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異世界魔王討伐編やで。

 トラックだぁぁっ!

 私達、デスパの三人が登校中の事だった。前方よりえらいスピードで鉄の塊が迫ってきよった。

 このままじゃ死ぬっ。

 しかし、私達デスパがそう簡単にやられるはずはないっ。


 ひらりん、華麗にそれを避ける私達。


 だが、しかし。


 ロードローラーだぁっ!


 左からも鉄の塊が来てたぁ。

 これは無理だ。死ぬしかないっ。



 気づいたら見知らぬ地でした。


「う、うう。ここは・・・・・・」

「たしか、私達はロードローラーにぺちゃんこに・・・・・・」

「た、多分、ここは、あれだ。異世界的な所だべした」


 いや、待て、決めつけるのは早い。戦国系もありえるのだ。


「あっ、ドラゴンだっ! やっぱり異世界的なとこだった」

「ホントだ、飛んでる。そうなると、中世ヨーロッパ的なとこが濃厚ねっ」


 ここは中世ヨーロッパ的な異世界だと、私達の勘がそう訴える。


「これ、異世界タグつけてもいいんじゃないか?」

「いや、やめましょう。万が一それで来られても怒り狂うだけだわ」

「でも、前世が殺人鬼って設定だけで殺人鬼タグはついてるぞ」

「それは大丈夫、殺人鬼タグで来る人は殺人鬼だけよ」

「なるほど、じゃあこのままでいいか」


 さて、ほんならどないしましょ。


「うふふ、お困りのようねっ!」


「ん、なんや、誰もいないのに声がっ、声が聞こえるでっ!?」


「うふふ、こっちよっ!」


 目をこらすと、私の近くに小さい虫みたいなのがいた。


「なんや、この虫は」

「虫じゃないわっ! 妖精よっ!」


 言われて見れば、人型だ。


「私は、ピラリン。この世界の案内人よっ!」


「ほう、ナビみたいなもんか。いきなり都合いいのでてきたで」


 羽が四つのレオタードみたいなの着てるいわゆる妖精ってやつ。


「お~い、誰か綿棒持ってない? こいつで試すわ」


「ちょっとっ! 綿棒で私になにをする気っ!?」


 そりゃ、あれじゃないの。

 まぁ、誰も持ってなかったのでなんもできませんでしたけど。


「とりあえず、私の話を聞きなさい。今、この世界は魔王軍により色々やばいことになってるのっ! 助けて頂戴っ!」


 お、すごい早い展開。


「なるほど、やはりそうなるかい。てことはだ、なんかあるんやろ? すっごいやつ。早く寄こせや」


「勿論あります。伝説の宝具の数々がっ!」


 妖精さんは、ふんっと言うとどっからか色々出てきた。


「まずは、これ。ムーンスレイヤー。月をも切り裂きます。満月を見ると超絶パワーアップする魔族がいたら使いなさい」


「ほう、でも、大丈夫か? 月を壊したらあれやで。満ち引きとかなくなったり気象に影響でるで? 破片が降り注いだりもするかもやで」


「そこらへんは大丈夫です。精霊王がなんとかします」


 やるな、精霊王。


「次に、普通の木刀です。いざとなったら使いなさい。特に特殊な力はありません」


「じゃあ、いらんな」


「最後に、パーフェクトソードです。これを翳せばどんな魔物や魔獣、はたや人間や妖精とかの全種族を催眠的なやつで強制的に言う事聞かせる事ができます。そう、魔王でさえも」


「じゃあ、それ使えやっ! なんで今までしまってたんやっ!」


 私が憤ると、隣のチカチーが割り込んだ。


「まぁまぁ、あれよ、召還された人間じゃないと使いこなせないとかいうルールなのよ。多分」


 あ、な~る。そんならわかるわ。


「いえ、村長の息子のフトシでも使えます」


「ほんなら、フトシ君にやらせろ」


 この妖精、握り潰そうかのぉ。


「しかしだべ、魔王を倒したらあれなんじゃね~が。武器屋とか防具屋とか、ギルドとかそういうのが職失ってやばいんでねが? あど、戦闘で町が破壊されたりして難民がでるべ、そいういう問題はどうすんだ?」


 眼鏡のアイリがそう質問した。たしかに、由々しき問題だ。


「そこらへんは大丈夫です。精霊王がなんとかします」


 凄いぞ、精霊王。


「もう精霊王が魔王倒せよ」


「いや、それは駄目です。あの二人は昔ながらの幼なじみで」


 はい、やめやめ。


「よ~し、チカチー、アイリ、行こうぜぇ~。折角来たんだし、女エルフの2、3人捕まえて元の世界に連れてこう、絶対金になる」


「あ、待ちなさいっ! せめて伝説の宝具は置いてきなさいっ!」


「黙れっ、これでも食らえっ、パーフェクトソードっ! 馬鹿になれっ!」


 杖とかの方がしっくりくるだろうとも思った私だったがその剣を翳した。

 光が放たれる。

 そして、妖精は馬鹿になった。


「アジャラカモクレンっ! オッペケペッポーっ!」


 よし、酔っ払ったのび太のママみたいになったぞっ。


「もうあれだ、帰るのもやめだ。これ使ってこの世界を蹂躙しよう」

「そうね」

「それがいいべ」


 こうして、異世界に来た私達の目標が定まった。


 

 とりあえず、近くの町に来てみた。

 予想通り、中世ヨーロッパみたいな町並みだ。


「まずは、この町の住人を私達の犬にしよう」


 いいね、寝てるだけでいいわ。

 ここで食っちゃ寝して暮らそう。


「あっ、なんだっ」


 キョロキョロしてたら、驚くべき人物に出会う。


「あの女、チカチーにそっくりだ」


 世界には三人似たヤツがいるっていうが、異世界にもいるんだなぁ。


「あ、本当っ! まるで生き写しよっ! パラレル的な私かもしれないわ」


 チカチーは、自分とくりそつのその女の元へ走った。


「あっ!」

 

 途中でチカチーが転んだぁ。

 そのまま、そっくりさんとぶつかる。


 その瞬間、世界は消滅した。


 そうか、あれはチカチーの反物質だったんだ。

 それで対消滅が起こったんやな。

 詳しい事はネットで調べてみよう。


「うぅ、ここは?」

「病院よ。私達はロードローラーにぺちゃんこにされたけど一命を取り留めたのよ」


 なんだと、じゃあ、あれは全部夢だったのか。


「いや、これを見るべっ。私、起きたらこれを握ってたべ」


「あ、それはあのなんの特殊な力もない木刀やないけっ!」


 てことはだよ!

もしかすると~。


「残念、パーフェクトソードは無かったぁ」 

 

 あれさえあれば、この世界をををを~。

 なにはともあれ体中ボロボロ。


「とほほ、もう異世界はこりごりっ」


 ここで、言おう言おうと思ってた事を言おう。

 私ことクジラちゃんは特殊能力がある。

 なんと未来予知だ。一話目に滅多刺しにしたリーマン、実はあの後、本当なら駅に行き30人位を次々に惨殺するはずだったのだ。私は事前にそれを見て、滅多刺しにしたって訳よ。

 チカチーも能力者だ。透視とかできる。一話で自害したファン、あいつは体中に爆弾を巻き付けていやがった。透視でそれを知ったチカチーは私にアイコンタクトを送ったのだ。

 アイリの眼鏡は相手の戦闘力的なものが分かる。アイリじゃなくて眼鏡の機能だ。

 二話の教室で切りつけたやつは、あれだ、 それはよく覚えてない。


斉藤さんはマネージャ兼そういう特殊な機関のエージェントなのだ。

 だから、私達は案外まともなのだ。 

 これは日頃のストレスが具現化したものです。次回、沢山の愛人形達が洋館に閉じ込められた。犯人の目的は? 果たしてデスパは無事脱出できるのか! 暗黒洋館のデスゲーム編。

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