表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
with  作者: 絹ヶ谷明頼
修学旅行 編
22/48

事件

高台寺行きは元々友香が提案したものだった。

さすがにカップル歴が長いだけあり、イベント情報などの収集も意欲的だった。

男性陣にも深雪にも反対する理由はなく、特に深雪は恋人と初めて見る夜景をとても楽しみにしていた。


「うわぁ・・」

庭園に入ると、得も言われぬ美しさだった。

色づいた紅葉が光を受け輝いている。紅色の彼方には竹林の濃い緑が透けていた。

かと思えば足元の池が立体のすべてを映し出していて、地上にいる心地がしない。

空気は冷たいのに頭上が燃えている。


 「これは本当に・・」

綺麗だねと声をかけようとして、和貴は声を失った。

もっともっと綺麗なものをすぐそばに見つけたからだ。

 高揚した頬に、夢見るようにうるんだ瞳。


そこに自分の姿はなかったが、その清らかな輝きに心が満たされる。

――と同時に。

体の奥で想いが、鈍くうずいた。


 彼女に触れたい。


青年男子にとって、至極当然の欲求だ。

こんなに近くにいてこんなに愛らしいのだ。

 しかし触れたいと思えば思うほどどうしたら触れられるのかわからなくなってくる。

今までに何度か女性に触れる機会はあったがこんな経験は初めてだ。

これまでにないほど強く、触れたいと感じるのに。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ