嘘の責任
冒険者になる に冒険者ランク(Fランク)を書き足しました。
霧屋星火殿
この手紙を持って王城に来ること
手紙にはこれしか書かれていない。呼び出される理由がわからないが、とりあえず行くしかない。
手紙をしまい、王城に向かう。王城は街の中心にあり、一時間もしないうちに到着した。
「あの、すみません。手紙で王城に来るよう言われたのですが」
恐る恐る門番の兵士に話しかけ、手紙を見せる。
「星火様ですね。それではこちらに」
兵士に案内されて謁見の間に通される。すでに、王様は王座に座って待っていた。
「急な呼び出し、謝罪する。其方が霧屋星火だな。其方は賢者グルジャ・バルトルスの弟子と言っていたが、それは真か?」
「……はい」
ヤバい。違いますなんて言えない。この嘘は貫き通すしかない。
「其方に頼がある。グルジャ・バルトルスが亡くなった今、魔王軍との戦いは劣勢になっている。この王都トレアを守るために魔王軍と戦って欲しい」
はい、面倒ごとでした! どうにか断る理由を考える。
「申し訳ありません。私は確かに賢者様の弟子ですが、賢者様のように多種多様な魔法を使えるわけではなく、強力な魔法も使えません。お力にはなれません!」
頼む! これで諦めてくれ! 心から願う。
「そうか……なら勇者の指南役になってくれないか? 其方が学んだ魔法を勇者に教えてくれ」
「……学び途中であったため、大したことは教えられません」
「それでも構わない」
これ以上は断ることができない。承諾するしかない。
「……わかりました」
「では、明日また王城を訪ねてくれ」
「わかりました。失礼します」
兵士の案内で王城を出る。ちくしょう! 咄嗟についた嘘でこんなことになるなんて。俺は自由に生きたいのに!
近くにあった石を蹴飛ばす。
「ストレス発散だ」
俺はギルドに行き、討伐依頼を複数受けた。
「ヘルファイア! サイクロン!」
日が沈むまで討伐を続けた。おかげで報酬は1万ガルを超え、冒険者ランクもDランクに上がった。それに、お金にもだいぶ余裕ができた。
「疲れた――」
宿に戻ってベットに入る。明日は憂鬱だが、もう諦めた。それに勇者がどういった人なのかも気になる。
なんとかなるだろう。そう思って俺は眠りについた。