第二十二話 告白
『登場人物』
「朝霧 悠」
この物語の主人公。世界最強であったが、『世界切断』という事件を経て弱体化してしまった。昔自分にかけた魔法によって数千年という時を生きている。使う武器は『叢雲』で、58364個もの魔法を使用できる。
「ウルグ・ハース」
悠の相棒。常に冷静で、表情筋を使ったことないのではないか、という噂がたったことがある。
「ココロ・シンリー」
皆にはココと呼ばれている。異世界警察では珍しい女性の警察官。基本的にピストルを使用して戦う。
「魔王」
悠やウルグ達と同じ特別警官。『創造破壊』の能力の強さで昇格した特例。気弱な性格。
「END」
世界最悪のビースト。悠の全盛期と張り合える程の実力があり、『世界切断』当時からの唯一の生き残り。様々な世界を徘徊している。
ビル内に隠れたウルグ、魔王、マーキュリーの三人は窓から外の様子を確認した。
「見ろ……保護対象が連れられていく……どうにかしなければ……」
保護対象の市民がレイガ・ボットに抱えられUFOに連れられていた。
「私に任せろ。」
マーキュリーはそう言うと、窓の隙間から手のひらを出した。瞬間、奥底に眠っていた魔力は一瞬にして手のひらに固められ、それは解放された。
「『水星』。」
瞬間、手のひらからは触れれば鉄でも何でも切れるような水圧の水が発射された。棒のように勢いを失わない水は、近くの建造物を全て破壊していき、保護対象を抱えているレイガ・ボットの頭を的確に撃ち抜いた。
「まずいぞ、保護対象が落ちていく。」
「十星を舐めすぎだ。」
そう言うとマーキュリーは先程の水を操作して、波に変えた。その波で保護対象の市民をこのビルまで運んできた。
「気絶している。それに加え体温が下がってる……魔王、毛布か何か作れるか?」
「『創造破壊』!」
魔王がそう唱えると、作られた物は段々形が整っていき、毛布になった。保護対象に毛布をかけて、寝かせた。
「そういえば寒いな……」
「冬なんですかね……」
ウルグは何も答えなかったものの、まだ疑いを持っていた。何となく嫌な予感がする。すると、マーキュリーは口を開いた。
「くだらん、こんな子供だましに気が付かなかったとは。」
そう言うと、マーキュリーは先程とは違う窓に向かって『水星』を放った。すると、何かを捕まえて、『水星』で引っ張ってきた。
「見ろ、小型の冷却装置だ。それも魔法が込められたものだ。レイガの魔法は……『冷却』ではない……気がする……!気がするだけだ!」
Underを読んでいるのは絶対に認めたくないのか、マーキュリーはハッキリとそう言った。魔王の方を見ると、魔王は頷いていたので、恐らくそうなのだろう。
「ならば別の敵ということか……」
「そういうことになるな。」
「上等だ。俺たちの事を舐めすぎだ。」
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「つまり、このaは26のX乗であるので……」
教師の高橋先生がそう説明している最中に「キーンコーン……」とチャイムがなった。
「はい、後は自分たちで教科書みてまとめといてください。休み時間でーす。」
高橋先生がそう話し終わったので、ココはノートを閉じて、悠を起こした。
「悠さん、『金星』様のところに行きますよ。」
「ん……ふぁぁ……うん、行こうか。」
休み時間になったらヴィーナスと裏で会う予定になっている。ヴィーナスも高校生程の年齢にはなっているものの、転校すると面倒なので学校関係者にはならないでおいたらしい。
だが、悠が立ち上がろうとした時、机の中からは一枚の小さい紙が出てきた。
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「昼に屋上に来てください。」
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悠は何となく察して顔を顰めたのだった。
「えぇ……」
ヴィーナスとの話は報告もなかったのですぐに終わった。その後、4限目も寝過ごし、昼になった。
「悠さん、行きますよ。」
「ん……あ、忘れてた。俺用事あるんだった。先に行ってて。」
「え、ちょっ……」
ココの止める声も聞かずに、悠は窓に飛び出て、壁をひょいひょい登ると、屋上まで上がった。
「あ、いた。」
「あ……悠君……壁登ってきたの?」
「うん、どこから来んのか分かんなかったし。」
紙には名前が書かれていなかったので、誰からか分からなかったが、ここに来てようやく分かった。同じクラスの「ハシモト」さんだった。
「えっと……実は言いたいことがあって……あの……」
そうハシモトさんはモジモジしながら言っていた。これは俺が聞かないと言いにくいやつか、と察した悠は「なに?」と聞いた。
「お願いします……」
【食べさせて。】
瞬間、ハシモトさんの顔は中心で裂け、裂けた左右からは奇妙な歯が現れ、異形の姿に変わった。
「っ……『激銃』!!」
悠がそう唱えると、悠の手のひらからは魔力の弾が何発も発射された。だが、ハシモトの体は全てを弾き返した。
「くそ……『翼翼』」
悠の背中からは魔力の翼が生え、襲いかかってくるハシモトの攻撃から脱出した。そんな時、扉から悠を追ってきたココが現れた。
瞬間、ココはピストルを抜いて、ハシモトの裂けた口内に弾丸を発射した。
「『反発』。」
瞬間、ハシモトの口内で銃弾は激しくバウンドし続け、ハシモトのことを内部から攻撃した。
【ぐぁっ……】
そう叫ぶと、ハシモトはその場に倒れた。顔が裂け巨大化していたので、地面が振動した。
「はぁ……ハシモトさん……この人がビーストだったんですか?」
「いや、違うだろうね。」
「そうなん……うわっ!!ヴィーナスさん、いつの間に!?」
気づいた時にはココの背後にヴィーナスが立っていた。ヴィーナスは悪戯が成功した子供とはまた違う、いやらしい笑いをしていた。
「いきなり屋上から魔力の大きい動きを感じたから。まぁ、こいつはビーストの部下か、それとも三下かってところだろうね。」
「……まぁ流石の俺だから食べたくもなるか!」
「無理がある無理がある!」
そんなことを言っている間に、予鈴がなってしまった。まだ何も食べられていないというのに。全く……これだからモテる男は……フッ。
第二十二話 終
今この話を書いている時にはまだこの作品を投稿していないんですが、ストックをもっと貯めておかないとマズいです笑




