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with  作者: 絹ヶ谷明頼
修学旅行 編
16/48

京都にて

 初日のクラス別観光は、非常にスムーズに進んだ。

新幹線で京都まで行き、バスに乗り換え市内観光。

二条城を見学し、昼食後金閣寺を拝観。宿での学年集会を経て夕食を済ませ、待ちに待った自由散策の時間がやってきた。

 許された時間は夕食後の約三時間。外出するかしないかの選択は任意だが、外出する者は所定の用紙に氏名と行き先を、携帯電話を持っている者はその番号も記入することになっていた。

そして門限は午後九時だ。

 深雪は友香と、和貴は光一と出発し、祇園四条駅で落ち合う手筈になっていた。


 「あれー、光一は?」

「今トイレ」

改札を出ると既に和貴が待っていた。

柱にもたれているものの、背が高いので一目でわかる。

「なんだ。出る前に行ってくれば良かったのに」

「深雪は?」

「今帰りの切符買ってくれてる」


万が一帰りの電車時刻ギリギリになったときのためにと、気を利かせて提案してくれたのだ。

自動券売機を指さすと、彼の頬がわずかに緩むのが見てとれた。

 まったくどれだけ好きなんだよ。とつっこんでやりたかったが、また赤面されても面倒なのでとりあえずスルーする。

「お待たせ!・・待たせちゃったよね?」

財布と切符を持ったまま深雪が駆け寄ってきた。

 今朝会ったばかりなのに、いつも会っている時間帯や場所、服装が違うせいか何だかお互い雰囲気まで違う気がする。


普通ならば修学旅行は授業の一環なので制服での行動が義務付けられているが、夜間の外出は危険防止のため私服の着用が認められていた。

危険防止のための私服着用とは――平たく言うとカツアゲ対策だ。


塾の後に会った時など、深雪は和貴の私服を一・二度見たことがあったが、彼が彼女のそれを見るのは初めてだった。


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