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【超不定期更新】アラフォー女は異世界転生したのでのんびりスローライフしたい!  作者: 猫石
『ルフォート・フォーマ』編

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1-023)正しい精霊の扱い方(子守か!?)

 遠い異国に思いをはせながら、無事に収穫しすぎた薬草の洗浄と仕分けも終わって、その全部を店舗に広げた私は、一気に乾燥させて次の行程に行くべく、わがま……とても頼りになるお手伝いさんを呼ぶことにした。


「召喚。サラマンドラ。」


 ぽぅ、と腕輪の赤いリングが温かくなる。


「やっと全部洗い終わったので、この薬草をいい感じに乾燥させてください。」


 温かさは答えるように光に代わり、そこからにゅ~っと姿を変えて、人の形をとる。


『はいは~い! 呼んでくれるの待ってたよぉ! 薬草いっぱい! やりがいあるなぁ!』


 炎の髪をふわふわさせながら出てきた女の子は、あ、と思い立ったような顔をすると、両の手と声を上げた。


『フィラン、あたしがこのお仕事頑張ったら、引っ込まないで家の火の管理してもいい? うんって言ってくれたら、ものすごく完璧に頑張るよ! おうちの火も絶対安全に使えるよ!』


 おっと、サラマンドラは交渉上手!


 そしてその可愛い笑顔の後ろで、さっきまで笑顔でお仕事を頑張ってたエーンート、アンダイン、グノーム達がとたんにイラっとした顔したり、泣き顔したり、その手があった! みたいな顔してるんだけどこれは気のせいじゃないよね。


 目は口ほどにものをいうじゃないけれど、精霊は感情が前面に出やすいのかな?


 もともと私とお猫様であるコタロウとの二人暮らしの身としては、こんな大勢の他人と一緒に暮らすってかなりハードル高いよね、人じゃないけど。


 それに……。


「サラマンドラだけ、一人だけ召喚しっぱなしにするわけには絶対にいかないんだよねぇ……」


 絶対えこひいきだって騒ぐにきまってるし、またアンダインが大泣きして、エーンートがつられ泣きするにきまってる。


 グノームに至っては、あのたくらみ顔は何だろう……。


 しかし、現実問題、契約された精霊が家の火や灯を守ったり、田んぼを守ったりと家事などを手伝ってくれるのは知識の泉の検索結果で知っているが、それは無償の奉仕ではないともその後に聞いたからちゃんと知っている。


 精霊は奴隷ではない。


 名前を付けて契約はするが、そもそもの前提として、どんな種族のモノよりも圧倒的な力を持つ神に連なるもの。 例えるなら、神の木から譲り受けた枝というのが近いと思う。


 人はその枝を神の恩恵として受けるのだ。


 契約は枝を手にするということ。


 自分というものに接ぎ木をするイメージだ。


 まずはなじむように丁寧に新しい本体と契約し、接合部から腐らないように、拒絶しあわないように、しっかり根付くようにと気を付けながら成長をさせ、一本の木となったところでようやく大輪の花を咲かせ、実を結ぶ。


 そのためには栄養と水と光がいるのと同じように、精霊にも土と新たな根の役割を果たす台木(ここまでが召喚士だと思う)、栄養と水と光となるもの、すなわち魔力と信頼と誠実さが求められるのだ。


 召喚士は自分の魔力をあげるのが契約の対価で、精霊は主となるものから魔力を随時少しずつ補給するから、召喚している間はずっとそれを与え続けているということになる……という見識で間違ってはいないと思う。


 なので、要は七属性の精霊を四六時中出しっぱなしにしていて、私の魔力がもつかどうか、なのだが。


『知識の泉、検索。 私の魔力量と精霊たちへの供給量のバランスがとれているかどうか。』


 ――検索できません。


 ですよねぇ~。


 世界の知識の中に私の魔力量と、精霊の使用量なんて鑑定士でもない限りわからない。


 知識の泉は万能ではないんだよねぇ、便利でありがたいけど、解っていたとはいえ、結構がっかりだ。(ここで大声で文句を言うと取り上げられそうなので、ほめたたえておきますよ! 神様からもらった大事なスキルですからね!)


 うーん、どうしたもんか…


 ワクワクしながらこちらを見てるサラマンドラと、抜け駆け許さないって顔して私とサラマンドラを交互に見ている他の子達。


 困ったなぁ、仲良くしてほしいんだけどなぁ。でも火守りや水守り、畑に調薬も、守ってもらえると本当はすごく助かるんだよなぁ……。


 当初の予定では、一人か二人と契約できたらいいな、精霊じゃなくても召喚獣でもいいなって思ってたのに、大物を七人も引っかけたからな。


 う~ん、何かいい方法、喧嘩にならないで、家も守ってもらえて、みんなが満足して……はっと、思いつく。


「知識の泉検索。 魔力切れについて教えてください!」


 ――検索結果です。 魔力切れとは、その身に宿した魔力を使い切ることです。 魔力は生命力とは似て非なるものです。 魔力も生命力も、器となる肉体に双方とも蓄えられる力ですが、生命力は使い切ると命に関わります。 魔力は使い切ると魔力を必要とするスキルは使うことができませんが、命に直接関わることは滅多にはありません。 魔力切れの体感的な感覚は人によって違いますが、九割の個体は魔力切れの場合睡眠による回復を図るため眠ってしまいます。 そのほか、空腹による暴飲暴食や奇行に走る、という報告もあります。 ちなみに魔力切れで亡くなる人の多くは、眠ったところを襲われたというのが多いようです。


 …そりゃ寝込みを魔獣とかに襲われたら死ぬよね、納得。


「続いて検索。 魔力の回復方法は?」


 ――基本的には生命力と変わりません。 食事と睡眠です。 健康な状態であれば回復は早く、様々なステータス異常の状態では回復は遅くなります。 また生命力と同じで、魔力が回復しないという病気もあります。 昨今の研究で、質の良い睡眠、質の良い食事をとると回復速度と魔力量が上がり、不眠や暴飲暴食、質の悪い食事では回復を妨げるという結果も出ています。 


「何それ! 美味しく食べてすやすや眠ったらすぐ回復する上に多く回復するの?!」


 それはいいことを聞いた!


 が、これって転生前の世界だったとしたら絶対魔力切れで生き倒れてるよね……同じ轍は踏まないようにしよう! 魔力、ストレス耐性。 どれをとってもあの頃のこと考えても、私もあんまりなさそうだもんなぁ。


 おっと、話が逸れた。


「……ほとんどは寝るだけで、寝て食べたら回復する、か……なら、まぁ……」


 自分でやってみればいいってことだよね。


 楽観的?


 違うよ、安心して寝ていられる家があるから出来るんだよ!


 自宅で魔力切れで寝てても殺されない!


 向こうの世界のお酒もそう!


 信頼した人の前でぶっ潰れるまで飲んでみればいい!


 そして限界を知るのだ! それと一緒っ!


 女は度胸だ! 中身アラフォーを舐めるなよ! (自分もあんまりにも体がかるくて調子いいから、中身アラフォーをちょっと忘れてたけどね!)


「召喚! シルフィード! ヴィゾウニル! アルフヘイム!」


 腕輪に嵌ったリングが、次々と光を孕んで精霊たちが姿を現す。


 よしよし、みんな揃ったぞ。では!


「アンダイン、エーンート、サラマンドラ、グノーム、シルフィード、ヴィゾウニル、アルフヘイム。 みんな、明日のこの時間まで家の守りをやりながら、私の仕事を手伝って! 私の魔力含有量でみんなを出した生活に耐えられるか実験します! でも、何かおかしいなって思ったらすぐに教えてね!」


『わかった!』


『はーい!』


『頑張るね!』


『うん! 頑張る!』


『まかせといて!』


『倒れるなよ…』


『がんばりなさいな。』


 あれ? なんだか1人とても冷静な子がいたけど、まぁでもみんな了承してくれたし人体実験開始!


 気合いで行くぞ!


「おうちを守ってくれるんだもん、歓迎しちゃうよ!」


『わぁい! 乾燥頑張る!』


 髪やドレスに見える火が勢いを増して、みるみる葉っぱや花の水分がなくなって形が変わっていくのを見ながら、今日は晩御飯は美味しいものをいっぱい食べて、早く寝よう! と心に決めたのでした。

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