表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

はじまり

挿絵(By みてみん)

※ものっそい短いです。すみません><;

「なんだ、きさら。今日は随分と早ええなぁ」

 いつもよりも少し早く起きた私に不思議そうに目を細めたジジ様がそう問う。

 確かに、まだ空は青がかっていて日は出てないから夜明けまではもう少しかかるんだと思う。

 それにいつもなら私はまだ眠りに付いているはずだ。

 けれど、今日ばかりは違っていた。

 私はくすくすと笑いながら縁側の戸をあけて、呟いた。

「今日は青ちゃんとハチが来る夢を見て。それで起きちゃったの」

「青とデコか。しばらく顔をださねぇなぁ」

 遠くを見るように空を見たジジ様。私も同じように空に目を向けた。

 もう、二人が来なくなって、何月なんつき経っただろうか。

 目を向けたその空の色はまさしく青ちゃんの髪の色と同じ、綺麗な青色だった。




此処は大陸の北に位置する北倶盧洲ほっくるしゅうの果ての地。

此処をヒトは『賽ノ地さいのち』――そう呼ぶ。


ヒトと、ヒトではないモノとの狭間の地。


さまざまな命が行き交う地。


――そして、その命が消えゆく地。


この地に平和は訪れない。


争いだけが人を支配し、そしてまた争いを生む。

生まれた争いはヒトの心までも支配して、憎しみを生む。

そして憎しみは再び争いへとその矛先を向ける。

――なんて悲しい連鎖であろうか。


ヒトもヒトではないモノも、命は全て美しく、自由である。

だがその命はこの地で儚く消えてゆく。

憎しみと言う負の感情を残して。


此処ここに救いはありません。

個々ここの救いもありません。


求めても、その手は空をつかむだけ。

嘆いても、もう遅いのです。




 そんなこの地で育った私はあの日、彼らに出会いました。

 強く、まっすぐな心を持ち、どこか儚げな彼らと――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ