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月が綺麗ですね

作者: ポン酢

ある日、家に黒服の怪しい男がやってきた。

そしてこう言った。


「圷様ですね?四十万様の遺言でお訪ねしました。少々お時間よろしいでしようか?」


私は咄嗟に何も答える事ができなかった。

何故なら私の名字は「佐藤」であって「圷」ではない。

そして「四十万」などという名字の知り合いはいない。


いや……。


正しく言えば「現実的」にはいない、だ。

だが「圷」も「四十万」も身に覚えはあった。


「圷様?」


「ええと、佐藤です。」


「存じております。圷様。」


「では佐藤でお願いします。」


「申し訳ございません。四十万様の遺言で、何があろうと、ご本人に断られようと「アクツ」様とお呼びするよう、指示されております。」


「……アイツ!!」


私はギリギリと爪を噛んだ。

しかしふと、その黒服の言った言葉が気になった。


「……遺言?」


「はい。遺言にございます。」


「……てことは、シジマは……。」


「先日、お亡くなりになりました。」


言葉を失う。

確かにこのところ、サイトの更新がなかった。

気にはなっていたが、体調が悪いから少し休むとブログにあったから、そのうち戻ってくるだろうと思っていた。


思っていたのに……。


それをどう捉えていいのかわからず、私は言葉に詰まった。

何かお悔やみを言わなくてはと思うのだが、胸にぽっかりと穴が開いてしまい、言葉が出なかった。


そんな私の顔を見つめながら、黒服の男は表情一つ変えずに懐から何かを取り出した。


「四十万様の遺作がございます。」


「え?!」


「貴方には、それを探して頂きたいのです。」


「……は??」


「やって頂けるのでしたら、依頼料としまして、前金でこちらをお渡しします。」


「?!」


そう言って黒服は先程取り出した物を見せる。

その厚みから見て、それが全部札なのたら数十万円程だろう。

ゴクリ、と喉がなった。


「これには捜索経費も含まれています。必要がありましたら、ここからお使い下さい。」


「いや、やるとは……。」


「遺作が見つかりましたら、この二倍、後払いでお支払いたします。」


ゴクリ、と喉がなる。

私の顔をじっと見つめる黒服。

そしてこう言った。


「もし、お受け頂けるのでしたらこちらにサインをお願い致します。期限は一週間。それまでに見つからない場合は、前金のみのお支払となります。」


そう言って差し出されるペンとバインダー。

それを受け取り、私は暫く固まっていた。






「……あの野郎、俺が断れないのに気づいててわざとやりやがった……。」


四十万 宇宙。

出版経験もあるネット小説家だ。


そんな四十万と私は、何というのだろう?

ライバルというか、私が勝手にライバル視していたというか。

いや、アイツもいちいち、喧嘩売ってきてたしな?

意識はされていたんだと思う。


ただ必死にアイツに齧り付く私とは違い、アイツはいつでも余裕そうだった。


そりゃそうだ。

商業成績は私よりずっと四十万の方がいい。

私は商業出版は一つだけだが、アイツは三つあった。


だからといって、私もアイツも小説家なのかと言われると、直木賞などとは違い、ネット小説からちょっと出版したくらいで食っていけるほど世の中甘くない。

言うならセミプロと言ったところだ。


だから私は仕事をしながら執筆を続けていたのだが、最近、それを辞めた。


やはり仕事をしながらでは中々時間も取れないし、何より副業が認められていたとしても、それができるほど現代サラリーマンの仕事は楽ではない。

人員削減に削減を重ね、風邪で誰か休んだら通常通りには仕事が回らなくなるくらいなのだから。

日常業務がギリギリ問題なくできる状態に人員が配置され、余力がない形なので、何かトラブルや欠員が出るともう、てんてこ舞いになる。


そんな生活に疲れきったのと、一度、真剣に執筆と向き合って結論を出そうと決めたのだ。


それは執筆している投稿サイトにも書いた。

だから四十万は私が今、仕事をしておらず、そろそろ金にも困る頃だとわかっていた。


「……本当、ムカつくんだよ。アイツ……ッ!!」


なのに、その四十万が死んだ。


まだ公表はされていない。

一週間後に遺作とともに公表したいのだそうだ。


死因は教えて貰えなかった。

遺作を見つけられればわかると黒服は言っていた。


「クソ、こんな事ならファンレターなんて出すんじゃなかった……。」


四十万との付き合いは、ずっと昔に遡る。


元々は私が四十万のファンだった。

その四十万が受賞して出版する事になり、ファンレターを送ると抽選でグッズが当たるというので出したのだ。

今思えば、あの頃の青臭い自分をぶん殴りたい。


そのグッズ抽選の中に「四十万賞」というのがあって、それは四十万の印象に一番残ったファンレターに与えると言うもので、私はそれが欲しくてただの感想ではなく小説を書いて送ったのだ。

それも二次創作ではなく全く違う話で、主人公がとても好きな作家に会う為に作家になる話だった。


そこからだ。

私と四十万の因縁が始まったのは。


私は見事、「四十万賞」を手に入れた。

しかしそれに対する四十万のコメントが酷かった。


「フィクションなら30点。ノンフィクションになったら5000点。君はここまで来れるか?圷君?」


である。

可愛さ余って憎さ百倍。


キレた私は「たかだかネット小説で一発出版したぐらいで天狗になってんじゃねえぞ?!四十万め!!」と息巻いて、その時やっていたコンテストに応募した。

結果は佳作。

それに気づいた四十万が「惜しかったね。待ってるから。」とかコメントを出したので、余計に火がついた。


そこからとにかく頑張った。

そしてやっと副賞と作品出版を手にしたコンテストでは、何と四十万が大賞を受賞していた。


本当に腹の立つヤツなのだ。


この大賞の出版と、別に依頼された作品を出版し、四十万は三作の商業実績、私はその副賞の一つだけだ。

仕事をしながらの執筆にも限界を感じ、また、ブラックとまでは言わないのかもしれないが、束縛のキツイ仕事の割に満足に給与も出ず、悩んだ末、一度執筆に専念して、それで駄目だったらもう諦めようと私は決めていた。


なのに、四十万は死んだらしい。


あんなに憎たらしく思っていた筈なのに、もう四十万がいないと言われ、私は書く事ができなくなった。

遺作探しを依頼されて以降、私は自分の作品を一行も書けていない。


ただ、代わりに書き始めたものがある。

それはこの「遺作探し」を記録するように書き始めた話だ。

もちろん、現実通りには書いていない。

場所も自分の名前も四十万の名前も変えてある、ハーフフィクションだ。


それはこの「遺作探し」の条件でもあった。

遺作探しをしながら、それをなぞるように話を書く、という謎の条件があった。

しかも「出版できるレベルで」とある。

何なんだ、その条件は??

セット販売でもしようってのか??


私と四十万が犬猿の仲なのはそれなりに有名だ。

なのに何の目的でそんな事をさせるのか?

そもそもこの「遺作探し」は何なのか?

何で私がそんな事をしなければならないのか?

全くわからない。


私は新幹線の中で弁当を食べ終え、ため息をついて外を見つめた。


手にあるのは四十万からの第一ヒント。

そこには四十万のデビュー作のヒロインのセリフが書かれていた。

修学旅行先の奈良で、主人公に告白する前に言ったセリフだ。


「馬鹿にすんなよ?俺はあの頃はアンタの一番のファンだったんだからな?!考察だって重箱の隅をミクロ単位でつつき回してあるんだからな?!」


なので、このヒントについてはほぼ答えがわかっていた。

泊まった宿の見当はついている。

だから迷わず、私は新幹線と宿の手配をして家を飛び出した。


四十万は本当にわからないヤツだ。

私を煽って色々言うというのに、自分のファンが私を貶していると、それを諌めるのだ。

まるで「コイツを虐めていいのは自分だけだ」とでもいうかのようだった。


そう思うと、ムカムカしてきた。

車内販売のビールを買うと、私はそれを飲んで到着まで寝る事にした。






旅館につき、チェックインを済ませる。

その時、私は聞いた。


「すみません、『この旅館の屋上の鍵をお借りする事はできますか?少しの間でいいんです。』」


私の言葉に、受付の女性は少し驚いた顔をした。

そしてまじまじと私の顔を見る。


「……失礼ですが……お名前は?」


チェックインをしたのだから、名前はわかっているはずだ。

だが聞かれる事はわかっていた。

むしろ、これを聞かれた事で私はホッとした。

自分の考察が合っていたからだ。


「圷です。『圷 隆二』です。」


本名とは全く違うペンネームを口にする。

正直、とても恥ずかししい。

何しろ本名は「佐藤芳雄」だ。

それが「圷隆二」とか名乗ってるんだから恥ずかしくて仕方ない。


受付の女性はチラリとチェックイン用紙に目を落としてから、少々お待ちくださいと言って、内線電話をかけた。

なぜチラリと見たのかがもう、いっそ殺してくれと思える。

内線は女将さんにだったようで、しばらくすると風格の違う女性が現れ、ロビーのソファーに座らされた。


「圷先生でいらっしゃいますね?」


「先生だなんて……。でも、はい。圷隆二という名で話を書いています……。」


「ふふっ。お早かったですね。」


「あ~、まぁ……。これはすぐわかったので……。」


「そうですか……。四十万先生も喜ばれていると思います……。」


そう言いながら、女将さんは少し涙ぐんでいた。

どうやら四十万とは顔見知りのようだ。


「あの、四十万はどうして……。」


「すみません。それはこちらからはお教えできないのです。」


「そうですか……。」


そう言われては何も言えない。

女将さんは懐から封筒を二つ取り出した。


「こちらが四十万先生から頼まれていたものです。」


「……確かに受け取りました。」


「それからこれが屋上の鍵です。」


そう言って鍵を差し出される。

私はびっくりして目を丸くした。


「え?!ただの合言葉では?!」


「ふふっ。そうなのだと思います。……ですが、私は圷先生には見ておいて欲しいのです。」


「……はぁ。」


「今の時期ですと日の出は4時半頃のようです。では、ごゆるりとお過ごし下さいませ。」


女将さんはそう言うと綺麗にお辞儀して去っていった。

私は部屋に行き、渡されたものを確認する。


一つはUSBメモリとパスワードの一部。

もう一つは次のヒントだった。


「ってこれ……。あの時の俺の小説じゃんか!!」


次のヒントに書かれていたのはやはりセリフなのだが、四十万の小説ではなく、私がファンレターとして送った小説のセリフだった。

これは完全に未発表のものだから、知っているのはあの時の企画をしていた出版社の担当か四十万本人だ。


私は恥ずかしくなって手で顔を覆った。

まだ未熟な話を送りつけた恥ずかしさと、その時、四十万と四十万の話に寄せていた想いが蘇り、いても立ってもいられなくなる。


「何なの?!これ?!人生最後にイジメ?!」


何も手につかなくなり、私は仕方なく風呂に入った。

そして夕食を取り、酒を浴びるように飲んで寝た。


しかし早い時間に寝たせいで、夜中に目を覚ましてしまった。

別に起きるつもりはなかったのだが、ちょうどもうすぐ4時だと言う事で、私は上着を着て屋上に向かった。


空が白み、太陽が登る。


その太陽を背にヒロインが立ち、主人公に振り返っていうのだ。


「……好きだよ、てね。」


朝日に照らされ二人はキスをするのだが、当然、一人で日の出を見ているだけの私にはそんな相手はいない。

単なる聖地巡礼だ。


「……部屋に戻るか。」


なんだか虚しくなり、私は部屋に戻った。





次のヒントは自分の話だ。

ただただ恥ずかしいだけで、難しくも何ともなかった。


俺はアポイントをとっていた出版社の受付で相手を呼び出してもらう。

ロビーの区切られたスペースで座って待っていると、小柄な女性が駆け込んできた。


「あ!圷先生?!圷先生ですよね?!」


「あ、はい……。」


「良かったぁ~!引き受けたはいいけど、来なかったらどうしようかと!!」


バタバタと慌ただしくそう言うと、彼女は抱えていた大きい封筒から、また小さな封筒を二つ取り出した。


「四十万先生を担当してました、稲守です!!」


「圷隆二です……。」


「はい!存じております!!後、渡すものはこれになります!!」


「あ、ありがとうございます……。」


「良かったぁ~。来なかったらどうしようかと~。」


稲守さんは、当時、四十万のデビューを担当した人だ。

私が四十万に書いた小説は、追いかけた作家に主人公がコンテストで受賞して、出版社でやっと会える話だ。


『ずっと貴方に逢いたくて、追いかけてここまで来ました!!』


そう、ヒントには書かれていた。

私の話では、ここでそのセリフは言われる。


だからひとまず、当時の担当さんに何か知らないか聞きたくてアポイントを取ったのだ。


「……四十万先生、待ってたんですよ?!」


そう、ちょっとぷんぷんしながら稲守さんに言われる。

いや待ってるって……社交辞令や嫌味じゃなく、本気だったのか?アイツ?

私はどう答えていいのかわからず苦笑いを浮かべるしかない。


「後!話、どこまで進んでます?!一度チェックしても?!」


「……話??」


「え?!聞いてません?!このゲームをそのまま話に書くって言うの?!」


「……あ、あ~。一応、書いてますが……。」


「ちょっとチェックしたいので、見せてもらえますか?!」


「あの、何でチェックを??」


「え?!本当に聞いてないんですか?!」


「はい……。」


そこで初めて、私がこのおかしな「遺作探し」を元に書いている話が、出版できるレベルなら遺作とともに出版される事になる事を聞かされた。


「言っときますけど?!本当に四十万先生の遺作とともに出版できる程の話じゃなかったらしませんから。」


稲守さんはなんだかずっとちょっと怒っていて、そう言った。

私もそこまで甘い世界ではない事はわかっていたので頷く。

そして帰ったら今、書き終わっている部分を稲守さんに送ると約束し別れた。






なんだか嵐のようだった。

私は少し遅くなった昼食を取りながらため息をつく。


それにしても、本当にそんな事にまでなっているとは思わなかった。

帰ったら今まで書いた部分を詰めて、出せる状態にして稲守さんに送らないと。

勢いの凄い人だったから、今日中に送らないと、明日には電話がかかって来そうだ。


そう思いながら、私は受け取った封筒の中を確認する。

一つはやはりUSBメモリとパスワードの一部。


もう一つはヒントなのだが……。



「……え??」



私はそれを見て、言葉に詰まった。








『ずっと待っていたのに、バカ。』



そう、ヒントのはずの紙には書かれていた。

そして一枚の写真。


それは病院の写真だった。


私はどうしていいのかわからず、その病院を訪ねた。

受付で何を言っていいのかわからず、仕方なく「四十万宇宙を訪ねてきた」と言った。

すると受付の人はクシャッと顔を歪ませた。




小説ではよくある話だ。

白血病の余命僅かな女性の話は……。



「つつじちゃん……あなたから言うと四十万先生ね?頑張ってたの。自分の大賞より、あなたの副賞を凄く喜んでね?「これでやっと会える!」って言ってたんだけど……。」



そう、涙ぐみながら看護師さんは話してくれた。


あの時の授賞式。

四十万宇宙は来なかった。


体調が悪く不参加と言われ、私はムカムカしていたのを覚えている。

あんたにとったら受賞式なんて大したことないんだろうなって悪態をついてしまった。


だってまさか、ほとんどずっと入院しているなんて思わなかった。

よく体調が悪いと言って執筆を休んでいたけれど、天狗になってるのだと思っていた。


まさかそんなに悪いとは思わなかったんだ。


私は両手で顔を覆っていた。

まさかあんなにも必死に追いかけていた「四十万宇宙」が、こんな形で亡くなっているなんて思わなかったんだ。


「つつじちゃん言ってたわ。自分がいなくなっても大丈夫。私より凄い人が凄い勢いで駆け登ってくるから。私がいなくなっても、面白い作品はなくならないって。圷先生がいるから平気だって。」


そう言って渡された、二つの封筒。


一つはUSBメモリとパスワードの一部。

これで全部揃った事になる。


私は今まで集めたそれらを、彼女のご両親に渡しに行き、お焼香をさせてもらった。

あの時の黒服はお兄さんだったようで、服や喋り方まで、何度も彼女に練習させられたらしい。

それを困りながら、泣きながら、話してくれた。


彼女の、「四十万宇宙」の遺作は見なかった。


見てしまったら、私はもう、話を書けなくなってしまう気がした。

出版され本になった時、買って読みますとご家族には伝えた。

後払い分は受け取らなかった。

むしろ前金も全額返そうとしたが断られた。

押し問答の末、前金だけ頂くことになった。

ご家族は後払い分も受け取って欲しいといったが、彼女の賞金から出ているそれを受け取ってしまう事はどうしてもできなかった。




そしてもう一つの封筒は、いつもの事務的な封筒ではなく、女性らしい綺麗な封筒で、香水のしたためられた便箋に手書きの手紙が綴られていた。


『拝啓 圷隆二先生


 今夜は月が綺麗ですね。


 先生はこの月を見られていますでしょうか?もし同じ月を見ていたら、私はとても嬉しいです。

 この手紙を先生が読まれているという事は、私はおそらくもうこの世にいなくて、そして私の最期のゲームに先生が勝ったと言うことだと思います。

 驚きましたか?「四十万宇宙」が男じゃなくて。ネナベだったんです。私。だって、女として書いてたら変な人に絡まれた事があったから、男のフリをしてたんです。

 それに後悔した事はなかったんですけど、でも、圷先生からのファンレターを見た時は、ちょっと後悔しました。

 あんな凄いラブレターもらったの初めてでした。


 遅いんだよ、圷。待ちくたびれた。

 あんな凄いラブレター寄越しておいて、遅いよお前。


 俺は先に月に行く。

 今度は急いで追ってこなくていいよ。

 その代わり、たくさんいい話を書いて、土産に持ってきてくれ。


 以上。


 すみません。圷先生とはやっぱり私としてではなく「四十万宇宙」としてお別れしたかったので。


 これからも体に気をつけて頑張ってください。

 「圷隆二」は「四十万宇宙」がライバルに認めた男です。

 ちんたらしてたら、化けて出ますのでそのおつもりで。


 貴方の一番のファンより 敬具』



私は稲守さんから続きを早く送るよう迫られていた原稿を終え、夜空を見上げた。

その月を見上げる。



「こちらから見える月も綺麗です。四十万先生。月の暮らしはいかがですか?私がそちらに行くまでに、たくさん話を書いて持って行きますから、先生もそちらで書いて待っていて下さい。」



数ヶ月後、書店には「犬猿の仲」の作家二人の共同作が並ぶ事になる。

片方は相手に遺作を探させる計画を練る余命僅かな覆面作家。

片方はそれを探し、作家の正体を知る事になる新人作家。


それはフィクションとして人々を楽しませる事だろう。

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