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わたしを救った百合迫る後輩との同居生活は想像よりもずっと甘い。  作者: 藤白ぺるか


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第12話 百合ップルの友達

「――あれ、ゆずっちじゃんっ!」

「あ、ほんとだ! ゆずっち〜!」


 アクセサリー屋を出て商業施設内を歩いていた時、こちらに手を振ってきたのは、若い女性二人。


 私ではなく、落合さんと知り合いなような二人は、近づいてくると彼女も反応した。


「わあっ。ようちゃんとなっちゃん!」

「わー! 新しい会社どう? 頑張ってる?」

「いえいいえいっ! 元気そうじゃんっ」


 両手を使ってハイタッチしまくる三人。キャピキャピするその姿は、私にとってはとてもまぶしい。

 仲が良いのか、落合さんが最近転職したことも知っているようだ。


「……あ、もしかしてこの人が?」

「へえ、美人な人じゃんっ」


 すると私の存在に気付いたのか、彼女たちが私の方に顔を向け品定めするようにじっと見つめた。


「そう! 橘志暮先輩! 私の恋人!」

「おいっ」


 私の腕に自分の腕を絡みつけながらそう言った落合さんに反射的にぺしっと手でツッコミを入れてしまった。

 いつ私が恋人になったんだ。


「あはは〜、すみませんっ」

「で、そちらの方々は?」

「あ、はいっ。二人は私の大学の同期で、陽花ちゃんと菜摘ちゃんですっ」

「ども〜ようちゃんって呼ばれてます!」

「私はなっちゃんです!」

「陽花ちゃんと菜摘ちゃん……私は橘、よろしくね」


 陽花ちゃんは金髪をゆる巻きパーマにした女性。菜摘ちゃんは明るい茶髪の髪のボブヘアの女性。どちらもお洒落で明るい雰囲気の性格に見えた。

 確かに落合さんと気が合いそうな二人だった。


「あー! ちゃんづけしてるっ! 私は!? 私はどうなんですか!?」

「いや……あなたは会社の人だし……」

「でも今日はプライベートですよっ!?」

「会社の延長線上みたいなものだし、簡単に切り替えられないというか」

「ええ〜〜〜っ!」


 多分会社の後輩でなければ、楪ちゃんとでも呼んでいたかもしれない。

 いや、会社でももっと長く過ごせば、次第にちゃん付けで…………いや、あの会社でそんなことを考えてる暇はないか。私は年下でも後輩でも全員さん付け呼びだから。


「ふふふふ」

「え、どうかした?」

「二人は仲が良いんですねっ」

「ねっ」


 すると突然笑い出した二人。

 私と落合さんのやりとりが面白かったのか、仲が良いと話す。


 まだ手で数えられる日数しか会話をしていない彼女。

 そんなに仲が良いように見えたのだろうか。


「そうかな」

「そうですよ先輩っ! なんて言ったって恋人ですからっ」

「その設定しつこい」

「あいたっ……先輩がぶったぁ〜」


 今度は頭にチョップしてやった。ついでに絡められていた腕を解く。

 落合さんは口をすぼめながら痛いフリをした。


「ほら、仲良いじゃないですか〜」

「これはこの子が変なことを言い出すから……」

「ふふ、でも良かったです。ゆずっちが元気そうで……それに念願の相手とやっと出会えたんですから」

「え……今なんて……?」

「何でもありませーんっ」


 最後の方、陽花ちゃんが話した声が小さくて聞き取れなかった。

 ともかく彼女たちは私と落合さんの仲が良いと思ったようだ。

 まあ、確かに互いの家に入った仲ではあるけど……。


「じゃあお二人の邪魔したら悪いので私たちはこれで〜」

「デート楽しんでねーゆずっち〜」

「はーい、バイバーイ!」


 余計なお世話と思われる言葉を残して、二人は笑顔で商業施設のどこかへと消えていった。


「私の友達、可愛かったでしょ〜っ」

「騒がしい子たちだったね。落合さんに似てて」

「えっ、心外だなぁ、私騒がしくなんてないですよ〜!」


 どう見ても同類だったと思うけど。

 ただ、彼女たちには気になったことがあった。

 その答えは落合さんからもたらされることになった。


「実はあの二人、恋人同士なんですよ〜っ」

「………え……は?」

「先輩も気づいてたんじゃないですか?」

「……………ずっと手、繋いでた……」


 そう、彼女たち二人は落合さんを発見し、手を振ってきた時からずっと片方の手は離さずに手を繋いでいたのだ。

 それは私たちと会話をしている間もずっと離さず……指の間に指を絡めた恋人繋ぎで。


「でも、女の子同士でも手を繋ぐことってよくあるから……」

「なんとなくわかりませんでした? 雰囲気というか」

「どうだろ。ずっと手を繋いで離さなかったからそれは気になったけどね」


 言われれば二人は互いを見る目がなんだか友達を見るような軽い目ではなかった気がする。あれが女の子の同士で恋をしている目だったのだろうか。


「……私たちも手、繋いじゃいます?」

「繋がない」

「えーん。先輩いじわる〜」


 嘘泣きする落合さん。

 手を繋ぐなんてそんな恥ずかしいことできるわけがない。


 それは男女関係なくだ。既に恋愛なんてものを忘れた私にとっては、とてもハードルが高い。しかも人前でなんて……。


「ほら、次はどこに行くの?」

「えーとですね、プリクラでも撮りましょうっ」

「はいっ!?」


 二十七歳と二十四歳。

 さすがにこの年齢でプリクラは無理があるだろう。


 これまで彼女の行きたい場所へついていこうとしていたけど、さすがにプリクラは断った。途中「恥ずかしいんですか〜?」と煽られたけど、本当に恥ずかしい。だからこそ断ったのだ。


「プリクラ以外ならどこでも良いから」

「じゃあカラオケですね〜っ」

「うそでしょ……」


 カラオケなんて何年ぶり? 大学生ぶりだろうか……。

 どこでも、と言った手前、私はしょうがなく着いていくことにしたけど、この日の最後は散々だった。


 最近の歌なんて聴いているわけもないし、私が学生だった時に聴いていた歌を歌うことになった。

 一方の落合さんは、今どきの歌でもノリノリで歌い、それに加え古い歌も歌うことができた。


 こういう子が、会社の飲み会でカラオケに行った時でも、人気者になれるんだろうなと感じた。


 夕方になると今日のお出かけが終えて、帰宅することになった。





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