表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
with  作者: 絹ヶ谷明頼
放課後 編
13/48

それから 5


「最近って、いつくらいから?」

そんなにはっきり感じるほど和貴を見ていたのかと、友香は内心あきれてしまう。

敵が多い、とはよく言ったものだ。

「い・・や、うんと・・」

「ほんと、ここ三・四日かな」

記憶を呼び起こしながら、一人が言う。

 なんだ。

友香は深雪に向き直って。

「付き合い始めたのいつだっけ?」

「え、よ、四日前だけど・・」

わざわざ確認しなくても、答えを知っているはずの問いに更に動揺させられる。

「そのせいだわ、きっと」

「えっ?」

『あぁ、そっか・・。』

3人の声がまたしても見事に重なる。わずかに落胆の念を感じなくもない。

 

 キーンコーンカーンコーン


一人だけ合点がいかない少女の頭上で、ホームルームの予鈴がむなしく響く。

「ええ、何よお?」


 「――じゃあ自由行動は? 浜崎と一緒に回るの?」

やや挙動不審気味になる深雪をよそに、高杉美波は気を取り直して尋ねた。

 浜崎がそんなに植田さんに心酔しているならそれはそれで構わない。

自分の付け入る隙はない可能性の方が大きかろうが、それでもいい男と少しでもお近づきになりたいという願望があった。


「自由行動って・・」

唐突に出た単語に彼女は頭を巡らせた。確かその単語は先週聞いたような気がする。

「修学旅行の? でも和貴くんとはクラス違うし・・」

そうだ、只今高校二年の二学期九月。

高校生活のメインイベントである修学旅行が、もう目と鼻の先へと迫っていた。

ちょうど先週友香と本屋にガイドブックを探しに行ったくらいだ。

・・だが和貴と付き合い始めたのはそれこそついこの間なので、当然彼とは何の相談もしていない。

 ここ四日間は毎日なにかと目まぐるしく、高校生活最大のイベントすら彼女の頭に入り込む隙がなかったのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ