はじめての出来事。
ショガリ街へとやってきたユークリットは
まずこの世界での目標の為、王様の元へと向かった。
「なぁ...」
ん?
「どうしたの?」
やっと物語が進んだというのにどうしたんだろうか。
「ここって街なんだよな?」
「あぁ、そうだよ。見ての通り」
辺りを見渡すと西洋風の建物がずらりとならんでおり、
色々なお店がみられる。
「街の割には、やけに静かじゃないか?」
・・・
耳を澄ますと、確かに物音ひとつしない静まり返った街
・・・
あぁ、そういう事か。
――――――――
ユークリットが街へ訪れると、
人々の賑わう声が響きかえっていた
元気に走り回る子供の声
世間話を楽しむオーク族
何か、肉のようなものを買うエルフ。
そこは、平和と表すにはぴったりの場所だ。
「うぉっ、びっくりした。急に騒がしくなったな。」
よし。
「まずは、君には王様の所に行ってもらう。そこで何をすべきか。聞いてみるといい。」
「なるほど。。わかった。」
――――――――
中央街を歩いて進むと、ひと際目立った建造物がそこにあった。
そう。
王様のいる城。
大きさは顔を上げても後ろに転げ落ちてしまうほどの高さで、
それでもなお。城のてっぺんは見えなかった。
門の前まで歩くと。
そこには3mは越えているオーク族の兵士が2体が門番をしている。
「な、なぁ。アレに話しかけるんだよな・・?」
「そりゃそうだね。勝手に入るわけにもいかないし」
「でも、俺って急にここに来た奴だよな?簡単に通してもらえるのか?」
「そこは安心してもらって大丈夫。」
ユークリットはズボンのポケットに紙のようなものをある事に気づいた。
「ん?・・・なんだこれ。。手紙?」
「それを兵士さんに渡してみなよ。」
「あっ、あぁ。」
ユークリットはオークの兵士に近づいていく。
「おや、止まれ貴様。ここへは何用だ。」
馬鹿でかい斧でこちらを警戒しているようだ。
だが大丈夫。
ユークリットは、オークの兵士に手紙を渡した。
それを受け取ったオークは中身を確認する。
「おぉー!!あなた様ですか!ようこそ我がクローラース城へ。」
一瞬にして歓迎ムードと変わったオークの表情は、喜んでるとは思うが。やはり少し怖かった。
「さぁ、さあ。案内致しますので。どうぞこちらへ」
「あ、あぁ」
これでなんとか城へは入れたな。
まぁ、入って貰わないと物語が進まないわけだし。
ちなみにさっき渡した手紙には、何も書いてなどいない。
イベントを進めるための単なる道具。
そこまで細かくなくてもいいよね。
―――
王座の間へと案内されたユークリットは
そこで初めて、この街の王と出会う。
容姿は、ザ・王様といった所で。
白髪頭に金の王冠をかぶり、
いかにも高い服を身にまとい。
赤いマントを羽織っていた。
なんとも想像力がないといった感じだ
在り来たりでまんまじゃないか。
「ようこそ、我がクローラース国へ。我はこの国の王。ボス・クローラースだ。」
ん?
なんだこの違和感は・・気のせいだろうか?
確かに僕は、ショガリ街と命名したが。国まではまだつけていない気がする。
それなのになぜ、、、この王様は国名を名乗っているんだ・・?
「あ、あぁ。。えっと・・」
いざ呼ばれたとはいえ
ユークリットはこの王に初めてのあいさつをする。
余程緊張しているらしい。
「どうした?そんなに緊張せんでもいい。我とお主は助け助けられる存在。我に対してもそのようでは、これからお主に頼む依頼も不安になるであろう。」
「あっ、、すみません。」
王の前でおどおどとするユークリットに対し、
言葉を続ける。
「さっそくだが、お主に改めて頼みがある。この国を出て東の方に魔王の城がある。それをぜひ沈めてほしいのだ。」