第四話 END
「END」なんて題名ですけど別にこの作品が終わるわけでは無いですよ!
「まさか……お前……」
フードの下の男の顔は嘘でも「不細工」などと言えないほどの美人さだった。だが、この顔に悠は嫌悪感しか無かった。
「お前などやめろ、朝霧悠。昔のようにコードネームで呼んでくれよ、『END』と。」
「昔のように……!?悠、お前こいつと関わりがあるのか……?」
悠は黙って男、『END』の事を見続けた。そして言葉を選ぶようにゆっくりと悠は口を開いた。
「この二人は関係ない、巻き込まないでくれ。」
「……良いだろう。」
瞬間、ウルグとココは車の中で座っていた。
「な……『テレポート』か!くそ、悠!」
車から脱出しようとしたが、鍵がかかっていて、出ることは出来ない。破壊して無理やり出ようともしたが、バリアのようなものがあって不可能だった。
「お前のお望み通り、そこの二人は車に戻した。さて、久しぶりの会話だ。存分に話そうじゃないか……」
「きゃー!!」
「な……なんなんだこいつ!!」
後ろの市民は、一人の首が跳ねた時からずっと騒いでいる。当然、こんな状態ではパニックになるだろう。だが、『END』は背後に振り返ることもせずに、一言だけ呟いた。
「静かに。」
瞬間、何もしていないはずなのに、市民全員の首は上空に吹き飛んだ。いつもなら市民を助けるためなら糞でも食らうような悠でさえも、この時は微動だに出来なかった。
「さて、何か聞きたいことはあるか?」
「……この世界にお前がいるって言うことは、お前が『ビースト』なはずだ。では、あの鯨はなんだ?」
「知らないな。別に俺が『ビースト』とは限らないぞ。」
余裕綽々という態度でENDはシラを切った。だが、悠はENDを睨みつけて言った。
「『ビースト』はその世界で最も魔力のある魔物、もしくは人間がなる。お前がなることは当然だ。」
「……あの鯨は俺の召喚獣だ。都市の外の様子を監視するために使っていた。お前たちを襲ったのは、鯨の独断だろう。」
召喚獣とは本来、新しい命を生み出す行為。大量の魔力を要する為、大きさは数センチに留まる。悠が作ったとしても、精々人間程の大きさ、二メートル程だろう。それがあの大きさ?軽く百メートルはあるだろう。
「とにかく今お前たちが帰るなら見逃すとしよう。」
「そうさせてもらう。今の俺じゃどう足掻いても一秒も経たずに屍だろうからな。」
すると、『END』は悠の事も車に送った。
「悠!!」
「悠さん!!」
「あぁ……死ぬかと思った……」
ウルグは荒い運転で元のエレベーターがある場所まで向かっていった。運転中、悠は二人に質問攻めにあった。
「あいつ、そもそも誰なんだ?」
「あいつは……『世界切断』の時からの生き残り、そして大量の世界の中で絶対に殺さなければいけない『ビースト』だ。」
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悠は大昔、かの有名な『世界切断』を行った。その際に切り離した日曜日の世界、つまり『現在の世界』は分断を行った当時は、言うなれば「星の無い宇宙」のように、何も無い空間だけが広がっていた。
そもそも、初めは日曜日の世界は『サン』という神が主として治めていた。だが、その神は堕ち、他の世界も自分のものにしてしまおうとした。そして、他の世界に害を与えすぎた結果、各世界の主に討たれたのだ。
そんな時、悠が世界に突然産まれた。そう、『新しい主』として。そして『世界切断』を行ったのだ。
だが、そんな時サンの肉体からはある一つの命が産まれたのだ。それが『END』。そしてその名を名付けたのは悠自身なのだ。
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「俺と拮抗するぐらいの力を持ってた『END』は、俺と共に世界を作りあげた。そして、今の世界に至る。」
「……なら悠が力を失ったのは世界を作った後ってことなのか?」
「そうだ。」
世間的に明言する必要も無く、悠は言っていなかったのだ。だがしかし、それでも気になることがまだあった。
「でも、なんで『END』さんは絶対に倒さなければいけない『ビースト』なんですか?」
「そもそも『ビースト』っていうのは堕落、つまり魔法を悪事に使用した魔物や人間がなる。『END』は昔【黒魔術】を使用して『サン』を復活させようとしたんだ。まぁ、俺が止めて失敗に終わったんだがな。」
その後、堕落した『END』は悠から離れ、大量に増えた異世界を動き回っている。そして各地で暴れ回っては派遣された異世界警察すらも……
「さっきも二人が車に飛ばされた後、市民全員が一瞬で首を跳ね飛ばされた。あいつの暴走を止めるには……俺の本来の力を取り戻すしか方法がない……!!」
こうして悠はENDを殺すため、覚悟を決めたのだ。だが、この冒険はまだまだ第一幕すら始まっていない、ほんの序章だと言うことには誰も気づいていないのであった……
第四話 終
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