第1話 片想い 〈まっさー〉
季節は、秋になり涼しい環境になって文化祭に向けて準備を私たちは、していた。
しかし私は、高校進学に向けて受験勉強を中心にしているため文化祭の準備の時には疲れが出てしまい物を落としてしまうこともあったりする。
ちなみにこの辺りの高校で受験レベルが高くない学校があるので、そこに進学を希望する生徒が多いらしいのだが私は、難しい高校に行くことを決めていたのだ。
それを心に決めたのは今から約2年前の冬の事になる。
ー2年前の冬(私が1年の時)の2月14日ー
周りはバレンタインデーの話ばかりだが、私には彼氏やボーイフレンドすらいないため落ち込みながら学校の階段を降りていこうとしていた。その時に私は、足を滑らせてしまい大ケガをしたかと思った。すると一人の男の子が私が落ちないように支えてくれていた。
「怪我はありませんでしたか? 」
私は、この時すごく胸がときめき顔が真っ赤になってしまいながら何とか返事をする。
「はい、大丈夫です。助けてくださってありがとうございます」
「いえいえ! この学校の階段は、少し滑りやすいみたいですから大ケガになっていたらどうしようと思ってました」
「心配までしてくださってすごく嬉しいです。あの、お名前の方を宜しければ教えて頂けませんか?」
するとカッコよくその男の子は、答えた。
「僕は1年5組の鳥羽遥樹と言います。宜しく」
「私は、1年4組の望月麻友です。宜しくお願いします。鳥羽くんの方こそ、怪我はありませんでしたか?」
「僕なら平気だよ。そろそろまだ後3分もあるけど授業が始まる時間だから早めに教室に戻っておくね」
「分かりました! 本当に助けてくださってありがとうございました」
私は、この時今日がバレンタインデーの日だと言うことを思いだし奇跡的な出逢いだったと感じながら教室にゆっくりと戻っていきながらこう思っていた。
「だけど本当にカッコよかったな! 優しくてすごくイケメンで体型もすごく良いし完璧タイプだよね。 いつか鳥羽くんとの距離が縮まる日が来ると良いなぁ」
それから同じクラスの人が鳥羽くんについて楽しく話している話を聞いていると、彼は早くも高校の進学を決めていて、国際聖栄高校と言うところに行くらしかった。ネットでその高校について調べてみると、かなり難しい高校らしく受験テストで平均80点は獲得しないといけないなど条件も厳しいらしい。
「こんなに難しい高校に進学を考えているってやっぱりカッコいい人は、進学するところも凄いなぁ。でも受かるか分からないけど悔いのないように頑張ってみよう」
そう私は、決心してから毎日難しい勉強も頑張り今、現在に至ってる。2年の時は1年の時同様でクラスが違ったため大きな進展は無かったが今年は、運がついているのか同じクラスで席も隣と言う素敵なセッティング環境に包まれているのだ。
しかし私は、ある出来事を目にしてしまう。
それぞれ学年とクラスが違うため文化祭の準備の内容は異なるが、文化祭について鳥羽くんと自分より年下の小山 舞桜さんが仲良く話しあっているところを見てしまい私は、こう思った。
「すごく仲が良いなぁ。もしかして鳥羽くんって舞桜さんと付き合ってたりするのかな? でもそうと決まったわけではないと思うし。でもやっぱり付き合ってたりするかもしれないなぁ。だって鳥羽くんはすごく女子からモテるからね」
そして鳥羽くんと舞桜さんは舞桜さんのクラスの教室前で仲良く話している。
「文化祭は、もうすぐだけど舞桜さんのところは順調に進んでる?」
「私のところは、なかなか準備が進んでいない感じかなあ」
「そうなんだ。僕のところは、まだ1週間も先なのにもうすぐで準備完了って感じだね」
「早いなー! どれだけ遥樹くんのところって手先とかが器用な人たちが多いんだよ! って思っちゃうよ。いいな~」
この話をこっそりと聞いていたら私は、落ち込みながらこう思った。
「二人とも既に名前で呼びあってて敬語でもないってやっぱり付き合ってたりするかも知れない可能性は高いな」
と。