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第一話 冷蔵庫と悪魔

どこか退屈だった日常に現れたのはお菓子が大好きな「悪魔」だった。

新鮮味を感じてもお財布には優しくない。一刻も早くこの悪魔と交渉をせねば....!


ーー現在午前3時ーー


 こんにちは、読者の皆さん。僕は赤羽優(高校2年生)です。たった今、夜中にお菓子を食べようとしているところだ。親御さんには内緒にしてね。


 そうして昨日買っておいたプリンを食べるために冷蔵庫を開ける。ワクワクしながら扉を開けるこの高揚感、いいよね。やってはいけないことをしてるみたいで。

 さて、さっそく食べ‥‥‥


「‥‥は??」



 中身はなんと、袋菓子がぎっしりとしきつめられ冷蔵庫が今にも悲鳴を上げそうな様子そのものだった。  ‥‥‥ったくマジで‥(絶対問い詰める。) 

 こんなことをする犯人はあいつしかいない。


 僕に憑いた悪魔、 .......アンドラスだ。




~~~~~~~~~遡ること一週間前~~~~~~~


 僕はその日、体調を崩した上に頭痛がひどかった。


 心配してくれる家族にクラスメイトからの温かい言葉に感謝を感じながらも

「これはただ事ではない。風邪にしてはおかしい」  そう感じたのだった。


 自宅で休養中、あまりの痛さに頭が割れそうな錯覚を覚える。熱は......36,2。


(あー、これ、死‥‥)


 薄れゆく意識の中、誰かの気配を感じたのを最後に意識を手放した。僕は夢を見た。

 

 幼い時に出会ったふわふわで綺麗なあの人。天使って言ってたな、懐かしい......

突然何か異物が入り込む感覚を覚える。なんだこれは。   「うっ、」


胸を押さえ顔をしかめる。体がおかしい。幸せな夢から覚め冷や汗びっしょりで開けた視界。

そこにはなんと.......目の前に不審者がいたのだ。        


「うわ!!や、やばい、(警察......!)」


 必死に心を落ち着かせようとしながらスマホを探す。 がしかし。

(なんで見つからないの.......?!)  


 そんな僕の様子をじっと見ながらケラケラと楽しそうに笑う不審者。そいつは僕を見てゲラゲラと笑って言う。腹がよじれるといわんばかりに。


??「ぶっ、あはははは!!!なんだよお前、その顔は。めっちゃ絶望的じゃねえか。ひいっ、あははははっ!!.......はあ........っ、あははっははは....... 。 で、俺が見えるのか?ふーむ.......」


 不審者はズイッと顔を近づける。その瞬間僕は全てを悟った。

(こいつは人間じゃない、別の凶悪な、ナニカだ。)


悪魔「ご名答。人間にしては勘が良いな。そう、俺は悪魔だ。これからお前.....赤羽優に憑くことにした。俺のことは気軽にアンドラスって呼んでくれ。そんで.......」


 優の思考回路がいよいよ限界となりそうな様子を知ってか知らずか、アンドラスは面白そうな様子で机の上にあったポテチを勝手にとって食べ始める。ここが我が家というように。

ーーーーなんと図々しいことか。


  「なあ、これ(ポテチ)、まだある??」 


.........心なしか目がキラキラしてるような気がする。そんなアンドラスにピシャッと冷たい一言。


  「ない。自分でどうにかしろ。」             

                             「......チッ。」


 舌打ちが聞こえた気がするが知らん。僕は90,,,,いや、100%悪くない。

 そうこうしてアンドラスとの(一方的な)生活が始まったのであった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


......ここまでが一週間前の出来事だ。僕の後ろでお菓子をボリボリと食べている音が聞こえる。


「ほら、食えよ。食べきれんし。」


 (じゃあなんで買ったんだ。)とツッコミつつも渡されたお菓子を受け取る。二人はテーブルにある椅子に向かい合って座る。お礼を言いつつもふと疑問が沸き上がる。  


「ありがと......?.........っじゃねえよ。ほら、お金。代金はどうしたの???

まさか盗んだとか.......?」


 そう、お金だ。分かったことがあるが、悪魔はカラスの姿にならない限り他の人から見ることができないらしい。アンドラスはまるで当然のごとく、なんの罪悪感もないような様子で言う。


「?ああ、それならお前の財布から払ったけど。安心しろ、お前に取り憑いてちゃんと人間から見える状態にしてから買ったから。」



「........僕のお財布はカラカラなんですけど??」


 アンドラスは頭をガシガシと搔きながら少しイライラとした様子になる。

(こいつは自分の非を認めたくないのか。そうかそうか。)僕は内心毒気ついた。

 それでもアンドラスは相変わらずお菓子を食べ続けている。突然表情が変わる。さっきまでの不機嫌はどこへやら、パアッと目を輝かせそれを自慢げに見せびらかす。


「見ろ、当たりだ!!俺の読みは間違っていなかったんだ!」


.......呆れた。一週間いて気づいたことがもう一つ。

(僕のイメージしていた悪魔とは全く違う。)


「......もっと凶悪なイメージがあったんだけど」


 独り言をつぶやく。そこには呆れと退屈を埋めてくれる存在へのわずかな高揚感、お財布の交渉をせねばという使命感、なんだか拍子抜け.......といった感情がまざっていた。


  (.....なんて、甘く見ていたからこんなことになったのに。)

 蓋を開けてみれば、とんでもない事実が発覚したのであった。 

 

⇒次回(第二話)、アンドラスと赤羽優の財布交渉編!!!


皆さん、お財布には気をつけましょうね。

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