第4話 旅の 仲間 と 荷物 を手に入れた !
神様に相棒となるポケモン的なのをお願いしたら何故か金髪の少女を相棒としてお出しされてなんか知らない間にその娘と命を繋がれてたらしくて文字通り一蓮托生でとりあえず握手しようとしたら手にキスされてあわあわしてるうちに異世界に放り出された。(早口)
──そして現在、俺と…金髪の娘は荒れ果てた荒野に立っていた。
「えー…と、改めてよろしくね。あー…エルムソフィラ─ちゃん?」
「む?ああ、よろしく頼むぞケンジとやら」
このやたら偉そうな感じの美少女はなんと元は魔王らしい。
てってれー♪
やったー!金髪美少女魔王をゲットしたぞ!
……じゃねぇよ!なんでだよ!どういうことだよ神様!?
「とりあえず、どうするのだ?私はお前の相棒になれとしか聞いてないのだが」
「え?そうなの?」
あの神様、この娘には説明してないのかよ…なんていい加減な……。
「俺が神様から依頼されたのは、この世界に居る闇の神っていうのに会ってくること、かな。なんかお仕置きがどうとか…」
「……なるほど…つまり闇の神に挑むという事か…。貴様─いや、ケンジよ。お主大した男なのだな」
「い?いやいや、そんなんじゃないから!それに会うだけで良いって言われてるのにわざわざ挑まないって」
神に挑むだなんて、さらっと恐ろしい事を言い出すなぁ。見た目は小さな女の子だけど、やっぱり魔王なんだな。
しかし、改めて見てもすごい美少女だな。目を奪われるほどに綺麗だ…。見惚れるとは彼女の為にある言葉なのだと思ってしまう程に。
降り注ぐ太陽の光を受けてキラキラと輝く長い金髪。風を受けてふわふわと静かになびいて、その内側からピンクブロンドがチラリと覗いた。肌は白く、しかし血色はよく健康的だ。瞳はルビーの様な綺麗な赤色で、こちらを見つめられるとまるで心の底まで見透かされているような気すらしてくる。
「……?どうした?」
その声は鈴を鳴らすようにとてもかわいらしく、その唇は──…くちびる…は…さっき、俺の右手の甲に触れて、とても、やわらかかった……
やばい、かぁっと顔が熱くなるのがわかる。落ち着け~落ち着け~…
「顔が赤いぞ。大丈夫か?」
エルムソフィラが心配そうに近寄って見上げてくる。 …ふわりといい匂いがした。
「だ、だいじょうぶだよ、エルムソヒラひゃん」
──噛んでしまった。
「落ち着け。本当に顔が赤い──というか光って…おる?」
「は?光って…?」
光っているなんて言われて自分の姿を確認すると、確かに光っている。俺のシャツの胸ポケットから光が漏れ出ていた。なんだこれ。
ポケットの中から光る何かを取り出してみると、二つ折りにされた紙片が光を放っていた。なんだこれ、と思っていたら光が収まって只の紙片になった。とりあえず開いてみると、
【言い忘れてたけど、君たちの為に旅スターターセットを用意したから確認するように。まずは近くの人里を目指すのが吉。それではグットラック!
僕はいつもは無理だけど、たまには見守っているからね。 君達の神様より
PS.相棒の彼女は人の体に慣れてないからやさしくしてあげてね。あまり変な気は起こさないように】
などと書かれていた──最後やかましいわ。
ガサリと、足に何か触れる感触がして足元を確認すると大きめのバックパックがあった。…いつからあったんだコレ。
「……突然袋が現れたぞ。なんだそれは」
「…なんか、旅の為の物が入ってるらしい」
「ふむ…神か。やはり得体が知れないな」
バックパックを確認すると、手に持った紙片は光となって跡形もなく消え去った。スパイ映画の指令書か?わかっててやっているのか雑なのか……。
とにかく中身を確認しないとな。
「中身を確認しようか。エルム…あー…ごめん、ちょっと長いからさ、ソフィって呼んでいいか?」
「む?名前か?ソフィ…ソフィか…ふむ…まぁかまわんぞ。私はケンジと呼ぶぞ」
「ああ、それでいいよ。改めてよろしく、ソフィ」
そう言って右手を差し出す。
「?なんだ?また誓いをしろと?」
「あ、いや違う違う。」
慌てて否定する。と同時にキスされた事を思い出してまた顔が熱くなる。落ち着け。
「握手って言って、同じように右手で軽く握ってくれればいいよ。挨拶とか親愛とか、まぁ敵対しませんってこと」
「なるほど、こうか?」
小さな右手が俺の右手を握る。
「それじゃ、よろしくな。相棒」
「ああ、よろしく頼むぞ。ケンジ」
ようやく俺たちは仲間として一歩を踏み出した。
まぁ、それはそれで置いておいて、バックパックの中身確認と行きますか!
少しわくわくしながら開封していく。
最初に目に入ったのは少し厚めの本だった。手に取ってパラパラと捲ってみるが何も書いていない。最初のページを開いてみると先程の紙片と同じ文字で[気が向いたら旅の記録を書いてね。こちらから連絡があれば書き込むからチェックはマメにするように]と書かれていた。要するに日報か。まぁこれは後でいいや、次々。
次は、地図だ。半月の様に歪んだ地形が描かれている。真ん中で割れていて真ん中には小さな島が沢山描かれている。そして半月の南の端あたりに矢印で[この辺スタートだよ]書かれていて、北側に描かれた森に[ゴール]と書かれていた。あの神様、ホントこういうのばっかだな…。ま、まぁとりあえずこれで目的地は分かった。どのぐらいの距離なのかはわからないけど。さて次は…
「むむ、これは…肉か?」
ソフィが束になっている干し肉を取り出していた。
「干し肉だな。パンもあるぞ。それと、これは水だな」
持ってみると少し重いパン。それと水の入った革袋が入っていた。
次は…少し小さめの袋。開けてみると金貨が三枚入っていた。おお!と思ったけど、これってどのくらいの価値なんだ?さて、お次は…
「これは…ナイフか?」
「随分と小さい剣だな。そんなので戦えるのか?」
「どうなんだろ?俺はちょっとできそうにない…かな」
碌にケンカもした事ないからな。それにナイフの使い方なんて知らないし。
「なんだ、情けない事を言うな」
「いや、そんな事言われても……」
「しかし、トドメはお前にしか出来んのだぞ?」
「へ?」
え?なに、どういうこと?
「なんだ、わすれたのか?私は神の制限とやらで殺しができんらしいからな。そこはお前の役目であろうが」
「あ、あー……そうなる…のか?」
ナイフを持つ手をジッと見つめる。刀身が少し長めのナイフはズシリと重く、光を反射する刃が冷たく感じられた。
俺が…これを使って命を、奪う……。
一瞬、血に染まったナイフと手が脳裏によぎる。
「その…殺さずに済ませないかな…どうにか……」
そうだよ。無理に殺すことは無いんじゃないか?
モンスターなんかも追い払えば済む話だ。
「ダメだぞ。敵というのはな、追い払っても追い払っても、しつこくやって来るのだ。私も何度か敵を見逃してやったが、大半がまた私を殺そうとやって来た。平穏を願うなら殺さねばならん」
「いや、それはちがうんじゃ…」
「なに?何が違う」
「無暗に命を奪うと、余計に平穏は遠のく。殺さずに済むならその方がいいに決まってる」
「しかし殺して食わねば死ぬぞ?」
「いや…それは……」
それはそうだけど…難しいな……なんて言えばいいんだ?これ…。
でもソフィの言う事も尤もだ。みんな命を食らって生きてる。それはそうだが…
「わかったよ。必要になったら、俺も覚悟を決める。綺麗事を言ってるのは、わかってるさ」
「本当か?たのむぞ?」
「わかったって」
だから…この話は終わりにしよう──
さて、次は……お?やたら手触りのいい布だな。ハンカチかなにかか?
そう思って取り出してみると、フリフリと小さなリボンのついた三角形の女性下着だった。
「お、それは私の着替えだな。今つけておるのと同じ形をしているぞ」
「……ごめん」
「なぜ謝る」
神様、マジで雑過ぎる……。




