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第二十話 混沌

『登場人物』


「朝霧 悠」

 この物語の主人公。世界最強であったが、『世界切断』という事件を経て弱体化してしまった。昔自分にかけた魔法によって数千年という時を生きている。使う武器は『叢雲』で、58364個もの魔法を使用できる。

「ウルグ・ハース」

 悠の相棒。常に冷静で、表情筋を使ったことないのではないか、という噂がたったことがある。

「ココロ・シンリー」

 皆にはココと呼ばれている。異世界警察では珍しい女性の警察官。基本的にピストルを使用して戦う。

「魔王」

 悠やウルグ達と同じ特別警官。『創造破壊』の能力の強さで昇格した特例。気弱な性格。

「END」

 世界最悪のビースト。悠の全盛期と張り合える程の実力があり、『世界切断』当時からの唯一の生き残り。様々な世界を徘徊している。

「悠とココは無事向かったみたいだな。」

「そのようです。」


 アタスマさんがウルグの独り言に答えた。基本、このエレベーターは近づくと開くが、誰かが乗って移動している間は開かない。今は開いたので、悠とココが無事に到着したことが分かる。


「魔王、俺たちも行くぞ。」

「はい!」


 そう言って二人でエレベーターに乗ると、魔王はウルグに話しかけた。


「ウルグさんは……僕のこと嫌いじゃないんですか?」

「ん……まぁ、好きではないが嫌いでもないな。」

「一番傷つきます……」


 実際、ウルグは臆病な性格の人間は苦手だが、逆に努力をする人間は好きである。魔王はその両方の面を持っているので、別にどちらでもないのは本心なのである。


「昔の話になっちゃうんですけど……」


 そう言うと、魔王は自身の昔話をし始めた。



 そもそも異世界警察署に入る人間は大体何かの事情があることが多い。ココのように捨てられることや、逆に家族が事故に巻き込まれたから引き取ってもらったというケースも少なくない。

 魔王は後者であった。物心つく前に、震災に巻き込まれ家族を失った。残された自身の姉と魔王で異世界警察に引き取られた。

 魔王は家族を失った出来事から、大切なものを失うのがトラウマになり、臆病な性格になってしまった。その事から、引き取られた児童を警察として育てる『児童警察育成施設』では「臆病者」と言われ虐められていた。


「だから僕人に嫌われてないか怖くなっちゃって……」

「別に俺は人を嫌いにはならない。苦手な人間はいても、嫌いになることはないから安心しろ。」

「う……なんかウルグさん微妙に怖いです……」

「そんな事言ってる間に世界と異世界警察署、二往復してるぞ。」

「えぇ!?!?」


 エレベーターは出ないで放置していると何回も往復してしまう。


「出るぞ。」

「はい。」


 ウルグに続いて魔王が外に出ると、思わず口を開いて動けないでいた。そこには発展した街があった。街があったのか?ほとんど廃れた街があった。

 そして、そこにはユニコーンやケルベロス、なんなら某アメコミの蜘蛛のヒーローなんかも居た!!!


「な……なんだここ……」

「あまりにもカオス……どういう事なんですか……」


 恐らく異常な理は『空想と現実の境目』みたいなものなんだろうが……こうもなるのか!?!?


『Oh!!Who are you!?』

「やめろ、著作権がめんどくさい!」


 話しかけてくる某スパイダーを追い払って、上空を見上げた。


「あの紫色の光が出てるUFO……僕見覚えあるんですけど……」

「なんなんだ、あれ?」


 魔王が見覚えあるUFOの名は『ダーク・シップ』。ウルグ達がいる世界で有名な漫画、『Under』のラスボスが乗るUFOだった。

 地中の洞窟に遭難した主人公達が洞窟で様々な敵を倒していくのだが、遂に地中から脱出したと思った先に待ち受けていたラスボスはなんと空中の敵であったという設定で、一斉を風靡した作品であった。


「ラスボスの名前は『ブラック・レイガ』。序盤に地中で登場する悪役でありながら、ラストでは空中で主人公達を阻む、典型的なラスボスです。」

「つまりここは……悪役とヒーローが戦ってる街ってことだな……俺たちはそこに巻き込まれたのか。」


 まずは保護対象を探すところからである。先は長い……


────────────────────────


「転校生の朝霧 悠さんとココロ・シンリーさんです。奥の席使ってね。」


 悠とココは奥の席に座って、適当に話を聞き流していた。悠は教師の話が始まってから三秒で寝た。

 休み時間が始まると、生徒が何人かココと悠に集まってきた。そのうち、金髪でピアスを開けているヤンチャな男が話し始めた。


「ねぇ、聞いたんだけど二人とも異世界警察なの?初めて見たわ。俺。」

「え、ココ。これ言っていいの?」

「別にいいんじゃないですか?」

「そうだよ。俺朝霧 悠って言うの。知ってる?」


 そう言うと、金髪の取り巻きのような男達がザワついて笑っていた。代表のような金髪がまた話し始めた。


「へぇ、おもろ。後でお前、裏来てよ。色々教えてあげるから。」

「……いいよ。」


 悠は魔法というよりも、長年の経験で金髪の悪意を感じ取っていたが、別に負ける気も1ミリもしないのついて行くことにした。


 昼、弁当を食べる時間だったが、食べるものもなかったので、悠は困っていたが、金髪に呼ばれていたので裏に向かった。


「んぁ、悠だっけ。飯ねぇの?」


 金髪は校則違反だがタバコをふかしていた。


「飯はないけど。……てかタバコだめなんじゃないの?」

「まぁまぁ、OKの学校もあるから。」


 全国民の年齢が高校生なら、タバコを吸っていい学校もあるに決まっているだろう。だが、この学校は校則違反である。まぁ、これくらいは見逃してやろう。


「おい、坂上さかのうえ!飯買ってこい!」

「はっ……はい!!」


 メガネをかけて明らかにパシリにされている、坂上という男子が飯を買いに行かされていた。


「いいよ別に。俺自分で行くし。」

「何お前、俺が行けっつってんだから行かせときゃいいだろ。」


 そう言うと金髪は不機嫌そうにタバコをポイ捨てした。少々イラついてきた悠だったが、それより先にあちらが仕掛けてきた。

 金髪は取り巻きに悠を囲うように指示した。


「お前さぁ、異世界警察だかなんだか知らねぇけど調子乗ってんでしょ。俺ここらじゃ有名なヤンキーなんだけど……何、死にたい?」

「いやぁ……一般人相手の手加減は教習所で習わなかったからなぁ。」


 そう言って悠が挑発すると、金髪はブチ切れて悠に向かって走ってきた。


「『怪力』!!!」


 そう金髪が魔法を唱えると、金髪の腕には魔力が溜まっていった。当たってもなんともないが、一応悠が避けておくと、パンチは地面にあたり、地面が少しえぐれた。


「それ、魔法使う意味ある?」

「あぁ!?てめぇ痩せ我慢してんじゃねぇ!お前らやっちまえ!!」


 そう金髪が叫ぶと、四方八方の取り巻きから魔法が飛んできたが、悠は軽く全てを避けた。


「あんま無双とか好きじゃないんだけど。楽しくないし。」

「クソが……『爆力ばくりき』!!!」


 そう言うと、金髪の拳には先程よりも多く魔力が溜まっていった。恐らく、先程の魔法の上位互換ということだろう。


「死ねぇっ!!!」


 そう叫んで殴りかかってくる金髪の拳を受け止めた。すると、何が起こったのか、悠でも分からなかった。

 金髪の腕に溜まっていた大量の魔力が悠に突然移動した……というより吸収されたのだ。もちろん悠は止めただけなので何も魔法は使っていない。


「もしかして……このハチマキ……」


 ハチマキには先程までなかったはずの魔力が大量に宿っている。それも、金髪の『爆力』で放とうとした魔力分が。

 そう、山本五郎左衛門のこのハチマキには、触れたものの魔力を吸収する術があったのだ。だが、悠は何か感覚で感じ取った。まだこれだけではないと。

 悠は掴んでいた金髪の腕を離し、手のひらを金髪の顔の前に持っていった。


「〖発散〗!!」


 そう悠が叫ぶと、金髪に先程の『爆力』が跳ね返り、金髪は吹き飛ばされた。そう、このハチマキは触れた魔力の〖吸収〗〖発散〗をすることが出来る品物だったのだ。


「これは……相当強いぞ……!」


第二十話 終

最近この作品書くの楽しいんですが、作者目線の楽しさと読者目線の楽しさのバランスって難しいですよねー

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