夜の部室棟
月明かりの下、再び夜の学園に忍び込む主人公。
昼間の学園はその明るさと喧騒の中で普段通りに見えるが、夜が降りるとその全く別の顔が見えてくる。
昨日見た“不気味な儀式”の影を追い、主人公は再び旧校舎に足を運ぶことを決心する。
不自然に灯る明かり、目の前で繰り広げられるオカルトじみた儀式、そしてあの人の姿……
主人公の疑念は確信に変わり、ついに“契リ部”の存在が明らかになりつつある。
だが、その先に待つのは果たして運命を切り開く力か、それとも深い闇への誘いか——。
闇にひそむ秘密を暴くその瞬間、主人公はどうしても目を背けられない真実を目にすることになる。
夜。学園の敷地内に再び忍び込む。正門や通用口には警備員がいるが、敷地が広いため裏手の塀からこっそり入ることはそう難しくない。私は昨日と同じように校舎の影を縫うように歩き、旧校舎へ向かった。
近づくと、不自然に灯りが点いている窓があるのに気づく。使われていないはずの部室棟だ。昼間に見たときは薄暗く埃まみれだったのに、今は明かりが漏れている。誰かがいるのは明らかだ。
建物の外壁に回り、慎重に足を進める。ほとんどの窓はカーテンがかかっているが、一つだけ隙間から中の様子がうっすらと見えた。そこには数人の生徒らしき人影があり、黒っぽい衣をまとい、何かを囲んでいた。
私は息を殺して覗きこむ。彼らの中心には、螺旋状の模様が描かれた小さな円卓と、その周囲に並べられたロウソクが見える。まるでオカルトじみた儀式の準備のようだ。そして……、そこにあの人がいた。
あの人は中心に立ち、静かに呟いている。距離があるため声までは聞こえないが、その姿はまるで司祭のような威厳すら感じさせる。ああ、やはり……。私の推測は当たっていたのかもしれない。この部活動こそ“契リ部”だ。
すると、不意にあの人が窓のほうを振り向いた。私は慌てて物陰に隠れる。見つかったのだろうか。胸の鼓動が激しく、呼吸が荒れる。しばらくじっとしていたが、追ってくる様子はない。気づかれなかったのかもしれないが、気配を察した可能性はある。
もう少し情報を得たい――そう思い、再び窓の隙間を覗こうとしたそのとき、扉の開く音がした。私は急いで影に身を隠す。中から一人の生徒が出てきて、あたりを警戒するように見回している。どうやらこの部のメンバーらしい。
ここに留まれば見つかるのは時間の問題だ。私は仕方なく、その場を離れることにした。だが心には確信がある。あの人と“契リ部”の存在。そこに私が求めるものがある。あるいは、それは深い闇への入り口かもしれないけれど……。
夜の学園、旧校舎で繰り広げられる奇妙な儀式。その中心に立つあの人の姿は、主人公の疑念と期待を確信に変えます。
“契リ部”という名の秘密の部活動、そして儀式の準備が着々と進む中、主人公はその真実に迫ろうとするものの、予期しない危険が待ち受けています。
しかし、どんなに危険であろうと、主人公は求めるものがある限りその足を止めることはありません。
物陰から見るその姿は、まるで引き寄せられるように真実を知りたくてたまらないかのよう。
次に見つけるべき真実が、主人公をどこへ導くのか。そして、それが運命を変えるものとなるのか。
物語は深い闇へと進み、主人公を更なる未知へと引き寄せていきます。