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京都にて 5
「植田さんに限ってそんなこと、あるわけないだろ。あんなヤンキーと!きっとムリヤリ・・」
そこまでまくしたてて、自分の言葉にはっとなる。
「そうだ・・そうだ、無理やりだ!」
でなきゃあの真面目な植田さんが浜崎となんてありえない。
「そんな風に見えなかったけど?」
勝手に決め付けるなよと悟は釘を刺したつもりだが、拓也の暴走は止まらなかった。
「行こう。・・早く!」
唐突に嫌な予感がする。
――ダメだこいつは。
拓也は元々思い込みが激しいうえに人の意見を聞かないのだ。
「ヤだよ、そんなの。どーしてもって言うならお前一人で行けよ」
悟には拓也が何をしようとしているのか、容易に想像ができた。
長い付き合いなので、その辺の対応には無駄がない。
止めても無駄だ。