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第十一話 大魔神

新しい章の始まりです!!

「はぁっ!!どこですか!?ここ!!」

「大丈夫、ホテルからは抜け出せた。」


 そう言うと、ココは安堵して「ふぅっ……」とため息をついた。そう、ここは『異世界警察署本部』の保健室。魔力が不足していた悠と、意識を失っていたココは少し眠っていたのだ。


「俺の腕も一瞬で手術で修復されてる。異世界警察署本部(ここ)来ればなんでも出来ちゃうな。」

「そうですね……」


 ココが返答をしている最中に、突然ココが寝ているベットの足元らへんから「ブーッブーッ」と電話が鳴った。


「あ……「上」からです。」

「「上」……!」


 ココは電話を取り、少し離れた位置で電話を始めた。

 「上」とは十人の、様々な分野に特化した異世界警察官。現在は一人空席の為、九人のみしかおらず、一人一人与えられる惑星の名前の中で「太陽」だけが存在しない。

 その詳細の情報を知るものは世界に数人しかおらず、ココはその一人でもある。よく言われるのは「上の情報を知るのは上のみ」ということである。


「はい、はい……分かりました。」


 そう言ってココは電話を切った。


「また新しい世界の情報でした。早速準備しないと……」

「駄目ですよ、ココロ・シンリーさん。」


 声の方向は悠の背後であった。背後には、保健室の管理者のおばちゃんが立っており、険しい顔でココを見ていた。


「行きたい気持ちは分かりますけど、今は安静にしておいて下さい。悠さんとウルグさんで十分事足りるでしょう。あなた、先程まで意識失っていたんですから。」


 そう言われると、言い返すこともなくココは「はぁい……」と子供のように言って布団にもう一度横になった。

 だが、悠は内心少しピリピリしていた。そう、悠はウルグと先程喧嘩をしたいたのだ。


 前回の世界で悠がウルグに騙されていた事について、「少しは報告しろ」と言い、結局手合わせで決めることになったが、ウルグが禁じ手(重症化しやすい箇所は狙わないのがマナー)を使ったといい、喧嘩になっていたのだ。




 数分後、アタスマさんの説明を聞きにマスタールームへ来たが、二人は目も合わせずに席に座り、お互いにそっぽを向いていた。


「えと……何かあったんでしょうか。」

「問題ない。そのまま続行してもらおう。」

「問題ありまくりだろ!禁じ手はな……」

「馬鹿はよく吠える。」


 バチバチのウルグと悠の間に入るようにアタスマさんは二人を止めて、一旦世界の説明をした。


 実は、3種に分かれると言っていた世界の内、「危険世界」は二つに分かれるのだ。

 単純な話、ビーストの敵意の有無である。敵意があれば「危険世界」、無ければ「要判断世界」となり、警察官のさじ加減で決まることとなる。

 今回の世界はその「要判断世界」である可能性が高いと言うのだ。


「ま……まぁ一旦行ってきてもらって……」



 エレベーターに乗り、世界に移動する間も二人は距離を取り、無言であった。エレベーターが開くと、同時に出ようとしてしまい、二人は睨み合った。


「先行けよ。」

「貴様が先に行け。」

「なんで俺が行くんだよ!お前が行け!」

「はぁ、全く。猿は聞き分けの悪い。」

「お前今なんて……」


 妥協してエレベーターから出たウルグにそう悠がキレようとしたが、思わず悠もウルグも口論をやめた。目の前には金色のランプがあったのだ。そしてもはや想像に容易い、煙の魔神がそこから出ていたのだ。


「こんにちは!!大魔神であるぞ!!」


 アラ〇ジン!!!!


「さぁ、願いを叶えてやろう。」


 アラ〇ジン!!!!


「あ、でも一つね。」


 ケチ!!!!ケチアラ〇ジン!!!!


「どういう事だよ!!!もしかして……お前がビースト!?」

「そんな人聞きの悪い言い方やめろよっ!相棒!」

「いやなってねぇよ!!」


 大魔神と名乗る煙の魔神は、まるで犬のように悠頬を擦り寄せそう言った。体が触れる程の至近距離。殺そうと思えば何時でも殺せるが、何もしないということは、敵意がないのだろう。


「元々、筋肉がチャームポイントの研究員で、新しい魔導書を発見したと思って、自分の手柄にしようとして隠してたんだよ。それで、Lv★☆☆☆☆の『魔法追加(マジックプラス)』っていう魔法を試してみたら、代償でこの姿に。」

「『魔法追加(マシックプラス)』は詐欺みたいなものだからな。何でも願いを叶えられる体になる代わりに、黒魔術書には載っていない代償を負わされることになる。」


 すると「そうなんだよ!」と共感するかの如く大魔神は肩を落としてため息をついた。どうやら感情表現が豊からしい。


「じゃあ、俺の願い事!俺はねぇ……」

「ちょっと待ちな兄ちゃん!」


 悠がそう願いを言いかけると、何故か大魔神は願い事を言うのを止めた。


「俺の能力ってのは、おめぇさんの意識下、つまり心の奥の方の願いを叶えるもんなんだよ。つまり、言われちまうと俺の芸が出来なくなっちまうからさ。」


 そう大魔神が言うと、悠は「ふぅーん」と言って納得した。すると、大魔神は色々とお願いをして、悠が目を瞑って座っている状態にさせた。


「さぁ、君の願いを叶えてあげようじゃないか!!!」


 大魔神は例の野太い声でそう言うと、悠の頭にすっと触れて魔力を放出した。悠の願い……悠の願い……


 瞬間、ウルグの心音はまるで悠に聞こえるかというほど大きくなった。途端に何があったのか、ウルグはその場に倒れこんだ。

 息はなし。呼吸をする様子はないし、動き出す様子もない。悠も目を開けてこの空気を感じ取っていた。


 そう、悠の願い事は「ウルグ死ね!!」だったのである!!!!


第十一話 終

え、この主人公の次のメインキャラがギャグで死んだけど???あと主人公の思っていいことじゃないけど???

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