3 神様、森中で勇者と
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転移したところは…知らぬ森でした⭐︎
…無闇に転移するんじゃなかった…!
辺りは昼間なのに真っ暗だった。
真っ暗な理由はおそらく二つ。
魔王の活発な動きのせいで、瘴気が森の中を漂っている。普通の人間は吸ってしまったらすぐに死んでしまうだろうが、我は神なので体調不良を引き起こすだけだ。
だが、神は人の文明にあまり関わらあいようにするため、人間界に来たら神は力が制限されてしまう。だから先ほど転移魔法を発動した我はもう転移は使えない。それどころか生活魔法も制限されているので火も起こせない致命的な状況だ。
どうにかしてこの状況から脱しなければ…。夜になると魔物が出始めるし…
暗闇の中考え事をしていると、腹の虫が鳴った
そういえば、今日も朝食すっぽかしてたな…。何か食べよ…
そう思って、まず火の準備をしようと、暗闇に慣れた目で落ちている枝を探す。
ついでに石を拾って、集めた枝の上で石を打ち付ける。
カチカチとなって、いくつかするとやっと枝に火がついた。
「人間の古代の生活を習っておいてよかったな…」
そう思ったセシリアであった。
松明を手に、食べ物を探して歩いていると後ろから何かが来ている音がした。
振り向くとそこには人がいた。
いや、あれは…人じゃ、ない。頭が鷹で肩から下が人間だ。
魔物は人間の姿に近いほど強い。今の神力を使えない我にとっては今人間形に近い魔物と相手をするのは難しい状況だ。
逃げる…いや、すぐ追い付かれるな。真正面から戦う…でも神力が使えないな…どうする、どうする
セシリアは頭を高速に回転させながら、どうすれば最善か考えた。
魔物は光や音に反応するが…人型には通じないだろう…。我、ここで死ぬ…?
死ぬと考えた瞬間背筋がぞくっとする。
神でも人間界では蘇生できない。死んだら死んだで終わりだ。
…ここで死にたくない
わたしは松明を放り投げて、黙って魔物に背を向けて走る。
やはり鷹人間の魔物は松明ではなく我を追いかけてくる。
どうする、どうする、どうする!?
頭がぐちゃぐちゃでパニックになっていると、後ろが何かを切る「シャキンッ」という音がした。
不思議に思って後ろを振り向くと、マントを羽織り、血だらけの剣を握った男がいた。
こいつも魔物かもしれないので、警戒態勢を取ると、相手はこちらを向いて剣を納め、近づいてきた
「なんで君はここにいるのかな?」
「…人間か?」
我は相手の問いを無視して、自分から問いを吹っ掛けた。
相手は笑いながら「人間だよ」と答え、フードをとった。
「お主、まさか、勇者…?」
相手は金髪に碧眼の男だった。
金髪は神に祝福された者にしか現れない…が、そこまで珍しいものではない。
ただ、金髪碧眼の容姿を持つものは勇者とされる。
この男の容姿は勇者ということを表している。
「まあね、一応勇者だよ。それで、君はどうしてここに?ここは瘴気がすごいから普通の人間は入れないはずだよ」
勇者は優しそうな容姿とは裏腹に、鋭く探るような目をしている。
さて、どう切り抜けようか…
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