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☆氷の魔女のスローライフ☆  作者: にゃんたこ
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第三十八話〜我が家の大掃除〜

 



 ある日の朝。


 事の始まりは私の一言から。

 


「掃除をします」


「「「……」」」



 現在の場所はグロッタの小屋の横にある庭。フユナ、グロッタ、スフレベルグの三人がそれぞれ無言になった。



「我が家も人数が増えてだいぶ経つからね。この辺で一旦、キレイさっぱりしとかないと心も身体もダメになるよ!」



「ルノ、この前ぽけーっとしてたのに……」


「ずーっと芝生に寝転がっておりましたな」


「ベンチでうたた寝……」



 なんだか抗議の声が上がっている気がするが今はスルーしておく。



「と言っても、家の中は普段からある程度やってるから特に問題はなし。今日やるのはグロッタの小屋とかツリーハウスね」



「「「ブーブー!」」」



 なんかやけにブーイングが多いな……でも仕方ない。一家の主として、時には嫌われなきゃいけない時もあるんだ!



「ほら、ブーブー言ってないでやるよ。次にブーブー言ったらお仕置きが待ってるからね」


「「「ブー!」」」


「はい、アウトー!」



 氷の塊×3



「いたーい!」


「ぎゃあああ!?」


「くっ……!?」



 ブーでもブーブーでも同じだからね! てか、グロッタは大袈裟だよ!



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 という訳で、まずはグロッタの小屋からやる事にした。



「さて、役割はどうしようか。このメンバーだとけっこう限られてくるよね」


「じゃあフユナは拭き掃除するー!」


「わたくしは雑草を食べます」


「ならワタシは害虫を食べます」



 うーん……約二名、食事するだけみたいなのがいるけどやれることってなるとそうなるか。



「よし、それじゃ役割はそんな感じで。小屋の掃除はお昼までに終わらせるよ。午後はツリーハウスね」


「今日で両方終わらせるの?」


「ブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー!」


「骨が折れますね」


「グロッタはブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー言い過ぎ!」


「ぎゃあああ!?」氷の塊×10



 掃除が始まるまでなんやかんやあったものの、いざ始まってみればみんな真面目にやっていた。もちろん私も。



「よいしょ、よいしょ。ルノ、上の方届かないよー」


「じゃあ上の方が私がやるよ。ロッキの結晶は一旦外すから拭こうか」


「はーい」



 一方、外の雑草&害虫処理部隊の二人は。



「ガツガツ!」


「ムシャムシャ!」



 ……もはや何も言うまい。ああ見えて立派に働いているんだから。



「よいしょっと。これで全部かな」


「あ、ルノ。それって」



 私がロッキの結晶の最後の一個を外し終えると、フユナが反応した。



「その結晶、家族旅行の時のやつだよ」


「あ、そうだったんだ。懐かしいなぁ」



 そうそう。あれは確か双剣の人に一撃入れることができたらロッキの結晶をもれえるんだった。その人、もはやそこの村に住んでるけどね。



「それフユナが綺麗にするよ!」


「そう? それじゃお願いするね」



 思い出の品をフユナに託して、私は一旦外に出た。



「おーい、二人とも順調?」


「ガツガツ!」


「ムシャムシャ!」


「……」



 二人とも夢中で気付いてない。



「まぁ、真面目にやってるみたいだし……いっか。二人とも、食べ過ぎてお腹壊さないようにね」


「ガツガツ! (分かりました!)」


「ムシャムシャ! (はい)」



 一応返事はしているらしい。雑草とか害虫ってそんなに美味しいんだろうか……?



「この調子なら問題なく終わりそうだね。さて、私は休憩でも」


「「「……」」」


「ひぇ……!?」



 なんか超見られてる!? 分かりました! やりますからそんな目で見ないで!



「よし、フユナと一緒に結晶磨きでもしようかな」



 そしてちょうどお昼になった頃。



「みんなご苦労様! おかげで前半は無事に終了だよ!」


「見違えるように綺麗になったね!」


「うぷ……」


「おぷ……」



 おい、そこの二人。吐かないでよ? 絶対に吐かないでよ?



「それじゃ、後半はまだ残ってるけどここまで頑張ってくれたみんなにご褒美として、私がお昼を作ってきてあげよう」



 という事で私が作ったお昼とは。



「じゃじゃーん! 超絶品・ルノサンドだよ!」


「ルノ様……なんのギャグですか?」


「ルノ……あなたはまた道を踏み外してしまったのですか?」


「くすくすっ!」



 うぐっ……やっぱり言われると思った。だけど! それでも自信あるんだからね!



「ふっふっふっ、今のうちに笑っておくといいよ。口に入れたその瞬間、食べること以外忘れちゃうんだからね!」



 ちなみにルノサンドはアルバイトのときに出した品だが、フユナもまだ食べたことは無い。



「あの、ルノ様? これってロッキサンドをちょっと変えただけのような気が……」


「グロッタ。そういう細かいことは気にしちゃいけないんだよ? (ニコッ)」


「ぎゃあああ!?」氷の塊×20



 そうして始まった昼食タイム。思った通りみんなルノサンドに夢中になっている。なんたってあのお姉さんが認めた品だからね!



「ふむふむ、これはいけますな!」


「虫より美味しいです」


「ロッキサンドより美味しいよ!」



 おぉ、自分の料理が褒められるのって嬉しいな。約一名、喜んでいいのか微妙な感想が混じってるけど。



「喜んでくれたなら作ったかいもあるよ。この調子で午後もよろしくね!」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 私達は後半の掃除場所、ツリーハウスにやってきた。やってきたのだが……



「うーん、普段テラスしか使わないからあんまり汚れてないね。余分な枝を切るくらいか」


「じゃあフユナが双剣で切ってくるね! スフレベルグ、行こ!」


「はい」


「ここはわたくしの出番は無さそうですな。すやー……」


「だからって寝ちゃだめだよ!」


「ぎゃあああ!?」氷の塊×50



 結局その後はフユナとスフレベルグ。そして私で掃除した。



「んー、ここもちょっと枝が多いかな。とりゃ!」



 私は氷の箒で空を飛びながら風の魔法で枝を切り落としていく。


 ある程度終わったところでフユナとスフレベルグと鉢合わせになった。



「あ、二人とも終わった?」


「うん、だいぶ綺麗になったよ」



 ふむ、参ったな。早く終わりすぎてしまった。



「ま、とりあえずツリーハウスに戻ろうか」


「ねぇねぇ、結晶がいくつかできてたからとってきていい?」


「うん、いいよ。なら私は先に戻ってるね」


「はーい! 行こ、スフレベルグ」


「はい」



 あの二人もけっこう仲がいいよね。家族はああでなくちゃ。



「さてと、この後はどうしようかな……」



 そんな事を考えながら戻るとグロッタがツリーハウスで寝ていた。うーん、まぁいいか。ほぼ終わったみたいなものだしね。



「氷の塊×100は勘弁してあげよう」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 急遽始まった掃除は思いの外、早く終わってしまった。なんとか時間を稼がなくては。



「えー皆さん。本日はこのような行事にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。皆さんの頑張りのかいもあって、大変きれいに」



「「「……」」」



 うわぁ、みんなつまんなそう……だって時間余ったんだもん。



「それじゃまだちょっと早いかもしれないけど、みんなでバーベキューやろうか。お掃除終了のお祝いってことで」


「バーベキューとは何ですかな?」


「この場でお肉や野菜を焼いて食べることだよ」


「ふむふむ」


「わーい、楽しそう!」


「虫も焼くのですね」



 よし、みんな乗り気みたいで良かった。でも、虫は焼かないからね?



「よーし、それじゃ色々準備しないとだね。今日はたくさん働いたからその分楽しもうね」


「ルノ、どうせならサトリちゃんやカラットさんも呼ばない?」


「ついでにランペッジとやらも呼んでみては? ついでに」


「いいね、それ!」







 そういう訳で予想以上の大人数でバーベキューをやる事に決まった。

 グロッタがやけについでアピールをしていたけどツンデレかな?


 


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