で負けた方が一つ言うことを聞く』一番手っ取り早いだろ?」

 私の前に立つ学ランを羽織った彼(便宜上『彼』とは言っているが男か女かは分からない)は男に指を指してそう言った。

 赤髪の後ろには見るからに足の速そうなな坊主頭と、物静かで迫力のある巨漢が仁王立ちしている。

 対して、学ランの彼の後ろには私と冴えないメガネの男しかいない。

「そして、どんな手を使っても相手を降参もしくは戦闘不能に追い込めば良い」

 それで文句はあるか?と自信ありげに彼は言った。

「何にもねーよ、その代わり後悔すんじゃねーぞ?」

 男は一歩前に出て、目を威圧するように見開いた。

「安心して、後悔するのはそっちの方だから」

 彼が挑発すると、男は見てわかるぐらい頭に来た様子である。

「うるっせーヤツだ!いい加減始めるぞ!」

「不意打ちしないんだね、意外と優しい人だ」

「ホント舐めた真似してくれんじゃねーか、お前の舌を切り取ってやる」

 男はポケットから手を出して右手に持ったナイフを向けた。

「おーこわいこわい、じゃあ始めようか」

 彼は手を振りながら笑ってそう宣言した。


 私はただの高校生だ。

 いや、だった。

 彼と出会ってから私の運命は変わっていったのだ。

 彼の目には何が見えているのか、それは彼しか分からないこと。

 だから、私は私の目で見た彼を伝えるだけ。


 これは彼が世界を変えるという夢を叶える物語である。

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