詩 どんなに遠くへ旅立っても心のふるさとは消えやしない
どんなに遠くへ旅立っても
その面影は消えやしない
どんな場所に住んでいても
必ず頭の中に残っている
ふと夢の中に出てきては
懐かしい気配を置いていく
たまに歌を聞いては
誰かの言葉を聞いては
そっと記憶のアルバムを
開いて過去へと誘う
(この手にふれたもの)
(この耳に届いたもの)
(この目で見たもの)
(この舌が覚えたもの)
(この鼻が感じたもの)
時間の流れに もまれて
新しい情報に おしよせられて
忘れさったと思っていたものは
記憶の奥底でただ眠っていただけなのだと
ふとした瞬間に思い知る