学園制圧編みたい。
前回までのあらすじ。
今まで別々の学校に通ってたデスパの三人。
でもジャーマネがそれじゃ色々面倒いからって無理矢理転校させられちゃった。
てわけで、今日が三人の転校初日です。
※・・・・・・前回そういうくだりがあったと思ってたのは、全部作者の妄想でした。
黒板の前に立たせられる私達。
自己紹介ってやつよね。これ肝心ですね。
「はいはい、皆さん、デスパの三人が今日からこのクラスに転校してきました。仲良くしてくださいね~」
なんか、こう三角定規みたいな眼鏡をしてる先生がそう言いました。
「はい、じゃあ、三人は開いてる席に適当に座ってください」
私らの紹介はないんかい。
「まぁ、はい。了解っす」
いいよいいよ、どうせ紹介するまでもなくあたいらは有名人やで。
態々言うまでもないってことっすよね、せんせー。
空いてる席に座る。今まで三個も空いてたんかよっと。
私が窓際の隅、アイリは眼鏡だから真ん中の一番前、チカが廊下側の隅。これでトライアングルの完成だっ。
そんで最初の休み時間。
「きゃー、クジラちゃん、すごーい、髪が赤くて、血が流れ出してるみたーいっ!」
「チカちゃんもやばーい、髪が青すぎて食べたら毒りそーっ!」
「アイリちゃんの眼鏡ぱなーい、すごく見えそうー」
まぁ、集まってきますわな。そりゃそうっすよね。ここで来ないってのはないっすよ。ありえないっすわ。
「あ、そうだ。クジラちゃん、なにか飲む?」
「ん~、せやな、ほな、貰おかの~」
ほう、気が利くやないけ、勿論、お代はそっち持ちなんやろうな。
「ほら、クズミっ! あんた、さっさと買ってきなさいよっ!」
提案した女子が、席で本を読んでいた暗黒騎士のように暗い女子にそう声をかけた。
「あ、は、はい。あ、でも、か、買いに行くのはいいんです、けど、その、お、お金が・・・・・・」
「はぁ? そんなの知らないわよっ! ぱくってでもジュース持って来いよっ! あ、私らの分もな」
なんや、ぱしりにさせとんのかいな。
まぁ、嫌なら断ればいいだけの話やで。
「でも、あれやで。なんかイライラするの~」
この暗黒騎士もだけど、この偉そうな女も、クスクス周りで笑ってる連中もなんか気にくわんわ。
「ほれ、金ないんだろ、これで買ってこい。つりはやるわ」
そういい、私は、暗黒騎士の机に、札束を投げた。
「え、え、え?」
「わしらには、はした金じゃ。われの家、貧乏なんか?」
「あ、はい、父親は異世界にいったきり帰ってこなくて。母親は去年、プロ雀士になるとか言い出して朝から晩まで麻雀しかしてません。稼ぎは私のトレジャーハント位で・・・・・・」
「ほう、泣かせるやないか。ほな、おどれ、わしらの鞄持ちでもせーや。日当300万でどうだ」
「ま、まじっすか。やりますっ。やった、これで洞窟とか海底とか行かなくていいんだ、私」
よし、これで一件落着ですね。
「ちょっと、待ってぇっ! それ私がやるわぁっ! いや、やらせてくださいっ!」
「いや、私がっ!」
「いやいやいや、俺だっ! 鞄持ち2級の俺がやるっ!」
「いやっ、俺は一級だっ!」
なんや、なんや、喧嘩しはじめよった。
あ、殴り合いに発展だっ!
これは、あかんやつやっ!
「こらぁぁぁぁ、貴様ら、ごたごた五月蝿いんじゃいっ!」
私は、一番近くにいた女子を包丁で切りつけた。
「ぎゃあかぁあああ」
断末魔を上げながら、倒れた。
一瞬で教室に静寂が訪れる。
「今日から、このクラスはわたしらデスパが仕切る。文句あるやつは、ジュドンじゃ」
机の上に登って、私はそう宣言する。
「そ、そんなの認められないわぁっ!」
「そうよ、そうよっ! そんな横暴、私が認めても生徒会が見逃さないわよっ!」
お前は認めるんかい。
しかし、ほう、生徒会か。あの、どの学校でもとんでもない権力を持ってるといわれる生徒会かい。
「おぉ、上等じゃっ! そいつらここに連れてこいやぁ」
私がそう啖呵を切ると、廊下から声が上がる。
「オホホホ、お呼びかしらっ!」
声と共に現れたのは、変な扇子と金髪縦ロール。そして、なんか2メートルくらいある大男、後は前髪で顔を隠した小さい男子。
「せ、生徒会長のドレイン麗子様よっ! 後は、副会長の怪力猪俣さん、書記のグレンランドレー睦月くんっ!」
ほう、私の体が震えとる。
なんだか、かなりやりそうや。
これは、最初から出し惜しみなんてしてたら一瞬でやられる・・・・・・。
「ふぎゃあぁぁ」
「どぎゃあぁあ」
「あいやぁぁぁ」
と思ったら、背中に回り込んでいたチカとアイリがいつの間にかどぎついの一発食らわせてたわ。
「わ、私達の負けよ。次の生徒会は・・・・・・貴方たちよ」
よし、そういうシステムかっ。
これで、この学校は制圧したも同然。
「で、でも気をつけなさい、風紀委員が、あの、トランプのカードを投げてなんでも切り裂く風紀委員長の楠くんがいる。しかもトランプのカードを投げてなんでも切り裂くのは風紀委員全員ができる」
まじか。それは厄介だ。
風系の魔法と、どっちがやばいのか。
「よっしゃ、ほな、殴り込みや。チカ、アイリ、行くで」
こうして、私達デスパは風紀委員室へ。
場所はよくわからなかったから、途中にいた先生に聞いたよっ。
「おらぁ、デスパやっ! お前ら死にさらせやぁぁっ!」
「な、なんだ、貴様らっ! おい、みんな、トランプを構えろっ!」
これは、激戦になる。あたいの勘がそう囁く。
「ふぎゃあぁぁ」
「どぎゃあぁあ」
「あいやぁぁぁ」
いや、勘は外れた。
いつの間にかに、後ろに回り込んでいたチカとアイリが、脳天直撃の一発を見舞っていた。
「く、お、俺達の負けだ。次の風紀委員は・・・・・・お前らだ」
なんやねんっ、そんなシステムいらんわ。兼任しろってかっ。
「だ、だが、気をつけろ、運動部の、エース級が集まった・・・・・・」
「いや、もういいよ。ここで制圧した事にしてよ」
なんやかんやで私達デスパがこの学園を制圧したのであった。
この学校の生徒数は、1000人ほど。
反乱分子がいるとはいえ、これで大きく勢力を拡大した。
とっくに授業は始まってるけど、それはこのさい置いておこう。
ちなみに私は精神状態によって、敬語になったり、方言が色々混ざるイロイロマジール症候群なのだ。
春のせい。次回、異世界魔王討伐編!