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京都にて 2
(可愛い・・)
純粋にそう思った。
白のブラウスに紺色のワンピース、その上に羽織った少し大きめのパーカーが余計に可憐さを引き立てている。
それに・・
「髪・・」
今朝と違い、めずらしく髪をおろしていた。同室の女子、例の三人組に勧められたのだ。
「あ、これ? やっぱ変だよね。三つ編みのあとついちゃって・・」
「いや、そのままでいいんだ。すごく」
編みぐせでウエーブのかかった髪を伸ばそうとした手にそっと触れる。
「かわいいから・・」
「えっ」
彼女の頬に赤みがはしると、和貴は顔を伏せぬように必死にふんばった。
「お、来たな。――あれ?」
トイレから戻ってきた光一の目に、動かなくなった二人の姿が入る。