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第十二話 不死

『登場人物』


「朝霧 悠」

 この物語の主人公。世界最強であったが、『世界切断』という事件を経て弱体化してしまった。昔自分にかけた魔法によって数千年という時を生きている。使う武器は『叢雲』で、58364個もの魔法を使用できる。

「ウルグ・ハース」

 悠の相棒。常に冷静で、表情筋を使ったことないのではないか、という噂がたったことがある。

「ココロ・シンリー」

 皆にはココと呼ばれている。異世界警察では珍しい女性の警察官。基本的にピストルを使用して戦う。

「END」

 世界最悪のビースト。悠の全盛期と張り合える程の実力があり、『世界切断』当時からの唯一の生き残り。様々な世界を徘徊している。

「ど……どうしよう!?!?」


 ウルグはその場に倒れてコンマ単位で見ても動いていない。悠はパニックで何が起こっているのか、表面上だけを理解して、何も考えれないような状態だった。


「と……とにかく異世界警察署本部へ持って帰らないと……!!」

「俺も手伝うぞ!」


 そうして、大魔神と二人でエレベーターまで死んだウルグを運び、エレベーターに乗せた。


「帰るのは……このボタン!!!」



 エレベーターで元の世界に帰ってくると、ちょうどココとアタスマさんが目の前にいて、漫画の目を飛び出す演出のように、目を見開いて驚いていた。


「ウルグさん!!!」

「死……死んでるんですか……!?」

「色々とあって死んだんだよ!とにかく、どうにかしてくれ!」


 それなら、と言いココはアタスマさんに許可を貰ってい、口を開いた。


「今、ちょうど新しい世界が見つかったんです。理の異常が『死』の世界。つまり、()()()()()()んです。だから、ウルグさんも生き返らせれるかも……」

「そこに警察官の一人もいるようなので、脱出出来なそうになっていたら、助けてあげて下さい。」


 アタスマさんの言葉を頭の片隅にずらして置いておいて、直ぐにウルグをエレベーターの中へ運んだ。


「じゃあ、行ってくるよ!」

「あ、待ってください!その世界ワンクg……」


 何か言おうとしているアタスマさんを無視して、ココと悠と、死んでいるウルグはその世界に向かった。


「なんて言おうとしてたの?」

「それが……この世界、()()()5()なんですよ。」

「そうか……ワンク5か……ワンク5?……ワンク5!?!?!?」


 ワンク5。別名『超危険特別処理世界』。パトロール中の異世界警察官、全員が行かなければいけない(とはいえ、パトロール中に司令に気がつくのは不可能なので、実質戻ってきたら即行かなければいけない。)。


「警戒しろ……!ワンク5には俺は苦い思い出がある……!」


 扉が開いた瞬間、住む世界が変わったのが肌全体で分かった。ピリピリという毛穴一つ一つを刺すかのような感覚。重く何かが乗ってくるかのような重厚感。

 ここは人間の住む場所ではない。空を見上げると、夜なのか真っ暗だった。だが、星の一つも見えない。なんとも不気味な場所だ。

 地面はコンクリートで、歩ける程度には整備されているが、都会と言えるようなレベルではない。


「全く……よくもやってくれたな……!」

「ウルグ……」

「ウルグさん!!!」


 険悪ムードを破ってココがウルグに抱きついた。だが、ウルグは、悠が自身を殺したことよりも他のことに怒っている様子だった。


「お前たち……こんな世界に来て覚悟は出来てるんだろうな……!」

「覚悟って……三人が揃ってるなら大じょ……」

「いや、絶対に無理だ。」


 いつも冷静ではあるものの、ネガティブな発言はあまりしないはずのウルグはキッパリとそう言った。その発言に思わずココは面食らったかの様子をしていた。


「まず考えてみろ?『不死』。俺たちも死なないからいいかもな。だが、ビーストをどう討伐する?それに、これは俺もお前から聞いただけだがな。ワンク5は……悠、お前一度保護対象を()()()()()()()()ことがあったんだろう。」


 悠は人生の中で、二回のみ保護対象を守れなかったことがある。その内の一回はワンク『ZERO』での例の一件。力を失った状態でENDと出会ってしまったので、これはまだ仕方ないと言えよう。

 だが、もう一回は万全な状態での出来事だった。万全な状態で挑み、大敗を喫した。そして、保護対象が目の前で惨殺されたのだ。


「『上』の一人……〖土星(サタン)〗。お前も覚えているだろう。」


 そう、あれは悠が超全盛期の出来事。そしてその事件が悠の力を失う原因となってしまったのだ。


 通称〖均衡崩壊〗。


第十二話 終

ここから数話だけですが、〖均衡崩壊編〗に入ります。書いてる側はめっちゃ面白かったので、是非読んでみてください。

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