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第2話 未来の友達

 

 父の持つ広い豪邸。その中の一つに暮らす少女。彼女は極力人の目を避けながら息を潜めて生きている。長男と弟妹・双子の間で、どちらとも父とは血が繋がり母は違う。母親の事は知らない。物心付いた時から良く言えば腫れ物扱い。基本は空気として少女・ケイアは生きていた。

 家族で唯一、父とは義務的な会話は行うが多くて月に一度、一言程度だ。兄妹達は双子が一方的に嫌味を言い。長男は目すら合わせず。ケイアに向けての声など聞いた事が無い。

 学校に行っても誰かと話す事は非常に珍しい。ケイアは庶子であっても、この国の財閥の娘なので先生方も気を使い極力、無口なケイアに何かを頼まない。授業で当てられた事も無い。体育もペア時の時など顔色が悪いから休んで良いと気を使われ壁の雑草になる。

 ケイアは、ほぼ誰とも喋らない為に喋り方を忘れてしまった。悲しいや寂しいの言い方が分からない。誰に言えば良いのかも分からないし、誰もが聞きたくないと思う。

 ケイアは風に舞う塵クズの方が大地の為になり価値があると、ぼんやり思う。ケイアは父に連れて行かれた家族のイベントで客船に乗りながら海を眺めた時。このまま沈めば深海に行き魚の餌になれるのではと真剣に考えた。

 それぐらいが、ケイアが何かの為になれる唯一の方法のような気がして、手摺を握りしめる。その時。父以外に相手の登録をしていない新品の通信機が音を鳴らしたのだった。


 ピロンッ。


 友達のいないケイアに最初に知らないメールが届いたのはスマフォを持ったばかりの十五歳の時だ。それは未来のケイアだと写真付きで送られてきた。年老いた老婆風な見た目だが二十五歳らしい。十年後のケイアは随分と老けてしまうのか。返答を送ろうとしても、どうもこちら側からだと届かない。

 多分、何かの設備が足りないのだ。それは、とても残念ではあったが仕方ない。未来の自分からの日常日記は友達のいない孤独なケイアにとって癒やしとなった。

 半年後、ケイアは十六歳となった。十六歳はケイアの国では成人式だ。誕生日の品を送ろうと父から言われケイアは、ふと考えた。タワーマンションの建設は今からだ。一年かけてケイアの望み通りのモノを作ってくれるらしい。その後の管理はケイアで一年後の誕生日には独り立ち用の資金もくれるらしい。もし未来の自分が語る氷河期が本当なら、きっとそれに耐えうる仕組みが良いだろう。ケイアは未来の自分には無かった地下を願った。

 ケイアの元に届く一方的なメールは時系列がバラバラだ。ただ、どれもが氷河期という終わりを感じさせる日々が続いている。未来のケイアにも友達がいない事は憂鬱ではあったが今は未来が友達だ。それは一方的な救いとなりケイアに勇気を与えた。

 一年後、ケイアは独り立ちをし貰った資金で投資をした。未来からの情報で知った上がる場へ生活費以外を投資し、それは信じられない金額へと上昇していく。未来では、この資金は無価値になるそうだがコツコツと増やしては新たな改装を自分のタワーマンションに加え工事が終わってから人を迎え入れた。ケイアのタワーマンションは知っていた未来とは違う。

 先ず三十階は発電機など自力で稼働が行えるサブを作る。メインは地下に用意した。二十九階は建前上、サブ部屋としてケイアの部屋となった。一階は巨大スーパーにし二階にも店を増やした。三階は子供部屋のみ。四階の半分はスポーツジム兼、会議室にし半分は安めの住居とした。十階までは下層。十一階から二十階が中層。二十一階から二十五階までを上層。二十六階から二十九階を高級層とした。上層からは高いが中層までは他の相場より遥かに安く入居条件さえクリアすれば夢の買い場所として人気になった。上層は元々、金銭に余裕がある者達が来る。ステータスとして人気な為に、そこも競争が高い。しかし金額的に購入までにいかないようだ。

 三年経ちリンリという住居人が二十八階を買い取った。ケイアを抜けば彼が一番の高級者だ。何処の御曹司かイマイチ知らないがスポーツジムで身体を鍛えるケイアと偶に挨拶をする仲になる。

 ケイアは将来、老婆にならないように身を鍛える事に決めた。

 タワーマンションは投資で儲けた資金で建設を続け隣接する場所にモールが出来た。出来た際に飲食店は隣に移転し二階は産婦人科・小児科のクリニックと薬局にし、住居人は外が嵐であろうと一切、濡れる事なく寝間着でも病院やスーパーに行ける。また一階から直接繋がった通路からモールにも行ける。

 ケイアは偶に話すようになったリンリの意見から共同投資でモールを作り、どうやら彼には商才があるらしい。此処が人気の土地となった。

 ふとケイアは気付く。リンリはケイアの初めての友達だ。双子の兄妹が二十九階を渡せと乗り込んで来た時も言葉巧みに追い返してくれた。リンリが苦手らしい兄妹は彼を見ると毎回、苦虫を噛み潰したような顔をして逃げる。資金は豊富なので地下はモールの下にも続き何の工事かは、モールの為の建設として有耶無耶にしておいた。

 双子の嫌がらせが続くと、リンリに勧められてクロバという護衛がケイアに付く。クロバは非常に優秀で兄妹から送られてくる嫌がらせに難なく対応してくれた。

 ダイハ一家が二十七階を買い取り住む。ダイハ一家は法律上には無い、妙に多い奥さんの数ではあったが、とても優しい人達でケイアは、すぐに大好きになった。

 ただ彼らは、リンリとは仲が悪い。ケイアはリンリとは親友と呼べる仲になっていたのでダイハ一家と仲の悪さに時折、冷や汗をかいた。


 未来の氷河期と呼ばれる日が来る一年前となった頃。偶に送られる未来のケイアからの日記は楽しそうな雰囲気となる。多分、日記に書かれている生まれて初めて出来た友達とは、リンリだろうか。今の、リンリとケイアは親友だ。周期が遅れただけで、その可能性が高い。そうでなかったら、ダイハ一家やクロバかもしれない。

 モールは随分と大きくなった。リンリの勧めで三年前から広く丈夫なドーム作りをしタワーマンションや巨大モールを囲い、もうすぐ完成だ。

 完成した時期に囲いの側に立派なタワーマンションが建った。ケイア達の所より大きい。そのタワーマンション、どうやら兄妹達の物らしい。勝手にタワーマンションとモールを繋げる通路も作っていたようだ。面積ギリギリの所で止めて連日、モールと繋げる許可を出せと煩く難色を見せていたら父の権力が出てきた。父は、リンリでも止められない権力で、ゴリ押し通路が新しいタワマンとモールを繋げた。父は子供達に甘いのだ。

 氷河期が来るとされる一ヶ月前、ケイアに最後と思われる連絡がきた。その頃になると、どうやら未来ではクロバが大好きになっているらしく最近は意識して困っていたのだが未来で命が本当に危ないらしい。物騒な最後の記念写真。正直、見たくなかった。

「銃なんて……どうすれば良いんだろう……」

 施設や物資は確りと固めたけれど銃器類は無理だ。悩んだ結果、会議室にリンリ、ダイハ一家、クロバに相談する。何故か、その際、ダイハ一家がリンリと今までに無いほどの険悪な雰囲気になった。

「相談してくれて良かったよ」

 リンリは即日で銃器類を用意した。まるで元から準備していたような速さだった。モールは共同経営だが彼の仕事ってなんだろうと思う。

 正直、荒唐無稽な話をしたと精神を疑われる覚悟だったのに予想外に乗り気なクロバは私達に取り扱いを教えてくれると言う。

 相談して明らかになったが信じてもらえないどころか皆、氷河期に向けて行動していたらしい。

「勘違いであれば、その方が良い。保険はあるからね」

 リンリは余裕そうに、そう言う。そして、改まって彼は発言をした。

「知っての通り君達が亡くなった直接の理由は俺だ」

「え……えッ!?」

 ケイアだけが驚愕した。

「ケイアは世界一お人好しだから俺の事すら一回も悪く書かなかったみたいだね」

 リンリが嬉しそうに言う。ダイハが殴りかかりそうな雰囲気になったがクロバが止めた。

「オレにもメールとやらは届いたが正直、半信半疑だ」

 クロバは連絡機器を任務事に変えるらしく、その度に妙な文面や写真が来ては気味悪く思っていたらしい。リンリに同じような文面が届いていると見せられても疑っており、ケイアが今回、発言するまでは氷河期を意識しなかったと言う。

 ただ、多少なりと影響はあったようで、リンリの勧めでケイアの護衛に付き、その過程で兄妹達からの誘いもあったが断ったようだ。

 今のケイアは寂しくないので研究とやらは全然だ。どちらかと言えば基盤を整えるばかり資金は充分にあったが残り期間が短くなり維持費と支払用以外は全部出し物資を買い新しく出来た地下へと詰め込んだ。

 タワマンとは別にマンションを一つ建て最近まで空き状態にしていたがケイアは今まで世話になった従業員達やら医者、呼びたい人達の住処にするよう促す。ダイハ一家の親戚や友達が引っ越してきた。

 ケイアには顔を覚えている母がいない。一応、肉親である父に声をかけ氷河期の可能性を話したが普通に信じてはもらえず、いざとなったら自分でどうにかすると断られた。

 クロバは血縁者はいないが仲の良い護兵仲間を二カ月の任務として呼び、彼らはクロバ用の階とした二十六階に一時的に暮らす事になった。全員、鬼の如く強いらしい。


 夏の最中、七月二十九日の夜。急に温度が下がりだした。

 最初は涼しさに喜びの声が上がったが流石に雪が降り出し一面、積もってしまうと異常現象に人々は戸惑う。

 スーパー含み、巨大モールは前からCMを流し大改装の為と予定日の前日17時から一時閉店にして最初に用意していたドームに囲む。CM通り前日の朝から生鮮食品、全品半額セールの瞬間は大勢駆けつけたが15時頃には、ほぼ売切れ。一時閉店と前から知っていた情報と生鮮は無い情報で雪が降っても最初は人は寄らず。しかし時間が経つにつれ食料を求めて入り込もうとする動きがあった。

 あの日、17時以降に大急ぎで無料マンション住込み従業員と共に通路まで大量に詰め込んだ食糧は、あったが一度閉めた頑丈なドームに穴は無い。入る手段は一つ。兄妹達のタワマンの通路からしか無理だ。先に彼らが頑丈に用意した場所を抜けなければいけない。

 反対に兄妹のタワマンの住人が買い出しを求めた。仕方ないので臨時で一部の店舗を開けて好きなだけ購入してもらう。手に入ると分かれば、ある程度、落ち着くらしい。この付近の住人は他に比べて危機感が薄かった。

 一週間経つとケイアの父から前もって備蓄をしていた為に助かったとお礼のメールが一つ届いた。父側は、そちら側でなんとかしていくらしい。信じてはいなかったけれど一応は用意したみたいだ。

 雪が止まず世の中の交通機関は止まり誰もが外に出る事をしなくなった。気温は、どんどんと下がり二週間でマイナス四十度となる。一ヶ月も経てばマイナス七十度と信じられない寒さが辺りを包み。それぞれの場所が孤島のようになる。特別な車で無い限り移動手段は無い。

 隣のタワーマンションからの買い物客は常々おり前もってマンションに入居してもらった従業員には物資を給料とし売りをお願いした。世の中では物価が上がっているらしい。モールにて正規の値段の状態で買い兄妹達のタワマンになんとか来た人々に一部の商品を百倍の値段で転売していると知った。百円のカップラーメンが一万円と儲けを出す為に大量買いをしていく人達。一応、お金に価値がまだあるようだ。

 値段が百倍であろうと兄妹達のタワマンは連日、人々が命懸けでやってくる。ドームを閉めた以上、もう開けることは難しい。頼まれた知り合い以外は受入も厳しい。

 リンリが言う。

「アレは、まだ治安が良いほうだ。だが、その内に軍の介入が起きる。問題はそれからだよ」

 ケイアは自分の所の者達には定期的に無償で十分な物資を渡した。此処で水で育てられる植物の苗も渡しベランダ等で育てるよう促す。

 保管してある食糧は大量にある。今年から庭で、子供達以外には、ちょっと不人気だった鶏、ウサギの飼育もしていた。

 ドームの中も寒いが一応はマイナス十度、前後が保てている。ドームが雪で固められ逆に温度が保てたようだ。転売の為に兄妹達の方から買い物客は来るが彼らの目的は、まだマシな温度のドーム内に居座る事の方が多い。

 モールの中になるとマイナス五度前後だろうか。中で厚着の状態で休む存在が増えた。前もって多く出しておいた炭や携帯カイロは先に売切れた。自分の方のタワマン下のスーパーや薬局にはあるが、アレは住人に定期的に配っているので売り物ではない。携帯カイロを百万で転売している噂を聞いた時は驚いたが今は、そんなものなのかもしれない。


 何時、兄妹側の通路を閉鎖するか会議が行われた。ケイアやクロバは向こうの子供達が気になっており難色を示し、リンリ、ダイハ、クロバの仲間の護兵も閉める方を提案した。多数決では圧倒的に負けているが最終決定はケイアだ。

「リンリは先を知っているの?」

「遅かれ早かれ軍が、やってきて先ずは、あちら側のタワマンが占拠されるだろう。その後、モール、そして俺達も支配され最終的には奴隷か食肉だ」

「オレらは強いよ」

 クロバが仲間の護兵を含み言う。

「それは知っている。だが俺達には能力者がいない最初は、どうにか出来るだろう。だが最初だけだ」

「能力者?」

 初耳だ。リンリは何を知っているのか。

「俺は、このタワマンの王になった後、軍の知り合いに提案を持ちかけられた。食肉を定期的に差し出す代わりに現状維持を許すというものだ」

 リンリはケイアを見て目を窄め言う。

「元々、ケイアから託された物資で最初は上手くいっていたんだろう。クロバが子供の事で抜けなければ戦力も、ままあった。まあ抜けても支持者を動かして侵入者を最初は追い払え……二度目で現れた能力者に呆気なく陥落し俺は食肉を差し出す道を選んだらしい」

「……その、能力者とは?」

 ダイハが低い声で呟き。リンリが薄く笑って言う。

「ファンタジーな話だが特殊な力を持った者達の事だよ」

「にわかには……」

「こうして夏に氷の国だ。信じるべきだろ?」

「……そうか、そうだな」

 ダイハは瞼を瞑り頷く。話を聞いていたケイアは、ハッとして意見を出した。

「もし能力者が、この奇妙な世界になってからいると言うなら聞き取りして名乗り出てもらえないかな?」

「……ああ、可愛いケイア。君は何時まで経っても純粋だね」

 多分、皮肉られたけれど兄妹に比べるとリンリは優しい。リンリからしてみれば他者は基本、信じるべきでは無い対象らしい。本当なら護衛以外、増やすのもあまり良く感じていなかったようだ。老人、子供も好ましくなく。しかしケイアの意見は出来るだけ尊重する。彼の中で、どういった変化があったのか分からないが会った時から、その調子だ。

 死後を、どれだけ知っているのか聞いてみれば、リンリは頷き教えてくれる。リンリの未来でのケイア達死後、彼が生き残ったのは更に一年程で結局、自分の番が来たらしい。

「俺はプライド高く一番じゃ無い事が嫌なクソ野郎だ。だから改装した最上階のケイアの部屋に移り暮らし君の研究を知った」

 眩しそうにケイアを眺めながらリンリは語る。

「俺は暇潰しに君らの送ったメールを全部読んで、それを馬鹿にした感想を何故か俺に送り付けてきた」

 リンリは懐かしむように笑う。

「半信半疑だったし出てくる人名を全て疑った。だから、このタワマンの階が売りに出され買い。君を眺めてみた。しかし、まあ、君は写真とは違い俺が書いたメールの特徴とも違い……奇妙だったよ」

 未来のリンリが語るケイアは随分とふくよかな女性だったらしい。親に甘やかされ学がなく怠慢な箱入り娘。未来のリンリには、そう見えていたようだ。

「メールが語る氷河期が万が一、起きた時は一応、君の側にいれば過去により良い情報が渡せるとも思った。けど君は俺を友と判断して、その機械を作らなかったんだ」

 リンリは誤算だ残念だと言いながら何も悔しそうでは無い。寧ろ嬉しそうだ。

「傲慢でクソ野郎な俺が食肉にとなる前、ケイアについての感想ばかりが増えた。不思議なもので、未来の俺に対し客観的になると気づくようでさ。アレは、ケイアだけは信用していたよ。……死んだ人間を美化して笑えるよね」

 ケイアは、面白いとは思えなかったが話を聞き続ける。

「クロバに関しては先に囲うべきだとか前もって部下にしとけとか、そんな勧誘メールばっかだったな。だから前もって雇って信頼関係を築いた後、メールを見せられた。俺の悪戯なのかってね」

 ケイアの隣に控えているクロバが肩を軽く竦める。

「悪趣味な事しそうだからな」

「俺も俺がいたら、そう思う」

 なんだか通じ合っているみたいだ。


 コンコン……ガチャッ。


「物資補給とキノコ狩りで人が集まりましたよ」

 クロバ以外の護衛の一人が呼びに来たので話しながら外へと向う。氷河期前、試しに用意しておいた茸栽培の多くが摘み時なのだ。適切な量のキノコ狩りをして今夜はドーム内で大鍋をする予定だ。交流も兼ねて温かい鍋を食う。その際に能力者らしき存在が居ないかを聞いてみようとなった。


「実は……私、その……血抜きが……」

 赤ちゃんを抱いている女性が恐る恐る声を上げた。辺りがざわつく。

「俺は少しモノの強度を上げる事が……」

 彼女の旦那も声を上げる。

「はい! ボク、豆が育ちます!」

 十二歳ぐらいの子が豆を手に一つ持ち緑色の光が湧くと豆が一気に成長した。辺りから歓声や拍手起きる。きっと前の時でも凄かったが今の世界では食糧を作れる行為は特に重要視されるだろう。

「でも一つ大きくすると頭が痛くなって眠くなるので……」

 大量は無理のようだが希望が湧く。育てる前の種だけでも増やせるのも充分貴重だ。勿論、血抜きや強度もありがたい。

 前もって用意しておいた生簀には魚がいる。春頃に用意した兎は巣を使い勝手に増えていた。鶏も卵を産んでもらい有精卵・無精卵か、どちらかを判断しては配給時に渡している。ただ保管していた元々の卵なら生も良いが今度から生は避けるよう注意して渡している。

 炎は出ないが身体の体温を上げて辺りの氷や雪を溶かす事が出来ると言ったのはダイハの妻の一人だ。三十分程度で限界らしいが、おかげでお風呂が冷めても自分で温められるとのこと。前もって用意した設備のおかげで今の所、ライフラインは使えているが良い能力だと盛り上がった。

「平和ボケが多いな……」

 リンリがケイアのみ聞こえる小声で呟いて瞳が合う。

 こうして能力者の報告が出てくると、その大半が、どことなく未来だった時の繋がりをケイアは感じた。そう考えるとケイアも何か無いかなっと手を開いて唸ってみるが特に何も感じない。

「俺も今所、無し」

 リンリが開いたケイアの手を掴み、そう言う。能力者が一人でもいれば良いかなという中で思ったより出てきたのだ。今後の対策が練れるかもしれない。



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