表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不幸スキルが強すぎて普通の異世界転生すらさせてくれない件  作者: 仮眠
第1章 俺の異世界生活の始まり
5/11

第5話 さよなら、俺の異世界生活

新しい異世界生活が始まると思いきや!?

俺はこれからギャルでドジな神様とともに異世界に転生するらしい。



俺は神様にひとつ聞きたいことがあったことを思い出す。



「なあ、異世界転生って言っても俺らはいったいどんなせかいに転生するん…………」





いきなり俺の体はふわりと浮遊感を感じた。



「だ……????」



周りを見渡すとここは先程神様と話していた場所ではない。ただの森だった。



「は…????」



どうやら俺は神様に転生先を聞いてる途中で転生してしまったらしい。

「おい神様!いるか…!?」



いやな予感とともに神様を探す。予想通りと思う気持ちとそうあってほしくはないという気持ちが入り混じる。



どうやらここは広大な森の中のようだ。俺の不幸体質はどんな時も期待を裏切らない。



俺はたった一人で異世界に転生してしまったらしい。



「う、うそだろおおおおおおおおおおおおおお!?!?!?」



俺は叫んだ。しかし叫んでも何も始まらない。



「普通異世界転生物にはチート能力とか頼もしい仲間とかが付きものだろうがよ…」



不幸体質ゆえに現実世界で落雷を受けて死に至り、生き返ったと思えば謎の女に滅多刺しにされて二度殺された男だ。



そう簡単にはチート能力はくれないようだった。



「いやいや、何の助けもなく異世界転生とかハードモードすぎるだろ…どうすんだこの先」



今までのストーリー的にあの神様と力を合わせて異世界でヒーローになって事件を解決して現実世界に戻ってハッピーエンド!って流れだっただろうが!!!



みんな失望してるぞこれ…



って誰の心配をしているんだか俺は…まずは自分の心配が先だ。



異世界物のテンプレ、ここで主人公が困っているところへヒロインが現れるんだ。そうに決まっている。



俺はこれから訪れるであろうハラハラドキドキの展開を妄想していつの間にかスキップしている。



意外とこの絶望的な状況で俺は平気だった。不幸体質で鍛えられたメンタルはそう簡単には壊れなかった。



(ガサガサ…ササ…ガサッ…)



突然物音がする。ヒロイン登場やっと来たか…!!と心を躍らせていた。



むくりと出てきたそれは俺に挨拶してきた。



「あらこんにちは。ここにいたのねふふふ」



目の前に現れた「女」は全身血だらけで見たことのある刃物をもってにこやかに俺を見ていた。



嘘だ、嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ 嘘だ嘘だ



こんなのウソにきまってる。



『なんで俺を殺した女がここにいるんだ?』



「あははははは二度もあなたを殺せるなんて、なんて私は幸運の持ち主なんでしょう…!!!!」



こんな展開待ってなかった。俺は恐怖で一歩も動けない。



女があの時と同じ刃物をもって俺に襲い掛かる。俺は本能的に死を悟って走り出していた。



「うわあああああああああああああ助けてくれ助けて助けて助けて助けて」



叫びまくった。叫んで叫んで叫びまくった。しかしこの森の終わりはいつまでたっても見えない。

どんなに走っても後ろから刃物を持った殺意の塊が追いかけてくる。



「あははははっはははははは!!!!」

女は笑って追いかけてくる。



俺はついに力尽きた。それと同時に背中に鈍い痛みを感じる。



「ガッ…あガッ…うっ…があああああああああああ…痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い 」



死ぬ死ぬ死ぬ、まだ死にたくない。せっかく生き返って転生して新しい生活を始めたのに…



こんなのってないだろ…?俺は何度殺されればいいのか。



俺は何度も何度も鈍い痛みを感じながら次第に意識が遠くなっていく。

もう痛みすら感じない。



ああ、俺はとんだ不幸体質だ。



あの神様は今頃何やってるんだろうな…俺が急に消えてあたふたしてるのだろうか。



きらきらとした異世界生活を望んでいた俺がばかだった。まさか異世界転生して5分もたたないうちに殺されるなんてな…

全く笑っちまうぜ…








俺は気を失う。







「…さい…!…きなさい…!!きいてるの…!?」



何やら声が聞こえる。うるさいな…何か俺に言ってる人がいるらしい。俺は今寝ているんだ…静かにしてくれ…。



「起きなさい!!!!(パシーーーン!!!)」



思いっきり顔をぶたれ俺は起きる。



「て、てめぇ!?何しがる!!!俺は今寝てるんだ邪魔するな!!…ってえっ…???」



俺は今なんで起きたんだ?確か俺は死んだはずじゃ…



「はぁ、やっとおきたわね…何回起こしたと思ってるのよ…」



「お、お前は誰だ!俺は死んだはずじゃないのか?お前はまた俺を殺しに来たのか」



「なっ!?し、失礼ね!!そんなこと言ってるとぶっ殺すわよ…!ま、まぁいいわ…だいたいあなたね、私がせっかく生き返らせたってのになんでまた死んでるわけ?私のメンツ丸潰れじゃない、どうしてくれるわけ?」



こいつは一体何を言っているんだ?

「は、意味わかんないこと言ってんじゃねぇ…!」



「あなた何も分かってないようね…仕方ない、この神様である私が説明してあげるわ(ドヤ顔)」



なんでこんなに偉そうなんだこいつは…にしてもこいつどこかで見たことあるような…?



「まずあなたは今さっき死んだわ、女に滅多刺しにされてね。いやぁすごい殺され方したわねあなたははは!」







あれちょっとまて…??この会話見覚えがあるぞ…デジャヴなんてもんじゃない、これはほんとに俺は同じことをついさっき経験している。



全部思い出した。

俺はこいつと一緒に異世界に転生するはずだった。そして俺を殺したあの謎の女の事件を解決する予定だった。



俺はこう言う。



「お前は俺を間違って殺してしまった。そして神の権能をほぼ使って俺を生き返らした…にもかかわらず俺が謎の女に殺された。だからお前は俺と一緒に異世界へ転生しようと提案するんだろ?」



このドジな神様はぽかんとした様子でしばらく動かない。



「は…?なんでしってるの、怖いんだけど…確かにあなたの言う通りよ。私はあなたとともに異世界転生をしようと思っている」

予想通りの反応だがやはりこの神様は面白いな。



「残念だがそれは失敗する。そして俺は転生先でまた殺されるんだ」



「は?あんた何言ってるの。そんなことあるわけがない。世界が違うのよ?そんなことありえない」



「お前の言いたいことはわかる。俺だってこんなの信じられないし信じたくもない。何で転生先でまた同じ人間に殺されなくちゃならないんだ…頼む、信じてくれ…お前しか頼れるやつはいないんだ」



「…わかった。嘘を言っているようには見えないわ。あなたの話を信じましょう」



「助かる」



「ということはあなたはもう少しである異世界へ強制的に転生されてしまうわけね。万が一の時のために今のうちにこれを渡しておくわ」



と神様は俺に銃を差し出す。



「これは…?」



「普通の銃の使い方もできるわ。でも弾がちょっと特殊でね、怨霊なんかの類も撃てるから」



さすが神様、こんなものまで持っているとは…



「できれば俺はお前と平和な世界に転生したいんだが…」



「もちろんよ!私たちの転生先の世界はね………」



いやな予感がした。



俺の体はふわりと浮遊感を感じた。



俺のいやの予感はまたしても当たってしまった。



俺はまたしても突如異世界に転生してしまった。こんな短期間に何回も転生する人間がこの世にいるだろうか?



さらに嫌な予感は当たる。

「おい!!!女神さまいるか!!!」



返事はない。ないどころかこの場所には人一人もいない。

ここは前回と同じ森の中だった。



ならばこの後俺を待ち受けている運命を俺はすでに知っている。あの殺人鬼が俺を殺しに来る。俺ができることはあの殺人鬼に殺されないことだ。前回の俺とは違う。この手には神様からもらった銃がある。



これこそ異世界転生物だよな!!!



どこからでもかかってこい、俺はこの運命を乗り越えてやる。



ってか何でこんな序盤でクライマックスみたいな展開なの…??



(つづく)


ふう、いやな展開になってきましたね…


ブクマや評価ポイント、コメントなどたくさん待ってます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ