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二人女子会

 結婚が早々に決まってしまうとすることがなくなってしまった。王宮に来る用事は別にないのだが、キャロルに会うために通うことになった。

 キャロルとは以前スティーブンとお茶をしたあずまやで話すことになった。

 出されるものはお茶だけだ。お菓子は別料金になる。スティーブンは結構奮発してくれたんだなあと少しだけ感謝した。

「この場合、ブリジットとデレインも探すべきだと思う?」

 キャロルはそう言いながらお茶を口にした。

「さすが王宮、いいお茶を使ってるわね」

 キャロルの言うとおり、王宮のお茶は美味しい。母親が、パウンドケーキの儲けで美味しいお茶を買った時、目の飛び出るほど高かったと言っていたが、それと遜色ないお味だ。

「ブリジットとデレインか、デレインはともかく、ブリジットは結構ありふれた名前よね」

 名前だけを頼りに探し出すのは難しい。

「ブリジットとデレインがどうしているかによると思うわ、攻略対象に突っ込んだのか、それとも私のように攻略対象に近づかず穏便に生きることにしたのか」

 もし穏便に生きることを望むなら、二人のことは放っておくほうがいい。

「二人とも記憶持ちなのかしら」

「私にしても記憶が戻ったのは最近よ」

 もし記憶があってもなくても男爵令嬢や子爵令嬢が公爵令嬢にケンカを売った段階でただの馬鹿だ。

 この世界にリセットボタンはない。

 バッドエンドになってもやり直すことはできないのだ。

「もし、攻略対象に突っ込んでいくんなら、せいぜいフレッドどまりよ、あそこならまだ生き延びられる可能性はあるわ」

 生き延びられない可能性も結構あるが。

「ま、そうよね、そういえば、そっちに独身男性はいるの?」

「残念ながら、うちの跡取りはまだ十歳よ、嫁取りはあと六年は待たなければならないわ」

「ああ、そりゃ残念、兄ならこっちもうまくやれそうな気がしたものだから」

 残念ながら世の中そううまくいかない。

「そういえば、結局そっちの問題はどうなったの」

 例の王子様問題だ。

「それなら、結局、逐一エクストラ様に報告するための窓口を作ったの、後はどうするかはエクストラ様が決めることだわ」

 どちらも敵に回すか、あるいはどちらかにすり寄るか。いろいろと難しいところだ。

 王子様は状況に気づいているのかいないのかそのあたりは聞かないことにした。

「結局、見つけてしまうかしまわないかよね。王宮に出入りしていれば見つける可能性はあるから見つけてしまったら考えましょう」

 キャロルはお茶を一口含むとじいっとアメリアを見た。

「もともと何歳だったの?」

「ええ、女子高生」

 キャロルは目を見開いた。

「うわ、意外、私よりだいぶ年下だったんだ、私社会人二年生だったの」

「どういう職場だったの?」

 就職というものを一度もしなかったので、少しだけ興味があった。この世界では貴族女性は永久就職以外に道はないが。

「まあ、事務員だったけど、社会人って厳しいよね毎日終電だったし、休日にも電話があってまともに休めた日って何日あったかな」

 アメリアの額に冷や汗が浮かんだ。それってテレビでやってた社会問題の。

 こっちも負けず劣らず悲惨だなあとアメリアは思わず同情の目で相手を見た。


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