学校
俺は久し振りに通っている高校に登校していた。
家から学校は徒歩15分と歩いて通える距離だ。
夏休みと入院で、他のみんなより1週間遅れの登校だ。
水那とはあの日以来会ってはいない。
まぁ2日しか経ってないのだが、学校行ってる間に来たらどうするのだろう?
そういやぁー、俺に印を付けたとか言ってたな。
じゃあ学校にいても居場所が分かるのか?
水那に会えないのが寂しいとかではけしてない……。
うん。違う違う! ただ気になるって言うかぁ、何と言うかぁ。
俺は頭を掻きながら自問していた。すると後ろから俺の背中を誰かが軽く叩き――
「よーう、久し振りじゃん。ケガで入院してたみたいだけど、大丈夫なのか?」
「久し振り、真也。って言ってもラ〇ンでトークはしていたしなぁ。あんまり久し振り感はないがぁ。まぁ気配りありがと」
俺の背中を叩いて話しかけてきたのは高橋真也。
俺の中学生時代からの友達だ。サッカー部で体育体系のイケメン顔。そして、もっぱらのアイドルオタク。
中学生時代はアイドルオタクを隠していたが、高校に上がってからは隠していない。その為かモテそうなのに浮いた話を聞かない。
まぁ、隠れファンは居るだろうけど。
「何だよ。ラ〇ンと直に会って話すのじゃ全然違うだろ? 例えば画面越しで推しと話すのと、握手会で話すのでは全然違うだろ!」
「そう考えるとそう……そうか?」
「そうだ!」
強めに言われた。
まぁ、確かに推しが居る人にとってはそうなのだろう。
ただ俺には推しは居ないしなぁー。
「俺には、アイドルと直で会う為に夏休みをバイト三昧で過ごすって発想がないからなぁ」
真也は推しのアイドルのコンサートに行く為に、夏休みは昼間はサッカー部の部活、夜はバイト。そんな夏休みを過ごしていたみたいだ。
「仕方ないだろ。高校生は補導時間があるからあまり遅くまで働けないし、部活も大会近いし」
「それはそれは、大変ですね」
「この野郎。他人事だと思って……今では“推し貯金”て言葉もあるんだかんなぁ。お前も推しが出来れば無我夢中になるぞ」
「はいはい。そうかい」
「あぁ、絶対そうだ」
そんな会話をしながら、俺達は学校に着き、それぞれの教室に向かった。




