課題...転生!!
クリスマスに頭狂って思いついったなにか。
「父さんと母さん、いつもより帰り遅いな」
そう呟いた。
「課題でもやっておくか...」
机の上のノートには
【田中 広樹】
と自分の名前が書いてある。
ノートを開き勉強を始めようとしたその瞬間、部屋全体が光を放ち...
「うぉっ目がああああああああああああ」
堪えきれないほどまぶぢい...
30秒ほどその場から動けなかったが再び目を見開くと...なんと机の上のノートが消えていた。
「えっ?俺のノートはどこへ...」
うん。きっと何かの間違いだ。
急に光が...とかきっと疲れてるんだ俺。
布団に入って寝ればどうにかなる。
朝、カーテンを通り抜けてくる暖かい光で目を覚ました。
「やっぱりノートはないのか...」
冬休みはあと3日で終わるが無くなったものは仕方がない。
飯食べて学校行って先生に土下座しよう。
そう考え部屋を出る
「おはよー」
親にあいさつをする
「あれ?父さんたちは...」
まさかまだ帰ってきてないのか?
まあそういうことなのか...な。
冷蔵庫を開けて朝食を作る。
無言で食べ終え制服を着て学校へ行く。
やけに静かだなと思った。
人気を感じない道...冬休みとはいえ部活をする生徒たちが普段はいるはずなのだが。
「まあいいか」
ボーッと歩いてたら学校に着いた。
門には何故か校長が立っていた。
「やあ田中くん、待っていたよ」
「待ってたってどういうことでしょうか」
「詳しい話は校長室でしよう」
校長はうちの父さんと仲が良く家に来て父さんとよくお酒を飲んでたりする。
いつもの校長とは違う雰囲気に少し戸惑ったものの、校長に着いて行った。
「さ、座ってくれ」
「あ、はい」
校長室の高そうなソファーに腰を下ろす。
「今日はここに来ると思っていたよ」
「何故でしょうか」
「君はいま宿題のノートがなくなってしまって謝るために学校に来たんだろう?」
「っ!?そうですがなぜそれを」
「もう1つ質問だ。君の部屋光っただろう」
「校長先生は何が起こったか全部知ってるんですか?」
恐る恐る聞いてみる。
「まあ、私がやった事だからね」
「えっ?それはどういう」
「部屋が光って、ノートが消えて、道に人が居なくて、それらはすべて私がやった」
彼は淡々と言う。
「え?いや冗談ですよね」
「冗談ではない。君のお父さんとの約束を守っただけさ」
彼は懐かしむように微笑む。
「...どうやったかとか本当かどうかとかもういいですけど...何か、要件があるんじゃないですか?」
俺は嘘くさい話にうんざりしてそう言った。
「あ、そうだった。田中君、宿題取りに行かない?」
「場所知ってるんですか!?」
「そりゃあもちろん。私がやったと言ってるだろう」
「...」
「そんな目をしないでおくれよ田中君。あの扉の向こうさ」
そういって校長は部屋の奥の扉を指した。
立ち入り禁止と書かれた紙が貼ってある。
「あの奥ですか?」
「そう。あの奥は異世界、魔物とかいるよ。君には宿題を取りに異世界に行ってもらいたい」
「これって異世界転生ってやつですか?もうこういうの飽きたんですけど」
「本当は田中君、昨日の光で転生させるはずだったんだけどうっかり失敗しちゃってノート転生させちゃいましたてへぺろ」
「先生ってマジで何者なんです?」
「あいつの友人さ」
あいつとは俺の父さんのことだろう。
「別に異世界行くのはいいんですが...なんかこう俺TUEEEEみたいな物持ってけたりしないんですか?」
「しない」
「しないんですか?」
「しない」
「実はあったり」
「しない」
...無理じゃないか?よく異世界で俺TUEEEEみたいなスキルとか武器で無双する小説とかあるけどそういうのなしでなんも知らない土地で生きれるわけないと思う。
「というか君はもう持ってるはずだよ」
校長が言う。
「え?俺なんもないですよ?」
「...さあ異世界へ旅立ちなさい」
「ちょっ今の間はなんですか?やっぱないんですか!?」
校長は俺を引っ張りドアを開け放り込む。
「人を投げんなこのくそジジィぃぃぃぃぃぃいッ」
扉が閉まるのが見えたのと同時に眠気がしt....
「これで良かったんだな...田中。君の息子は俺が救うさ。安心してくれ。」
田中 広樹を扉に放り込んだ校長は、そう呟いた。
続く...かもしれない