妖犬と主様
少し無理やり表現ありますが・・・・・セーフですよね?
身体がだるい
きっと熱も少しある
妖犬は重たい身体を動かし寝返りをすると大きな妖狼の胸にぶつかる
お互い裸で大きな寝床で眠っていた事を思い出した
ああ、だるい…
上半身を起こし起き上がろうとする妖犬の腰に太く逞しい腕が絡みつき妨害される
「んだよ…どこに行く?」
寝ぼけうっすらと瞼を空ける妖狼
妖犬は何も言わなかった
もう、喉が乾き声も出したくない…
「…誰に忠義を誓っているんだ?犬」
誰に?俺は妖狐の為にここに来たんだ…主様が無事な事だけでも伝えれば、少しは元気になるかも知れない
妖犬は小さく微笑んだ
その少しの変化を妖狼は見逃さなかった
不愉快になり再び妖犬を布団に押し付ける
妖犬は顔を険しくさせた
「人間か?」
「え?なんでここで人間が出てくるのです?」
妖狼はしまった!という顔をして視線を逸らす
「妖狼さま…」
妖犬は鋭く妖狼を睨む
妖狼ははぁーと、ため息をついて妖犬から降りて隣に腰をかけた
「もういいだろう。約束は今日までだったし。妖蛇に頼まれたんだよ、連れ去られた事にしてくれって」
妖犬は耳を疑った
なんだって?
「あいつの伴侶が人間に現を抜かしているらしいじゃないか?聞けばお前も…少しお仕置きをしたくなってねー」
妖狼は妖犬の耳を甘く咥える
妖犬はブルっと身震いさせた
「もう、これに懲りただろう?あの狐も」
妖犬は勢い良く布団から立ち上がり妖狼の屋敷を駆け出した
妖狐は主様の屋敷を目指していた途中、妖犬と出くわした
妖犬は息をきらし、妖狐を見つけるとヨタヨタと歩み寄り肩に手を掛けるもたれ掛かる
「あー疲れた…もぅ、カラダだるいし、最悪だよ」
妖狐は先を急ぎたかったが、妖犬が引き止める
「ワンコ、俺は急いでいるんだ!」
「あ?ココ、主様なら心配ない。っていうか、心配する事なんてない…」
妖犬はため息をついた
よく見ると妖犬の体の至る所に赤い痣が見える
「主様は連れ去られていない。プチ家出だ」
妖狐は驚いた顔で妖犬を見た
妖犬はもう疲れたと目を閉じ妖狐に身を任せる
ふたりはしとしとと雨にうたれていた
「主様も随分とお前にご乱心だなー」
「ワンコ…」
その日、主様がフラリと帰ってきた
皆に心配を掛けたといい、詫びを言う
その後、主様の寝室に妖狐が呼び出された
いつもの優しく紅い瞳
「わたしが居なくて寂しくなかったですか?」
いつもの様に優しく頭を撫でる
妖狐は俯き返事をしない
そんな妖狐を見て主様は妖狐の首筋に顔を寄せキツく唇で吸い上げる
「っ…」
「返事をしない悪い子にお仕置きですよ?」
ニコリと微笑む主様を妖狐は睨んた
「さあ、妖狐。聞かせて下さい。わたしの伴侶になってくれますね?」
「俺は…」
妖狐は目をそむける
主様の瞳から笑顔が消えて、妖狐を無理やり押し倒す
妖狐は驚き抵抗しようとすると、両手首を掴まれ頭の上に押さえつけられた
主様は片手で妖狐の両手首を押さえ、反対の手で少し乱暴に妖狐の衣を脱がし、その身体に何度も啄む様に口づける
「ぬ、主様ー…」
いつもの優しい主様は何処にもいなかった
顔を上気させ瞳は妖艶に揺らぐ、白い肌が仄かに赤くなり唇は濡れている
「妖狐…わたしの伴侶になりなさい…人間なんて忘れなさい」
「ぃ…嫌だ…」
妖狐は顔を赤くし涙目で睨み抵抗した
主様はそんな妖狐を無視して行為を続ける
「やっ…やめて下さい…お願いします」
力では到底適わなかった
頭の中に風花の笑顔が浮かぶ
妖狐は涙を流し、ただお願いをするしかなかったのだ
バン!
寝室の扉襖が勢い良く開く
「主様、お辞め下さい」
現れたのは妖狸だった
妖狸は顔を曇らせ主様を睨んだ
「妖狐は嫌がっています。これ以上、傷つけてどうするおつもりですか?」
妖狸の言葉に動きが止まる
主様は顔を歪め悲しい瞳をして妖狐からゆっくり離れた
妖狐は抵抗していた為、呼吸が荒くなっていた
主様は黙って寝室を出ていく
その後を静かに妖狸が追った
妖狐はひとり起き上がり涙をぬぐい衣を整え祠に帰った
妖狼×妖犬と妖狐×妖犬・・・・・そう!私は犬推しです!
でも、猫派です!(どうでもいいか・・・・・)