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with  作者: 絹ヶ谷明頼
修学旅行 編
32/48

好き

一体どこへ行ったのだろう。藤原と何かあったにせよ、ことの発端は自分だ。

ただ当てもなく探すよりはと、和貴はしばし思案した。


   


 深雪はようやく、ひとつひとつ思い出し始めていた。

そして黙々と歩いた。

向かえる場所は一つしかない。

泣ける場所を、彼女はこの付近で“そこ”しか知らなかった。

そこで二人で、この世のものと思えない美しさを目にした。

その美しさも彼といたからひときわだったに違いない。

そしてその後・・


(私・・・)

ビックリした。あんな看板を見せられて、一体何が起きてるのかと思った。

そんなこと考えたことも、考える時間もなかったが・・

手を差し出されて、つなぎたいと思った。

キスだって・・未遂だったが求められて何のためらいもなかった。でも、

(付き合うのって・・)

そういうことなの?

付き合ったらそういうことになっちゃうの?

 そこまで考えなきゃ付き合ってはいけないのだろうか。


(でも・・私は)

好きなのだ。和貴が。

それだけじゃ、一緒にいてはいけないのだろうか?

和貴はそれでは満足してくれないのだろうか。

言葉を交わさずとも、いるだけで気持ちが通じるとさえ思っていたのに。

それは自分だけだったのか・・


『修学旅行だろうが!?お前みたいな不良には当たり前の事かもしれないけど、あり得ないだろ!?この流れでラブホテルなんて!!』


ふいに拓也の言葉が思い出されて、こらえていたはずの涙がこぼれてくる。

頬をこすりながら深雪は足を速めた。


つまり二つ目の問題の答えは初めから決まっていたのだ。

本当に申し訳ないが、今は和貴の事しか考えられない。




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