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1話 転校生

        

「ねえ、聞いた?」

「何が?」

「転校生が今日うちのクラスに来るらしいのよ」

「え、マジ?女の子?女子?フィーメイル?」

「あんたには男っていう選択肢はないの?」

「無いね!男子とか誰得だよ」

「はぁー、まったく相変わらずね。残念ながら男子よ」

「くそー、俺のロリっ子ツインテールがー!」

「なんでロリっ子ツインテールで限定してるのよ」

 

キーンコーンカーンコーン~


「お前ら席に着け!」

「相変わらずあのひげマッチョはベルと一緒に来るな、もうちょっとゆっくりさせろよな」

「ん?何だ斎藤?」

「いえーなんでもありませんよ、嫌だなー」

「そうか。みんなよく聞け!今日はなんと転校生がうちのクラスの仲間入りすることになった」

ざわざわざわ

「桜井入ってこい」

「はい」

「今日から皆さんと一緒に勉強させてもらうことになった桜井和樹<さくらいかずき>です。宜しくお願いします」

「ねえねえ真由美?彼ちょっとイケメンじゃない」

「80点…いや75点ってところね」

俺は早くもクラスの連中から品定めをされている様だ…

「ほかに言いたい事は無いのか?桜井」

「あ、そうですね…趣味は筋トレと漫画の収集です。ちなみに、漫画ではナ〇トが好きです。曲とかも作っているんで結構多趣味だと思っています。この町のこととかみんなのこととかまだ分からないので、声を掛けて貰えるとうれしいです。」

「よし、それじゃあ桜井の席は姫路の隣だな。端っこだから黒板見えなかったら言ってくれ」



和樹が転校してきたのは隣町の高校だ。今住んでる夜鳴町〈よなきまち〉には小学校しかないので自然とそうなった。この高校は一学年三クラスあり毎年クラス替えがあるそうだが、それはどうでもいいことだな…

さて、和樹は2年1組に入ることになったのだが…パッと見、クラスのみんなは誰もがキャラが濃く、一癖二癖あるやつばかりな様だ。例えば和樹の隣に座っている姫路とか言う女は…

「拙者は姫路明<ひめじあきら>と申す。以後お見知り置きを」

こんな感じだ。(どこの武人だよ!しかも学校に刀っぽいやつ持ってきてるし、怖いよー)

「は、はぁ~、宜しく。ちなみにそれ本物?」

「ん?これのことで申すか?もちろん真剣で御座る。これは拙者の家に代々伝わる秘伝の刀…」

「もういいから、分かった分かった。つまり君は重度の中二病患者なんだな?俺も男だしそうゆうの経験したけど、治すには本人の強い意志が大切だと思うんだ。だから…その…頑張れ!」

姫路は「何言ってんだこいつ?」みたいな顔で終始俺の話を聞いていた。




その後授業を三つ受けて昼休みになった…

当然のごとく俺の机の周りにはクラスメイトがたかってきた。

「ねえねえ、和樹君ってどこから来たの?」

「彼女とかっているのかな?」

「お前野球に興味ないか?」

「ディフフ、桜井氏からは我々と同じ匂いがしますぞ。ぜひ、アニ研に入部して貰いたい!」

 ・

 ・

 ・

「はー疲れたー」

和樹の昼休みはクラスメイトからの質問攻めで見事に潰れてしまった分けだ。しかし、質問に丁寧に答えてあげることは、今後の学校生活を円滑に過ごしていくために必要なことだったりする。

ちなみに和樹には彼女はいない…



あれから授業中も色々あったりと、とにかく和樹にとってかなりハードな一日となった。

和樹は帰りの支度をしているとあるクラスメイトが話しかけてきた。

「桜井和樹君だよね?こんにちわ僕は池島勇人<いけじまゆうと>と言います。一応この学校の生徒会長をしています。」

池島なる人物はチョイイケメンの和樹すら嫉妬してしまう位のイケメンだった。

(うわー、生徒会長かよ!別に転校生ごときに挨拶なんてしにこなくていいのに…)

「あ、ああ、どうも…」

和樹は挨拶を返えしたのだが池島はなぜかニコニコとこちらを見ていた。だが決して目は笑っていない…

池島はじっくりと和樹を眺めたあとようやく口を開いた。

「君は夜鳴町に越して来たんだよね?そして隣町のこの学校に転校してきた…」

「そうだけど、親の都合で引っ越してきたから、半ば強制的に連れてこられた感じかな…」

(なんで夜鳴町に越して来たの知ってんだろ?)

和樹が引っ越してきた夜鳴町には実は小学校しかなくて中学校以上は皆電車で隣町の学校まで行かなくてはいけないのだ。

池島は和樹のことを訝しげに見ながら、やがて意を決したように和樹に質問した。

「桜井君、君はETって知っているかな?」

「へ?」

(急になんだこいつ!わけわかめだよ!)

「あーああ、ETね!あれだろ…映画の…宇宙人のやつ。それがどうかしたんだ?」

池島は和樹の返答にやや不満があるのか、また黙り込んでしまった。

「池島君だっけか?悪いが俺電車の時間があるからさ…」

さすがの和樹も池島の態度に痺れをきたしたのか、やや強い口調で言ってしまった。

「ん?ああ、悪かったね引き留めてしまって。そうだ!お詫びに今から夜鳴町の案内をさせてくれないかい?何を隠そう僕も夜鳴町に住んでいるのだからね」

「いやいいよ、ってか会長は夜鳴町出身なのか!その割には朝の電車で見かけなかったが…」

「それは僕が君より早い電車で来ているからだよ。生徒会は早朝から活動しているんです。朝練のある部活の部員は大体僕と同じ電車ですよ。それにしても僕の誘いを断る人は初めてだよ…遠慮しなくていいんですよ?」

池島はそう言って、また爽やかなイケメンスマイルを俺に向けてきた。

(その笑顔なら女子はイチコロだろうが生憎、俺にはそっちの趣味はねえぜ。ここはもう一度クールに断っやろう!)

「せっかくのお誘いだがお断りさせて貰うよ。町の探索もいいが、それより早く寝たい!」

池島は何故か和樹の返答に心底びっくりしていた。

(そんなに自分に絶対的な自身があるのか?断られた位でなにびっくりしてんだよ!)

「…君がそう言うなら諦めよう。それに今思い出したが、生徒会の仕事はまだ残っているんだったよ。うっかり、うっかり」

「ん、そうなんか?しっかりしてくれよ会長さん!」

「ハハハそうだね、もう少し気を付けるようにするよ。じゃあ僕は戻るよ、引き留めて悪かったね」

「ああ、また明日」

その後、電車の時間をギリギリで間に合ったのは和樹の運が良かったからなのだろうか…



ー同時刻 生徒会室にてー

池島はやけに豪華な椅子に腰かけて、難しい顔をしていた。

「どうかなさいましたか、会長?」

「うん、少し気になる事があってね。あの転校生のことなんだが…通常なら別段構いやしないんだが、君らも分かっているように時期が時期だけに油断はできない。今の僕らは少し神経質過ぎる方がちょうどいい。不安要素は早い内に払拭しておかなければならないだろう…そこでだ…雛形さん!君に彼の調査を頼みたいのだが…」

「分かりました!」

雛形っと呼ばれた人物は池島がしゃべり終える前に大きく返事をした。

「すまないね、君にはいつも世話をかけるよ。これでも君には本当に感謝しているつもりなんだよ…ありがとう」 

「い、いえ!私は好きで会長の仕事を手伝っているだけなんで、気にしないで下さい!」

雛形は頬を赤く染めながらそう言った。誰がどう見ても雛形が池島に惚れているのは明白だろう。

「相変わらず会長は罪に置けねーな」

「ん、何の事だい西尾君?」

西尾と呼ばれた人物はおちゃらけた性格のようだ。

そして、今の発言により雛形の反感をかってしまったようだ…めっちゃ睨んでる。

その上彼女は西尾を睨みながら何かブツブツ呟いているようだ。西尾は読唇術を使い解読するに『殺すぞ☆』と言われているらしく顔を真っ青にして震えている。雛形のような美少女ならその手人々にはご褒美に聞こえるかもしれないが、どうやら西尾はそうゆう特殊性癖は持っていないようだ。

また、西尾は雛形と言う人物がその気になれば人を瞬殺できるのを知っているので、その反応は当然なのだ。

「い、いや何でもないですよ、ハハ…(そもそも、そこに気づいていないことが罪に置けないと言ってんだよ!)」

「ふむ、そうか…それと言い忘れていたが、雛形さん。もし彼が少しでも不振な素振りをみせたな直ぐに僕に連絡してほしい。だが、場合によっては…」

この時生徒会室にいる生徒達はの室温が下がったように感じた。

「彼を消しても構わない」

池島はそう言い終えるとまたニコニコしだした。相変わらずのイケメンフェイスだ。



ー電車にてー

和樹は池島達が物騒な話し合いをしている事に露程も気づいてはいないので、相変わらず呑気だ。 

先ほどからスマホをいじっていたのだが、今は窓の外を見つめている。

「なんだあれ…装甲車か?」

和樹が見つめる視線の先には夜鳴町と隣町を繋ぐ道に自衛隊らしき人々が確認できた。そして、和樹が最も注目しているのは道にでかでかと止まっている96式装輪装甲車だ。どうやら装甲車で道を塞ぎ自衛官達が何かの作業をしているようだ。

「何で自衛隊なんて…まあ、いいや」


暫くして和樹は帰宅し、そのまま自室のベッドで深い眠りについたのだった…



また場所を移し、夜鳴山中腹付近のお寺にて…

「住職殿!例の名簿に我々の知らない名前がいつの間にか刻まれておりました!これは一体?」

スーツを着た中年の男が夜鳴寺住職に大声をあげていた。

「安藤さん落ち着いてください、あまり声をあげてはいけません!」

「すみません…ですが、私は国の命令で今この場にいるのです。つまり、例の計画は全て私の責任の元で行われているのです。も、もし、計画が失敗に終われば…あぁぁぁ」

安藤と呼ばれた人物はかなり情緒不安定な様子だ。

そんな彼を「本当にこんな奴でいいのか?国はいったいなにを考えているのか…?」という風に住職は安藤を見つめていた。


今、彼らは例の名簿とやらが見えるところに来ている。と言うのは、お寺の裏にある小さい滝の奥の洞窟だ。その中を少し進むと小部屋があり、その部屋の壁に例の名簿が刻まれていた。

「ふむ、確かに今までなかった名前が有りますね」

「やはり有りますよね?私はイレギラーな事態にはめっぽう弱いんです。うぅぅ~胃が~」

「落ち着いて下さい。確かにこの様な事態は予想外ですが、私は先代からこの様なことは以前にもあったっと、聞いております。それに、減るなら一大事ですが増える分にはあまり心配いらないのでは‥?」

「た、確かに‥ですが調査はまた始めたいと思います。」

「本当にイレギラーが苦手なんですね」

「嫌な思い出が有りますから‥それに国はどう思っているか分かりませんが、私はこれから行われる事は国…いや、世界に影響を与えかねない事だと思っていますので。」

住職はこの時初めて安藤という人物がなかなか侮れない人であると思った。

そして再び名簿に目を通し、新たに加わったサイトウカズキという名前を見ていた…。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小説書くの結構大変!

投稿ペースは4日に一度かな…

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