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with  作者: 絹ヶ谷明頼
修学旅行 編
36/48

ほんとう

上着のポケットに手を入れ、取り出したものを差し出される。

受け取ると中からシャラリと乾いた音が聞こえた。

手渡されたのはよく文房具屋などで見るボールペンサイズの小さな紙袋だった。白地に金の格子柄がプリントされている。

「前に世話になった人の工房がこっちにあって、時間があったら寄れって言われてて」

和貴がどこに行きたかったのか、いまいちよくわからない。

文房具屋さんに?そのときたまたまホテルを通りかかったというのだろうか?

 

シャリッ


袋を傾けると中から勢いよく何かがすべり出た。あわてて掌で受け止める。

「深雪には沢山迷惑かけたし、何かしたいと思ってた。だから一緒に行きたかったんだ」

 あの場所に、ラブホテルがあることもその人から聞いて知っていた。

ホテルを目印に来いとまで言っていたのだ。

その横の、敷地をわずかに延長した部分が入口になっているからと。

「えっ?」

深雪は手の上を漫然と見つめた。

あたりは暗いので確かではないが、それはネックレスのように見えた。

銀色の鎖の先にペンダントトップが通っている。

・・しかしなんでネックレスが?

答えを求めて、和貴を見上げた。

「俺、工房に行くつもりしか頭になくて・・。言い訳に聞こえるかもしれないけど」

じっと、何かに耐えるようにこちらを見つめている。

「ホテルに入ると勘違いさせるなんて、思いもしなかったんだ」

「え?」

じゃあ・・

あれは?

「本当にごめん。普通に考えればわかるのに、俺勝手に浮かれてて・・」



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