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心覚の拾集家  作者: しば
プロローグ
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プロローグ

茶褐色に広がる大地にまばらに緑がみられるこの場所も、

かつては都市国家の一部であった。

朽ちた混凝土の建造物の残骸は、もう数十年もすればこの地を覆う砂の一部となることだろう。

木造建築にはびっしりと苔が覆い、折り重なった木材の隙間から窮屈そうに無数の枝葉が顔を出している。

時折遠くのほうで瓦礫の崩れる音がする。


 4つの大陸に5つの民族が共存するこの世界は、かつて一度滅びている。

否、滅びかけている。

高度に発展した文明は人口を爆発的に増大させ、環境を汚染し、

やがて住み処を奪われた者たちと奪われまいとする者たちとの間で、筆舌に尽くしがたいほどの争いを生んだ。


 まずは都市圏が破壊された。

次に田畑が破壊され、森林が破壊され、水源が破壊された。

必ずしも人類によるものだけではない。

深刻な環境汚染と異常気象により失われたものも多くあった。

生物は千年棲めないであろうと言われた土地もある。

そうして人類は間引きされ、最も繁栄していた時期の1割にまで減った。

その結果「国家」という概念がなくなり、人々は放浪者ロマとなり、

やがて放浪者同士で小さなコロニーを形成していった。


争いが終結して、およそ200年が経つ。


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