第一話
ほぼタイトルとおんなじ内容です。
学校の部誌にかいたものをかきなおしたものなので,すぐ終わると思います。
私が目覚めてまず思ったこと。
……なんかいろいろぶっ飛んでんですけど。
私が寝ていたのは,柔らかなベッド。こんなのなかなかお目にかかったことがない。しかし,そのベッドの横にあった窓の外の光景に,私の思考はすべて支配された。
異様にでっかい木,空へとのびる何か,小さな羽の生えた女の子,遠くに影だけ見えるのはドラゴン?そして,それらを眺めている最中にも,何かが爆発していた。
私はついさっきまで,姉の一花と幼馴染の樹と一緒に下校してたはずなんだけどなぁ!?
何がどうなったらこうなるんだ。
……夢か。夢なんだな。最近こんな小説でも呼んだのかもしれない。
私は頬をつねる。……痛いかも?いや,これも錯覚では……。
さらに強くつねろうとすると,足音が聞こえてきた。
近づいてきた足音は,扉の前で止まったかと思うと,扉を蹴倒した。
「二花!!!目覚めた「のね」「んだな」!!」
頭に響く,大きな声で叫んだのは,件の姉と幼馴染。
夢の中でもめまいがするなんて聞いたことがない。これ,現実か。
「……えっと,これ,どういうことかな……?」
窓の外を指さしながら言うと,二人は顔を見合わせて,私のベッドに腰掛けた。
「あのね,驚かないで聞いてね。ここは……異世界なの。」
「うん。」
「……うん?驚かないの?」
「いや,今驚かないでって……」
「そこは驚くのが様式美ってものじゃない?」
そういわれても……驚くのだって体力使うからな。
冷めた様子の私に,これ以上言い募っても思った反応をもらえないことを悟った姉は,咳払いをして,続きを話し始めた。
「えっと,二花の記憶はどこまであるのかしら?」
「どこといわれても……目覚める前って意味なら,二人と下校してたところかな……アイス買ったよね。」
食べかけだったんだけど,どうなったんだろうあれは。
「そう。私たちはその後,気付いたら,神殿にいたわ。」
……私が理解できる前提で神殿とか言っちゃってないか?まぁ,たいていのロールプレイングゲームの冒頭みたいな場所ってことだと思うけど。
「まず目に入ったのは,当たりの不思議な光景。ローマ教皇さんとか,あんな人が着そうな服を着た人や,王様みたいなマント着た人たち……実際王様だったんだけど……とにかく驚いたんだけど,その後……」
言葉に詰まる姉。樹が引き継ぐ。
「二花が,血に塗れて倒れている姿が,そこにあったんだ。」
……なるほど。
「なんか,二花は私たちと一緒にいたから,巻き込まれただけで,もともと召喚に組み込まれていなかったから,安全装置が発動しなかったの。それで……」
「俺たちは,向こうの要求をすべて飲むことを条件に,二花に最上級の治療を施してもらうことにした。」
「……すべて飲むって……大丈夫だったのそれ……」
「ああ。向こうの腰が異様に低かったしな。」
それくらい必要な人材で,そういう状況だったんだな。
いわゆる勇者様ってわけだ。
「私はその後,眠ってたってわけだね。」
「ええ。もう目を覚まさないんじゃないかとっても心配したのよ……」
「かなり眠ってたとか?」
この感じだと,長そうだけど……一ヶ月とかそんなとこかな。
「ええ。私たちが魔王を倒して戻ってこられるくらい……一年も眠ってたの。」
「………一年?」
……まじですか。
呼んでくださりありがとうございます。