(幕間) オオカミ少年・ リーヤの手紙
長い 《お茶会編》のあとの、インターバルです。
いつものように、文章中に 今後に関わる《情報》が出てきますので、お見逃しなく。
姉さん、お元気ですか。
家を出てから ずいぶんと経ちますが、母さんと父さんは 元気にしていますか。
きっと、僕のことで ものすごく怒っていると思います。
姉さんまで、僕のせいで 怒られてはいませんか。
僕は、それだけが、いつも心配です。
相変わらず、チャッキーは 元気です。
もちろん、僕だって 元気です。
元気だけが 取り柄だって、姉さんも知っていますよね。
チャッキーに引っ張られながら、世界を あちこち旅をして、僕は いろんな人に出会いました。
その ほとんどが、怖い人ばかりです。
毎回、なんとか生き延びていることが 奇跡みたいです。
姉さんから もらった 《お守り》のせいかな?
ずっと持っているので、もう随分と 汚れてしまいました。
お守りを見るたびに、姉さんに 会いたくなります。
隣の家の ジョンタとは、うまくいっていますか。
彼は 優しい性格なんだから、イジメないであげてね。
さて、近況報告…… ということで。
最近の、僕にとっての 一番の事件を 書きます。
僕は、最近、とっても気になる人がいます。
あ、でも、まだ 僕だけの 秘密っていうか。
その人は、他の世界から 迷い込んできた人です。
つまり…… アリス様です。
その人は、死にそうな僕たちを助けてくれた、命の恩人です。
助けてくれただけではなくて、あのチャッキーに、変化を与えてくれた人です。
だって、信じられますか?
あのチャッキーが…… アリス様を見て、『変わりたい』って、言ったんですよ?
あんなに自慢だった コレクションだって、『ごめんなさい』って言って、捕まえていたものを みーんな解放して、逃がしたんですよ?
僕は、チャッキーが ごめんなさいと言う姿を、生まれて初めて見ました。
もともと、アリスに選ばれた方は、誰かの願いを叶えるのが 仕事です。
でも、あのアリス様は、みんなとは少し 違うと思うんです。
アリス様を 見ているだけで、みんな 頑張れるような、そんな気になってしまうんです。
強くて、凛としていて。
でも、アリス衣装がとっても似合うくらい、可愛い人で。
あの 恐ろしい 《白ウサギ殿》が、メロメロに なってしまうのだから、想像できますよね?
きっと、僕なんか、相手にされないような、遠い人なんです。
だから、好きになったとしても、僕には 少しも 望みなんて無いって、わかっているつもりです。
でも。 でもね、姉さん。
ジョンタと 恋人である姉さんには、わかると思うけど。
好きだな…… って気持ちは、自分では コントロールできないものなんだよね。
僕は、多分、アリス様のことが 好きなんだと思います。
チャッキーが、アリス様のために買ってきた、ピンク色の ナイトウェアなんて…… 鼻血が出たのは 僕だけじゃありません。
あれは、すごかったです。心臓に 悪いです。
それなのに…… 僕は見てしまいました。
あんなに アリス様 一筋の、白ウサギ殿が。
アリス様を置いて、夜中に こっそり宿から抜け出して行ったんです。
あれは、変です。
絶対に、何か 隠しています。
最近、世界の あちこちで、《異変》が起きていると聞きます。
このハートの国でも、王様は 何年も引きこもったまま、姿を見せません。
少し前に、王様に関しても、《変なウワサ》を聞きました。
女王様の、命を握っている…… とか、なんとか。
女王様は、魔女ですよね。 そんな方を、自由にできるとしたら、王様自身も 《魔法使い》なんでしょうか。
城に行ったことのない僕には、知らないことだらけです。
でも、明日、アリス様について、ハートの城に行く予定です。
ブタさんと オオカミさんの《裁判》が開かれるというので、見学してきます。
僕と同種の オオカミさんのことも、気になるしね。
もし、女王様に お会いできる機会があれば、僕の この 厄介な 《体質》についても、お尋ねするつもりです。
体が 安定すれば、僕も もっと自分に自信が持てるような気がするんです。
だから、姉さん。 心配しないで下さい。
きっと 立派な オオカミになって、母さんと父さんを安心させてみせます。
それまでは、何があっても 帰らないけど、二人を お願いします。
姉さんも、体に気を付けて。 ジョンタと仲良くね。
あなたの かわいい弟 リーヤより。 ハートの国より愛をこめて。
さて、インターバルに オオカミ少年・リーヤ――― 彼を予想していた方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか。
見事、予想的中…という方は、ぜひ ご一報下さい(笑)
お気に入りのキャラで、《愛のメッセージ》を送らせて頂きます。
いえ、存在すら忘れていたという方が 大半でしょうねー。
それが 普通でしょう。 影が薄いし、セリフも少ないので。
さて、文章中にも出てきた通り、カナトたち一行は、ハートの城へと出発する話へと進んでいきます。
休みがちだった 白ウサギも、ようやく 復帰…かと思いきや、事態は何やら 怪しい方向へ。
兵士長が主役の 《番外編》は、もうご覧いただけたでしょうか。
この手紙の内容とも 繋がっておりますので、まだの方は 新章にうつる前に、ぜひ 足を運んでみて下さいね。
それでは、次回からスタートする 新章をお楽しみに。




