序列
今日最後の授業を終え、帰りのホームルームも終わり、俺は部活に入ってないので帰宅した。ちなみに中学の頃は弓道部だった。
俺は家に着くと玄関の鍵を開けて家に入った。この時間は母さんはまだ仕事。父さんはいつも帰宅が遅い。
俺が自分の部屋に入ると、
「あら、おかえり!」
「あぁ、ただいま」
俺は水那に返事を返す。
「て、なんで居るだよ」
「なんでて? また来るって言ったじゃない? もう忘れちゃったの?」
いや、確かに言ったが。
「忘れてないけど、親とかに見られたらまた誤解とかないとだし」
「それは大丈夫よ! ちゃんと誰も居ない事を確認して実体になったから」
はぁ~、そうじゃなくて……。そうは思うが、何かほっとした自分がいた。
「にしても行き成り来るんだなぁ。前もって連絡とか出来ない?」
「ふーふぅん。そう言われると思って、これを長に頼み込んで、これを貰ったわぁ!」
そう言うと水那は、凄いでしょう? みたいな顔でスマホを見せてきた。
神もスマホ使うの? そもそもどうやって買ったんだろう。
「それは店で買ったってこと?」
「何を言ってるの? 長が造ってくれたのよ」
流石神。スマホを造れるのかぁ……。形だけ似てるんじゃないよな?
「使い方も大丈夫よ! この2日間でこの国の現代文化を学んだわ!」
自慢げに言いながら水那はスマホを操作し、ラ〇ンの連絡先を登録するIDを見せて来た。
俺はそのIDを打ち込んだ。
「本当に使えるだ」
正直、俺は半信半疑だった。神の造ったスマホがちゃんと使えるか。
IDを打った画面には「川瀬水那」とちゃんと表示されていた。俺は水那のアカウントを友達追加した。
水那を友達に追加した途端、水那からスタンプのメッセージが届いた。
「どう? 使い方も完璧よ! これで潤と連絡取れるわね!」
「そうだな、でも天界に電波ってあるのか?」
「そこは、長の造ったスマホだから、天界に通じるわ!」
どういう理屈なのか、まぁわからんけど、通じるならいいかぁ。
「ところで、長の神は人間と接する事、とやかく言ってこないのか?」
「うーん、長が言うには、私が人間界に強い影響を及ぼしたら、関わった人々の記憶を消すって、そう言ってたわ」
なるほど。最悪、記憶を消して、水那の存在を無かったことにさせるのか。
「でも、そんな事にならない様に努力するわ! 元々私は人間の生活に興味あったし、どのみち修行も行き詰まってたし」
以前、修行してるって言ってたなぁ。でも神でも行き詰まることあるんだ。そもそも、神って修行するのか?
「神って修行して強くなるもんなの?」
「強くなるわよ! そもそも神にも、得意不得意があるの。私は川の神だから、川の水を自在に操ることが出来るの! でも雷や火などを操ろうとすると神力を使うの。うーん、わかりやすく言うと魔力かしらね!」
要するに、川の神だから川の水は自在に使える。で、他の何かを使おうとすると魔力が必要ってことか。
「へぇー、魔力って言葉よく知ってるな。川の水を使う時は魔力は使わないってこと?」
「言ったでしょう! 現代文化をこの2日間で覚えたって! そうね、この関東一帯の川は私の管轄だから使い放題よ! 別の地域に行くと魔力を使うわ!」
川の神でも管轄があるのか? ってことは、川の神も複数いるってこと?
「その、言い方だと川の神って複数いるのか?」
「いるわよ! 関東、東北、関西、九州に計4人いるわ! それ以外の地域の川の水は共同で使えるわ!」
共同って、神も人手不足なのか? そもそもそんなに神がいたらありがたみもなくなるか。
「その場合、前に言ってた神の階級はどうなるんだ?」
「川の神は階級的には皆同列よ! 序列の話をすると、川の神、海の神は同列。水の神もいるの! 水の神はその2つの神々の最上位の神よ! 言わば上司に当たるわ!」
川と海の神が同列? 海の神の方が偉そうだけど。
「水の神がいるなら、火の神とかもいるのか?」
「いるわよ! ただ火の神は私たちと同じ序列よ! 最上位は炎の神よ!」
火の神の最上位が炎の神って、あれか? ポケットのモンスターの“火の粉”“火炎放射”くらいの差か? 神もそこら辺雑なのね……。
「いろいろ、いるんだな」
「そうよ! あと私、貴方の通ってる学校に通うことにしたの!」
「え?」
何を言ってるんだ? この神様は。
てか通う必要あるの?




