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もう一度、呼びかける

みんな一体、何を期待しているんだい?


ここでは何も起こらない。


なぜって?

それはそんな事を望んでいないから。


戦争で人々が泣き叫んだり、災害で愛する人が亡くなったり、

悲惨な事件が起きたり、そんな事は普通大嫌いだから。

だから、もう読まなくていい。


ここでは何も期待してもお・こ・ら・な・い、からだ。


それとも、みんな期待しているのかい…?

いつも何かが起きる事を?

そうやって気がついたらスマホでニュースサイトを見ていたり、

音のしない部屋に我慢できずにテレビを付けている。


本当にそれは静けさに我慢できないから?

本当かい?


実は何かが起きることを期待しているんだろ?


そうやって他人に起こるちょっとした事件を心待ちにしている。

そうだろ?


だったら、起こしてやるよ、その事件とやらを。

それが嫌ならここから先は読まない方がいいと思うぜ。


キミ、平和は大好きか?

じゃあ、なんで日々催促もされないニュースサイトを見にいくんだ?


キミは毎日何か変わっことがないか、

もっと言うと災害が起きてないか、

事故が起こってないか、

人が死んでないか?


発見するたびにやっぱり、そうなんだ、

と少しの心が揺らいでそれを楽しんでるんだろ?

ひどい奴だキミは。


仲間が死んで喜んでいる。

今だに戦争もやめない。


それは死ぬことに喜びを見出している種類の生き物だからだ。

人類は地球史上、必要もないのに命を奪う最悪最低な生き物だ。


そう今、キミは自宅の玄関の扉を開いた。

向こうから同級生が手を振って走ってくる。

「おい、一緒に行こうかー」

キミはそっちに向かって足を速めた。

「お、行こうー」


ここで急に車が突っ込んでくるとか、そんなことはないぜ。

だってそんな不幸はもうこりごりだ。


学校はいつもの平常通り。

今日も適当な授業はダラダラと過ぎて行く。

昼休み、弁当、午後の体育、汗をかく、

放課後、夕陽が現れて家への道を歩く。


ほら、キミの今日も平凡そのものだ。

それでいいじゃないか。


幸せだろ? 

ということでこれ以上、キミの人生について書くことはないので終わりにします。

では。と言いたいところなのだが、気になることがある。


本当にキミは幸せか?

それならここでこの話は終わりだ。

ばいばい。


でももしここから前に進みたいなら、

全然面白くないかもしれないけれどキミを連れ出そう。


さあ、いくぞ。



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