第1話
8/28 (月)
まだ夏休みであって欲しい8月28日。
僕は学校へ行くために6時30分に目を覚ました。
いつもは、目覚めた直後に訪れるこの季節特有の暑さによって憂鬱な気分になるのだけど、今日に限ってはすごく幸せな気分だった。
なぜなら、とても悲しいのにとても幸せな夢を見たからだ。
*****
先に起きていたばあちゃんに「おはよう」と言って席に着くと、すでに用意されていた朝ごはんをいただく。
食パンをむさぼりながら、学科クラスの連中は興味のなさそうなチャンネルのニュースを、興味なさそうに見ることが僕の朝の日課だ。
しかし、今朝のニュースはなぜか心に引っかかるものがあった。
家近くの踏切で遺体が見つからない人身事故が起こったらしい。
ん?遺体が出ない?家の近くで起こるのはたまたまかも知れないとしても、遺体が出ないなんて言うことがあるのだろうか。
横から、ばあちゃんが「気味が悪いねぇ」と皿を洗いながら言う。
まさにその通りだ。最近は特に「自殺」が多い気がする。
「自殺...」
つぶやいてみると、改めて本当に嫌な響きだと思う。
二度と起こってほしくないと願うばかりだ。
でも、5年前の今頃の僕はこの気持ちを理解できるだろうか。
...いや多分無理だろう。そんなのは無理に決まってる。
だからこそ、僕は残りの朝食を平らげると、テレビの隣にある父さんの遺影に手を合わせる。
許してくださいと言わんばかりに。
*****
階段を上った先にあるプラットホームには強烈な太陽が照り付けている。直射日光が照り付けていると、僕の頭はスマホがオーバーヒートしたみたいに思考が停止してしまうので、とっとと日陰にあるベンチに逃げ込むのがいつもの癖だ。一息ついた後、時計をに目をやると7時1分を指していた。まだ電車が来るまで15分もあるじゃないか。この時間から気温が急激に高くなるので電車に乗りたいのだけど。
それにしても、今日の夢はいったい何だったのだろうか。とりあえず電車が来るまで暇なので、とりあえず今朝の夢を思い出してみることにしよう。




