プロローグを立ててみた。
『人生において大事なのは学ぶことではない。学んだことをどう自分の人生に活かすかである。』
かつて【ダーウィンの番犬】と呼ばれた生物学者が残した言葉である。
学ぶことの本質はその知識を使役することにあり、溜め込むだけでは何の意味も成さないということだ。
いかにも名言めいたこの言葉の本質を捉えている年代は、もしかしたら全世界の18歳なのかもしれない。
18歳とは現代において、大学受験を控えた者達の世代。
自らの将来を考え職につく者も少なくはないが、このご時世だ、大学進学者も多い。
そしてそんな状況に身をやつした彼らは、常日頃からこう思っているはずだ。
『こんな勉強が、将来役に立つのか。』
と。
専門知識を必要とする職はいくつもあり、全てが無駄というわけではあるまい。
特に理系なら必ず使う知識があるに違いない。
しかし、受験知識の全てが将来役に立つのだろうか。
理系が古典の読み方を将来使うのだろうか。
文系が重力加速度を将来使うのだろうか。
否である。断じて否である。
きっと受験知識の九割は、将来無駄になることだろう。
脳の片隅に放置され続け、徐々に劣化していき、結果朽ち果てているだろう。
しかし、安泰で幸せな将来のためにはその『無駄』な知識を蓄えるしかないのだ。
全ては大学合格のために。
全ては将来のために。
全ては将来女の子にモテるために。