第8話 打ち上げ 〈まっさー〉
文化祭のシンデレラの劇は、鳥羽くんが助けてくれたお陰で、上手く行きこれからみんなで文化祭の打ち上げに行くことになった。
鳥羽くんは、シンデレラの劇が終わってから私に心が揺れていたらしい!
「確かに僕は、舞桜の事も好きという気持ちはあるけど、このシンデレラの劇が終わってから望月さんの事がすごく気になるようになって来てる自分がいる。何故だろう? もしかして、望月さんの事、好きになっちゃったのかな?」
すると篠山さんが鳥羽くんに質問をしてきた。
「そう言えば打ち上げの場所なんだけど、何処が良いのか分からないのだけど良かったら決めてくれないかな? 私たち人数そこそこ多いから席がバラバラになるなって考えると分からなくなってきちゃって」
「確かに打ち上げって言うと基本的に予め予約していくものだからね。この辺で大人数で入れるお店なんてなかなかないから見つかるまで時間がかかるかも」
鳥羽くんは、何故かいきなり私に聞いてきた。
「望月さんは、文化祭の打ち上げ場所で大人数で行ける場所って知ってたりする?」
いきなり聞かれて困ったけど私は、一つだけ思い付いてる場所があったので答える。
「それならカラオケがここから大体徒歩5分くらいのところにあるからそこはどうかな? 場所も大きいから多分入れると思うよ」
「それがいいね! カラオケって思い付きそうでなかなか思い付かないよね。ありがとう! 篠山さんカラオケでどうかな?」
篠山さんは、ピースしながら賛成してくれた。
「カラオケ良いね! それじゃ他に意見が無ければ決まり~」
打ち上げ場所は、他に意見が上がらなかったためカラオケに決まり早速みんなで行くとたくさんのお客さんが来ている人気カラオケ店であった。
パーティールームは1室だけ開いているが私たちは全員で12人に対してペースが一部屋10人までらしいので、どうしたら良いのか分からない状態だった。
すると鳥羽くんがみんなに提案をする。
「僕は、別部屋で構いながら残りの11人でじゃんけんをして最後まで勝ち残った人がパーティールームにはいけなくなるけど、その分部屋が別になるため不公平になるからその人の分は、パーティールームに参加できた人たちがみんなで分担してその分も出してあげるって言うので、どうかな? そしたらパーティールームで楽しく打ち上げに参加できた人は、お金は分担に出さないといけないけど、楽しめるのだから良いと思うし、パーティールームに一緒に打ち上げに参加出来なかった人は、みんなとは別で寂しい思いはすると思うけど、お金はださなくていいから平等になると思うけど」
それについて私を含めみんな頷きながら賛成した。
「うんうん、それなら私も賛成だね。そうするしかないもんね。こう言う場合って」
それから少し変わったじゃんけんをした結果、私が最後まで勝ち残ったため他の人たちは楽しくパーティールームで打ち上げを行うことが決まり早速部屋に入っていき私はこう思っていた。
「一瞬私は、みんなと打ち上げが出来ないんだって思ったけど、鳥羽くんは最初から別部屋で構わないって言ってたからこれってもしかして鳥羽くんと二人きりでカラオケの個室に行くことになるの?」
私は、そう思った途端すごく緊張感が増してきた。
「僕が変な提案したからごめんね」
「いえ、鳥羽くんはぜんぜん悪くないよ! だって12人いてパーティールームは1室しか空いてなくて10人しか空いていなかったんだからこうするしかなかったと思うし私は、ぜんぜん残念に思ってないから」
「望月さんは、本当に優しいね」
「そんなことないよ。でも何故鳥羽くんは、自ら自分は別部屋で構わないって言ったの?」
「それは、自分が生徒会長でもあるからと言うことと僕は、他の人とカラオケに来たことがあまり無いから他の人には知られていないことなんだけど、僕は、歌が上手くなくて歌うのがあまり好きじゃないんだ。ただ観てるだけならカラオケは好きなんだけどって言ってることがおかしいよね」