封印が解放されました。
『封印が解放されました』
目が覚めた瞬間に聞こえた声にビックリして飛び起きた。
キョロキョロと周囲を見回すが誰もいない。空耳か夢の名残だろうと思い伸びをした瞬間…
ピロン
『一部上限を解放します。』
ピロン
『新スキル“鑑定”を取得しました。』
ピロン
『封印スキル、封印魔力の中に解放条件に至っていないものが有ります。』
…………空耳じゃあ、無かった。これ、何?お告げかなあ....
◆◇◆◇◆◇◆
謎の封印解放というお告げ?があった日から1ヶ月たったある日、ユーリは辺境の街の冒険者ギルドにいた。
「ユーリさん、昇級試験が受けられますよ。」
「あ、じゃあ受けたいです。D級はどんな内容なんですか?」
FからE級への試験は冒険者に必要なマナーや知識の筆記試験と指定された素材の提出だけだった。
「D級では一人で討伐の出来ない様な依頼もありますので、パーティーを組んで森での討伐依頼を受けて貰います。試験官も同伴しますので、大丈夫ですよ。」
受付のお姉さんはニッコリと笑ったが、ユーリはガックリと項垂れた。
「パーティーかぁ...」
ユーリは12才とギルドで登録出来る最年少である。
背は150センチ程度、筋肉がなかなか付かない細い身体、魔力はほぼ無いに等しい程度なので剣と弓を使う。
ここ辺境の街では、こんなヒヨっ子冒険者にしか見えない自分と組んでくれる物好きは居ないんじゃ無いだろうか...。
「ちなみに、今D級試験受けそうでパーティー組んでくれそうな人っていません?」
「そうですねぇ...」
その時、後ろから声を掛けられた
「君、昇級試験うけるの?」
ユーリと同年代くらいの男の子だった。
金髪碧眼で整った顔をしておりちゃんとした格好なら絵本の王子様みたいな見かけなのに、ユーリと同じ様な汚れた初心者装備をしている。
ニコニコと愛想がよくユーリの警戒心も緩んだ。
「お姉さん、俺達もそろそろだったよね?」
「そうですね。今回の依頼を完了して頂いたらお知らせする予定でした。」
「じゃあ、受けれるな!良かったら一緒に受け
「よろしくお願いします!!」る?」
ユーリは喰い気味に返事をした。このチャンスを逃すもんか!
「では、メンバーが揃ってから詳しい説明は致します。受付に声を掛けて下さいね。」
と言って受付のお姉さんはその場を離れた。
メンバーが揃ってから?パーティーって二人じゃダメなの?
と首を傾げて考える。
「俺、相棒がいるからそいつ待ってやってな。
自己紹介まだだったな。俺はギル。魔力は火と風だ。普段は剣がメインの前衛だ。よろしくな。」
「ボクはユーリ。ココに来て1ヶ月くらいなんだ。
魔力はほとんど無いけど、剣と弓の腕は自信あるよ。
ちょっとしたポーションや薬くらいなら調合できるから任せて!」
「この街に新人冒険者って珍しいよな。俺より若いヤツ初めてだったから、思わず声かけちまった。」
「この街は森が近いからね。危険だから新人はもっと王都よりの街を目指すらしいよ。ボクは家から一番近いからココにしたんだけどね。」
「この近くっていったらビエナ村か?」
「いや、そっちじゃなくて…」『ギル!!』
大声がしたその瞬間にギルとボクの間にガッチリした大男が割り込んできた。警戒?威嚇しているのか、メンチをきっていてめちゃくちゃ恐かった。
「お、ロックお帰り~。何そんな怖い顔して。」
「ギル、こいつ誰だよ。」
整った顔を歪めて鋭い眼光で睨み付けてくる大男。よく見るとまだ若いな。ギルよりは年上っぽいけど、まだ16~18才くらいかな?
「そんなに警戒するなよ~。ユーリだよ。さっき俺から声掛けたんだ。D級の昇級試験一緒に受けようって。」
ギルに向ける顔は普通にイケメンなのに、再びボクに向ける視線は鋭い。なんだ?コイツ。焼きもちか?
…もしや!二人は禁断のBでLな関係なのでは?!
ボクは大男…ロックの視線に負けずにそんな事を考えつつ二人を観察する。なんか飼い主を取られない様に頑張るワンコに見えてきた。
大丈夫ですよー。ギルの事取ったりしないよー。怖くないよー。
「ユーリです。よろしく。ボクがいかにも新人だから声掛けてくれたみたいだよ。そんなに威嚇しなくても、ギルの事取らないですよ?」
ニッコリと笑顔を向けるが表情は変わらない。手強いね。
辺境街の門を出て北の森に向かう道すがら、ボクは鼻歌を歌いながら見つけた薬草や素材を採取している。
本日は晴天。お日柄もよく、昇級試験日和ですな。
ボクとギル、ロックに試験官であるギルド職員メルさんの4人で出発した。
試験内容としては、北の森の浅い場所でD級魔獣以上の討伐と野営の実施。これ、ソロでも良くない?ダメなの?
ギル達に初めて会った日から今日まで数回打ち合わせをしたんだけど…ロックの態度は軟化せず…。
非常に居心地が悪いです。
必要な事は喋ってくれるんだけど他はガン無視だし、表情怖いし、ギルと話してたら遠くからでもガン飛ばして監視してくるしで…さすがのボクもあぁ、嫌われてるんだなぁと心が折れそうだよ。
それなら、パーティー組むの拒否されるかと思ってたんだけどギルには逆らえないみたいで渋々組んでるみたい。...惚れた弱みってヤツかな?
今朝も待ち合わせ場所にロックが先に来ていて…ボクの胸ぐら掴んで「お前何を企んでるんだ?」と至近距離で凄まれたんだよー。
恐かったよー。D級になりたいだけなのに!ギル取ったりなんかしないから、もうっ!
「ユーリくんの出身はどの辺りなの?」
試験官のメルさんだ。女性だが元ベテラン冒険者で綺麗なお姉さんだ。
メルさんが居てよかった。本当に!じゃないとボクはボッチか、ギルに暗殺されてるんじゃないだろうか...
「実家は北の森の奥にあるんですよ。父が猟師で、母は薬師をしてるんです。」
「じゃあ、今日行く所ぐらいなら余裕?庭みたいなもんかな?」
「あはは。そんな余裕こいてたら危ないですよ。森では何があるかわからないですからね。」
父の手伝いで猟もしていたボクは余裕をこいて実際に危ない目にあった事が何度かある。
「ギルくんとロックくんは北の森に入った事はある?」
「北の森はないかな~。」
ギル達とメルさんが話してる後ろから歩いていると魔獣の気配を感じた。
多分、こっちに気付いて狙ってるな。
誰も気付いてない...?
あっ!?近づいてくる!
「ちょっと!みんな動かないで!!」
素早く弓を構えると丁度ギルの延長線上のオオカル(狼に似た魔獣)に狙いを定める。
振り向いたロックはいつも以上に怖い顔でこっちに近づいて邪魔をしてきた。
「ちょっ!?まっ..危なっ!
邪魔すんな!」
ロックを避けて助走を付けて、驚いてこっちを振り向いたギルとメルさんを飛び越えた。弓から手を離し腰の短剣に持ちかえると、あと一歩の距離まで近付いていたオオカルに斬りかかった。
咄嗟だったから上手く急所に入らない。オオカルも反射的に牙を向けてきた。...!?ギリギリまでバックステップ。くそっ!かすった。
次は決める!腕を振りかぶって首の急所を切り裂いた。
「ふぅ...。弓は無事か?!」
良かった。傷1つないみたい。
さて、弓の無事も確かめたし
「ちょっとロック!!危ないじゃないか!!」
ロックの説教だ!
「ボクの事嫌いなのは解るけど、パーティー組んでる以上は信用してよね。お互いに足を引っ張ってたら危険だよ?場所を考えて!今だってあと少し遅れてたら、君の大好きなギルが怪我してたかもしれないんだよ?」
「...すまない。」
ロックは項垂れて小さな声で呟いた。…一応反省はしてるみたいだ。
「ごめんな、ユーリ。あと、ありがとう。」
なぜか、ギルに謝られた。
「多分ロックはユーリが俺を傷付けようとしたんじゃないかって、思ったんだと思う。俺はユーリは大丈夫だと感じたし、こんなちっちゃい子がそんな事しないって言ってたんだけど...あんまり伝わってなかったみたいだ。」
「ちっちゃいってなんだ?!」
「本当にすまない。お前がその気なら..あのままオオカルに気付かない振りして、どさくさに紛れて斬りかかってたはずだ。俺の勘違いだったみたいだ。申し訳ない。」
ロックが頭を下げる。ボクの言葉はスルーなのか...
「わかって貰えたならもういいよ。...改めてよろしくね、ロック。」
ロックはボクの腕の傷に回復魔法をかけてくれた。
「ねえ、ギルってそんなにしょっちゅう命を狙われてるの?ロックの警戒の仕方が尋常じゃないよね?」
「「....」」
「...なんか、訳あり?
....まあ、誰でも言いたくない事もあるだろうし、これ以上聞かないよ。」
パチパチと薪が燃える音がする。疲労からかぐっすり寝ていたみたいだ。でも....なにか、嫌な予感がする。
起きなければ...気合いを入れて目を見開いた。
ロックはボクの隣でグッスリ眠っているが、今見張りをしているはずのギルがいない。お目付け役のメルさんの姿もない。
根拠は無いけど、ボクの嫌な予感って昔からよく当たるんだよねぇ。
物陰でメルさんを口説いてるだけならいいんだけど....
「ロック!...ロック!起きて!」
ロックを揺さぶるけど、グッスリだ。
仕方ない、ロックの耳元でささやく
.....
「あぁ!ギルが襲われてる!!」
ガバッ!!!
凄い勢いで飛び起きた。
「……あれ?寝てた?」
「そりゃあ、グッスリと…って、それはいいや。
ギルとメルさんがいないんだ。ギルがメルさんを口説いてるんならほっといてもいいんだけど、なんだか嫌な予感がして...」
「口説いてるって…それは無いな。」
おぉ!即答。俺は信じてるぜってヤツですか。
「ロックは“探索”使えたよね?ギルの居場所探ってくれる?」
「わかった。
.....ヤバイな。ギルが特定出来ない...。
範囲外にいるのか...?」
「それとも、殺された...か?」
ロックの目が険しくなってボクにむけられた。
「だって、しょっちゅう命を狙われてるんだよね?他には?...ギルじゃなくても怪しい気配ないの?」
「...こっちだ...」
顔色の悪いロックについて歩く。一瞬で大分憔悴したな。
「人間にしては大きすぎる魔力を感じる。気を抜くな。」
この辺りに古い山小屋があったはずだ。一度休憩させるべきか...
「ロック一度落ち着こう、君が倒れそうだ。座ってポーションでも飲んで。」
ロックの腕をひいて山小屋にはいると、そこに「ギル!!」…がいました。
小さな山小屋に不自然に置かれた箱。ちょうど人が1人寝転んで入る大きさの箱の中にギルは寝かされていた。
「ギルっ!ギルっ!おい!」
ギルをロックが揺さぶるけど、全然反応がない。
ロックの顔色もどんどん悪くなっている様だ。
「息……してない………嘘だろ!ギル…」
ロックはパニック状態でその場に固まってしまったけど、ギルは死んでるにしては顔色もいいし…どこにも傷もアザも乱れた所もないんだよねぇ。
それに、ギルの入ってる箱と同じのがボクの視界にまだある。もしかしなくても、ボク達を入れる用の箱?ここにいたらヤバくないかな?飛んで火に入るなんとやら...
ここは冷静にっと
「ロック。
落ち着いて聞いて。
ギルは死んでない。仮死状態にされてるみたいだ。」
「本当か?!なぜ分かる?」
ロックの瞳に光が戻った。今にも飛んで来そうなロックを手で制す。
「鑑定させて貰った。ギルは王子様だったんだね。もしかしてロックは護衛だったの?」
「俺の事も、鑑定出来るならわかるだろ。」
「残念ながら、ボクは魔力量が少なすぎて1日に一回鑑定するのが限度なんだよ。だから、滅多に使わない。
そんな事より早くここを離れた方が良さそうだ。ギルを担いで街まで走れそう?」
「大丈夫だ。」
スタミナポーションを鞄から取りだしロックへ渡して、自分でも煽った。
「例の強い魔力はどの辺?」
ロックも一気にポーションを煽ってからギルを荷物の様に担ぐ。
「ここから北西の方向だ…わりと近い。
東よりに移動するか…」
「そうだね。ギルがその状態じゃ戦えるのはボクだけになりそうだし、出来れば夜間の戦闘は避けたいし。…ボクが先導するから最短距離を行こう。」
ロックが頷く。ボク達は夜の闇の中を静かに走りだした。
途中向かって来る魔獣を倒していくが、素材などは回収していない。
ロックが途中で「げ?!グレートブリズリー!Bランク...素材...」とか言ってたのは聞いてないったら聞いてない。
…あぁ、勿体ない。あれ結構美味しいのに。
30分程走ると川沿いに出た。森を抜けるまであと半分ってところかな。
「ロック、休憩する?」
「いや、まだ大丈夫だ。このまま行こう。」
「?!...ちょっと待って、誰か倒れてない?」
なんかこの人見覚えが...って!メルさん!!忘れてた!
「大丈夫ですか?メルさん!?」
息は…ある。見た所大きな傷もない。
じゃあ、なんで倒れてる?
ボクの勘がおかしいと言っている...
「ん...。」
メルさんが瞳をゆっくり開いた瞬間、鳥肌が立ち1歩後ずさった。
「こ…こは…?」
メルさんは頭を上げ起き上がろうとしてふらつく...
ボクが動けずにいると、ギルを担いだままのロックが支えようとして近づいた。
「…ありがと…」
メルさんはロックの手を借りてたちあがる。
...下を向いた顔は口の端がつり上がっていた。
背筋に悪寒が走る
咄嗟にロックの腕を引いて背後に隠す。
クスッ
「勘の鋭い子は嫌いじゃないわ。でも今は私の獲物、返して貰うわ。」
メルさんの身体が変化していき、全くの別人になった…いや、もはや人では無い。
赤い瞳に黒い羽は、魔人の特徴である。目のやり場に困る際どい衣装を着ているので、主に人間の男をターゲットにしている夢魔の類いだろうか。
メルさん(仮)がユーリに斬りかかってくる。剣筋を避けながら短剣で応戦する。
ユーリ達では魔人の討伐レベルには達していない…Aランクのパーティーでの討伐が推奨されているのだ。
ここはやはり逃げなければ。
ロックを見ると驚いて固まっている。
「ロック!ギル連れて逃げて!早く!!」
我に返ったロックが頷いて走ろうとするタイミングで超音波の様な甲高い不快な音が聞こえ、ロックがギルを抱えたまま倒れこんでしまった。
ユーリも膝を付くがすぐに持ち直す。
「今の…何?」
「あなた、何で効いてないのよ?
…まあ、いいわ。力ずくで倒せば。」
メルさん魔人は大剣で下から凪ぎはらった。
ユーリは後ろに飛び、避ける。
間髪入れずに攻撃魔法も飛んでくる。大剣と魔法での攻撃をステップとナイフでギリギリでかわしていく。
...くそっ。強い。かわすので精一杯で全然攻撃出来ないじゃないか。このままじゃ、体力切れでそのうち詰んでしまう。
「なかなかやるわね。でもそろそろ終わりにしないとね。あんまり遅いとあの方に怒られてしまうわ。」
魔人(メルさん?)は戦闘中だとは思えない様な妖艶な顔でニッコリと笑った。
ヤバい。ボクがヤられたらギル達はどうなる?
コイツらの目的はなんだ?
ギルは仮死状態だったし直ぐに殺される事はなさそうだが、ボクは?
「おねーさん、ボク達を…どうする…つもり?…食べるの?」
止まない攻撃の隙に問いかける。これ、あんまり長くは持たない…かも。
「やだっ。そんな野蛮な事しないわよ。
そうねぇ、最後だし教えてあげるわ。」
口から赤い舌が覗きゆっくりと唇を舐めあげる。
「もうすぐ、魔王様が復活なされるのよ。」
「なっ?!」
…んだって!?
前魔王が倒されてからここ数百年、新しい魔王は現れていない。
前魔王時代の惨劇は今でも語り継がれている。
魔人達は個々でも強いが、それゆえに魔王という絶対的な力がなければ統率を図れない。その力が現れたら...。
「だ・か・ら、生け贄に若くて魔力の強い美少年が必要なの」
...美少年はお前の趣味だろ。
「...ん?贄が必要なの?」
「そぉなのよねぇー。封印が解放された気配はあるのに、一向にお姿を顕して下さらないのよねぇ」
頬に手を当てて大きくため息をつく姿は魔人っぽくない。
「必要なのは器か...」
「そういう事。だから、あなたは要らないの。魔力の無い人間なんてね」
そう言うと攻撃が再開された。
...ヤバい。本気で!
避けきれずにかすり傷が増えていく。
このままじゃ、確実に殺られる……
いやだ…
12才になったばっかりなんだ
念願の冒険者になって一か月しか経ってない
育ててくれた人たちにまだ、恩返しも出来てない
なにより、これから沢山楽しい事を嬉しい事を経験するはずなんだ!
ボクはまだ、スタートラインにたったばかりなんだ!
死にたくない…
...こんな、ところで
死んで、た…ま…る…か…!!
そう思った瞬間…からだの中心から何か暖かいものが、ぶわっと全身に拡がった。
ピロン
『...........』
ピロン ピロン ピロン
頭の中で何か声が響いている。
でも、上手く理解出来ない。
傷がみるみる治っていく。この暖かいものは魔力だ。
今までとは比べ物にならない速さで身体が動く。
魔法なんてまともに使えなかったハズなのに、何をどうすれば良いかが解る。目の前の魔人を羽虫を駆除するかの様に倒してしまった。
「あ...こ..な.とこ...に...たん..で..す...か...」
何故か満足そうな表情で魔人は最後を迎えた。合掌。
なんなの…マゾなのか?うわぁ……気持ち悪っ!!
気が付くと朝日が登りはじめていた。
空が暗い青からだんだん明るくグラデーションになっていく。
水の上に絵の具を落として混ぜた様な空。伸びをしてアクビをひとつ
なんだか色々あったなあ。
地面に倒れてるギルとロックに治癒魔法をかける。
暫くしたら目を覚ますだろう。
森を見回すと辺りは酷い事になっていた。木は倒れ地面は抉れ、焼け焦げた跡もある。しまいには魔人が一体死んでいる。
これ...なんて説明したらいいの?
そもそも...試験はどうなるのかなぁ...
はぁ。
そういえば戦闘中にピロン、ピロン鳴って何か言ってたけどなんだったのかなぁ?
魔力量も増えてるし、何故だか扱い方もわかるし??
ユーリは自分を鑑定してみる事にした。
「....ぇえええええーーー!!??」
森全体に響き渡る様なユーリの雄叫びに反応し、ギルとロックは目を覚ました。そこには、酷い有り様な森の中で頭を抱えて「な、なんでぇ?!…うそだろぉ?!」と呻いているユーリがいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ユーリのステータス(封印解放した部分)
魔力 ∞(無限大) 全属性
スキル 魔術の真理・状態異常無効
魔王のたまご