転入
「本日から、こちらの学校に転入する事になりました。 川瀬水那と申します。 皆さん宜しくお願いします。」
彼女が礼儀正しく、自己紹介を行うと、クラスの男子達は彼女に目を奪われてるようだった。
本当に転入してきたよ、大丈夫なのか? 人と関わり過ぎるとダメなんじゃないのかよ。
あと、何かあいつキャラ違わくね。
確かに外見は俺も目を奪われる事があったよ、でも喋り方もそうだけど、あの見た目で制服は破壊力が……
何であんな喋り方何だよ、もっと子供ぼい、喋り方だったよな?
結局、昨日は準備があるとかで、あの後すぐ消えた(帰った)し。
「皆も聞いて通り今日から、クラスメイトになる川瀬だ。仲良くしてやれよ。 席は浅見の隣の席だ。わからない事とかあったら教えてやれ」
「はい」
俺は担任の設楽先生に、そう言われ返事を返した。
何で、俺の隣? これも神の力かぁ。
そう思ってると水那が、隣の席に座った
「宜しくお願いします。浅見さん」
浅見さんて、 普段は、潤って呼んでるくせに
あれかな、皆の前だと名前呼びは恥ずかして事かな?
「何か、言葉遣いが、普段と違わない?」
「この様な言葉使いが、私みたいな麗しい女性に、ふさわしいと書物で拝見しましたので」
俺は、水那に少し顔を近づけて小さな声で聞いた。
水那も同様に小さな声で返してくれた。
でも私みたいな麗しい女性? どこかのお嬢さまキャラになりきってるのか?
まぁ、確かに見た目と今の口調は、そう見えなくもないが………
何か、違うような気がする
「まぁ、本人が良いなら良いけど、もし分からない事が、あれば言えよ」
「ありがとうございます」
うーん、やっぱり、慣れないなぁ
休み時間中は水那は、クラスメイトと他の組の生徒も話しに、来てお喋りを、していた。
まぁ、一方的に水那が、質問されてたけど
見た目の影響か、男子生徒が多い、ただ男子生徒は遠くから見てるだけの生徒が、多かった。
水那に、話しかける男子生徒は先輩が多かった。
どこから来たの? 今、お付き合いしてる人はいるの? 良かったら俺と付き合わない?
などなど………… 良く初対面でそこまでグイグイ行けるなァ〜
「すごい可愛くね? あんな子いるだなぁ」
「確かに可愛いが、胸が少しざん…」
ゴーン
突然、水那を少し離れて見ていた男子生徒の頭部にタライが落ちて来た。
胸が小し残念と言いたかったのだろう。
タライを頭に受けた男子生徒は、気絶してる様だ。
一緒に、話していた男子が懸命に、名前を呼びながら体揺らしている。
「どこから、タライが、落ちて来たんだ?」
倒れてる生徒の周辺に居た生徒達が、上を見ながら、タライが何処から落ちて来たのかと、天井を見渡していた。
俺は、答えを知ってるが、 良く聞こえたな、周りに質問攻めを受けてるのに、 神も胸の大きさとか気にするのだろうか?
そう、タライを落とされた男子生徒が、あのセリフを言った時、 水那の目線がその生徒に向いた。
そして、俺からは見えるが、机の下で指を鳴らす仕草をしたから、上からタライが落ちてきた。
何も、無い所でも出せるだなぁ、 でも何でタライ?
一昔のお笑いのネタか? でもタライで良かったなぁ
俺は、男子生徒に、少し同情した。




