第7話 再会
ドタバタコメディとはなんだったのか…?
俺は様々な困難を乗りこえようやく街にたどり着いた。異世界に来て初めての街である。
「おおー!ここが異世界の街か…」
そんな単純な感想しか出てこなかった。
見れば見るほどここには…
人がいなかったのである。
「さすがにこんなはずないだろ…?異世界転生の後にたどり着く街に人がいないなんてありえないだろ…」
さっき森の中で聞いた脳に直接話しかける謎の声もあったし、ここに人がいないわけがないんだ。
「うーん、何かがおかしい…少し調べてみるか」
まず手始めに喫茶店のような店に入る。ここにはもしかしたら人がいるんじゃないか…?
カランカラン
ドアを開ける。
「失礼しまーす…誰がいませんか…??」
誰もいない。というか人間の気配がない。
俺はもう少し奥を見てみる。
するとなんか生ゴミの腐ったような匂いがしてきた。
「うっ…うげぇぇえええ…」
俺はこの光景を見て思わず吐きそうになった。
そこには大量の死体が倒れていた…………
「うわああああああああああああああああああああああああああああ」
俺はあまりの恐怖に店を出た。
「はぁ、はぁはぁはぁ…一体何が起こってるんだここ」
希望を求めて、新たな異世界生活を求めてやってきたのにその新たな街に住む人はすでに皆殺されていた。
俺が一体何したって言うんだ…?
理不尽なくらい不幸体質で間違って神様に殺された挙句謎の女に滅多刺しにされて殺されて…
そして異世界に来てからもまた謎の女に殺され…
唯一の安らぎだと思っていた巫女の森山さんまでも俺を殺そうとしてきた。
極めつけにこれである。市民全員虐殺事件である。
俺は今までのことを思い出して完全に心が折れた。
「俺は1人でこの世界を生き抜いてやる。誰にもどの世界にも期待はしねぇ…不幸体質?そんなもん知るか、俺はこの運命さえも乗り越えてやる」
キーーーーンンン
「うっ…な、なんだこれは」
脳内に直接響く金属音。呻いているとまたあの時の声が聞こえてきた。
「おめでとうございます。あなたは数ある選択肢の中からNO.448「孤高の旅人」ルートを選びました。それでは今後ともよろしくお願い致します」
そしてそれだけ言って声は消えた。
「ふん、なーにが孤高の旅人だよ…俺はゲームの世界の中にでもいるのか?」
こんな絶望的な状況、ゲームであって欲しい、そう思ったことは何度もあった。しかし俺は現実で何度も殺されている。これは紛れもない現実なのだ。
「この街で誰か生きていないか調べてみよう…」
俺はギルドのような建物に入る。
「あー、本来の異世界転生物のストーリーだったらこういうギルドに行ってチート能力が開花して魔王討伐に行ったり世界救っちゃったりするんだろうなぁ」
俺は不幸体質だ。
それ故に普通の異世界転生すらさせてもらえなかったらしい。なんて理不尽なんだろうか…
「やっぱり全員死んでるな…」
ギルドの中には武装をした冒険者らしき人達が惨殺されていた。
ガサッ…
「ん?今物音がしたような…」
物音がした気がする方向へ近づいてみる。
「た…すけ…」
助けを呼ぶ誰かの声が聞こえた。
「お、おい、だれかいるのか…?」
「こ、ここにいる…た、たすけ…て…」
まさか人がいたなんて…探してみてよかった。
「すぐ助けに行くから待ってて」
そして僕は声のする方へ行き唖然とする。
「え、神様…?」
なんとそれは家出少女、もとい俺と色々な因縁がある神様本人だった。
「なんたってあんたがここで死にかけてるんだよ…」
せっかくの再会は全く喜べるものではなかった。
彼女は全身真っ赤だった。今にも死にそうなくらい瀕死である。
俺には彼女を治す方法は持ち合わせていない…
そんなときさらに不幸が訪れた。こんな時でも俺の不幸体質は効果を発揮するらしい。
あいつが現れたのだった。
「やっと見つけたははははは!!!これで3度目ね、あなたを殺すのは…はぁ何度も殺せるってなんて気持ちがいいのかしら…」
何度この状況になっても俺は一生慣れることは出来ないだろう。全身に悪寒が走る。今すぐにでも絶命を感じさせるほどの殺意。
しかし俺は2回目までとは違う。こいつから貰った銃がある。
瀕死状態のこいつを助ける為にもここで俺は運命に勝たなくてはならない。
「さぁ殺しに行くわよはははははは!!!」
はやい…!!!
…速すぎて俺は何も出来なかった。
俺はなんの能力もない一般人…いや不幸体質を持っている人間だ。ここでチート能力が発動する!なんてことは有り得なかった。現実は非情だ。
俺はまた滅多刺しにされている。
「うっ…あああああああああああああああああああ!!!!!」
俺は気を失いながらも銃を取り出した。
「あら、抵抗する気?もうあなたは死にかけよ…ふふふ…今頃何をして無駄なの」
そんなの関係ない。俺はこの殺人鬼に向かって銃の引き金を引く。
「ぐはぁっっ…………………!!!!!」
殺人鬼は倒れた。
「……」
殺人鬼はもう起き上がることは無く俺を襲ってくることもなかった。
俺は運命に勝った。しかしこのままでは死んでしまう。死んだら俺はどうなるんだろう…??
まだ死にたくない…死にたくない死にたくない…!!!
しかしどんなに思考をクリアにしようとしても強烈な睡魔のようなものには勝てなかった。
俺は気を失った。
その瞬間…
パーーーーンッッッッッ!!!!
「いってぇぇぇ!!!!」
俺の頬がひどい痛みに襲われ俺は目を覚ました。
すると目の前には
「よかった…!生きてたのね…遅くなってごめんなさい…迎えに来たわ」
「ああ、遅すぎるよ神様さんよ…」
今度こそ俺は安心して深い眠りについた。
今のところ死の連鎖を断ち切り、やっとメインヒロインがしっかり登場しました…!祝
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