第10話 進展 〈まっさー〉
一方その頃、他の10人たちのうち9人は、ジュースを飲んだりしながらアニメソングやラブソングやアイドルソングなどで、楽しく盛り上がっていた。
しかし舞桜ちゃん一人だけ他の人みたいに楽しめていなかった。一応順番が回ってきたらラブソングや流行りのアイドルソングなどを歌ったりは、するがそれ以外はソファに座りながらこんなことを思っていた。
「なんで望月さんが鳥羽先輩と二人きりになれてるんだよ。私は、こうい「うときの運ってついていないのかな? まだ告白は、恥ずかしくて出来ていないんだけど私の方が鳥羽先輩と話している時間とか圧倒的に長いはずなのに! 次こそは鳥羽先輩と二人になれる機会があったときは全力で気持ちをアピールしてやるっ!」
それから30分が経過して私と鳥羽くんは、交互に歌い続け少し休憩していると鳥羽くんは、何故か恥ずかしそうにしながら私に言ってきた。
「望月さん、あのもし良かったらなんだけど僕と連絡先の交換しませんか? 別に変な意味合いとかじゃないよ! ただ望月さんと一緒にいるとすごく楽しいって思えたり疲れることとかがあっても一緒にいると疲れが吹き飛んだりするから… 上手くは言えないけど差し支えがなければですが、良かったらどうですか? 」
私は、いきなり言われたためすごくドキッとしたが、嬉しかったのでこう答えた。
「私で良かったらもちろん良いよ! でも差し支えがなければとか敬語が混じったりして少し堅苦しくなりすぎだと思うよ」
「確かにそうだね! 普通に連絡先の交換をしたくて言ったんだけど、ほらお互い異性だから、変な意味に勘違いされてキツく断られたりしたらどうしようって思ってしまったりしたから」
「そうだったんだ。それじゃ電話番号とメールアドレスで良いのかな? 」
「もちろん良いよ! ありがとう」
私たちは、それからお互い携帯を用意して電話番号とメールアドレスの交換を行った。
「そう言えば、望月さんは、さっきから同じような曲を歌ってる気がするんだけど、僕の気のせいかな? 」
「気のせいじゃないよ! 私もなんで似たような曲ばかりを歌ってるのかは、分からないんだけど」
すると鳥羽くんが、時間を見て私に聞いてきた。
「そろそろ時間的に最後の曲になりそうだけど、望月さん歌う?」
「私は、たくさん歌って少し疲れたから鳥羽くんが最後は歌ってほしいな」
「分かった! それじゃ応援ソング的なものを歌おうかな?」
いきなり曲の設定をはじめながら笑いながら言った。
「ここのカラオケ店って今気づいたんだけど、一昔前の感じだね! だって10桁くらいの番号を専用の選曲本から入力して選曲するシステムだからね。でも今って結構タブレット端末みたいなもので、簡単にタッチパネルで選曲とか出来るようになってるところが、多くない? 」
「そうだね! 私は、タブレットタイプしか知らなかったから今日は選曲するときにどうしたら良いのか分からなかったけど、テーブルに操作方法について分かりやすく書かれてあったから助かったよ」
「僕は、このタイプは、何回か使ったことがあるけど番号の押し間違えとかあったりしたからね。よし! 選曲出来た」
すると何故かいきなり思いっきりラブソングと言う曲が流れ始めようとしていて私がドキッとすると鳥羽くんもそれを見て慌てて本で番号を確認した。
「最後の2桁が77だったんだ! 67だと思ってた! 番号の押し間違えだー! 早く止めないと」
しかし曲は、最初の20秒くらいの前奏が終わって曲が始まってしまい鳥羽くんは、途中で止めるのもちょっとと思ったためかなり恥ずかしそうにしながら歌い始めた。




