ほんとう 2
「そんな・・」
あまりといえばあまりな結末に、口の端がわずかに浮いてくる。
と同時に恥ずかしさもこみ上げてきた。
「ごめん。だから許してほしいとかじゃないんだけど、それだけは信じて欲しくて」
切なくゆがめられた瞳がまっすぐこちらを向いている。
本当にきれいすぎて私にはもったいない。
こんなに大事にされているのに、一時でも疑うなんて。
「・・ひどいよ。そんなこと言うなんて」
「ごめん。俺ホントに・・!」
「私ばっかり変なこと考えて悩んじゃって、恥ずかしいじゃない!」
謝らなきゃいけなかったのに、深雪は羞恥に負けて和貴を責めてしまった。
顔を見せまいとして、胸元に身を投げかける。
「深雪!?」
完全な八つ当たりとは知りつつも、和貴を責めずにはいられない。
なんだその格好良すぎる理由は。
そんなことならあの場で釈明してくれれば良かったのに。
泣いちゃったり、逃げちゃったりからまれちゃったり、なのに助けられたりして私ばっかり・・!
もう和貴が拒絶しないとわかった上でこんなことをしている自分は本当にずるいとわかっている。
ちゃんと謝らなくちゃいけない。和貴だってきちんと話してくれたのだから私だって・・
「・・・・・・」
「・・?」
けれどなかなか言い出せない。自分を律するのに、ここはあまりに心地が良すぎる。
「深雪・・?怒ってるんじゃないの?」
「怒ってるもん。」