第六十四章「別の……」
レイのリハビリ奮闘記~2~
レイ「ぷはっ!やはりコーヒー牛乳は美味しいねぇ。」
夕立「そうですねぇ……♪」
レイ「……よし!それじゃあ早速リハビリを始めようではないか!」
夕立「お兄ちゃんに聞いてます。左脚が動かないのでしたよね?」
レイ「そうなのだよ……。よければ手伝ってくれないかい?」
夕立「はい!っていうかその為に私は来たんですよ?」
レイ「なっ……なんだってー!?それじゃあ宜しく!夕立ちゃん!」
黒い雪原編
第六十四章「別の……」
「や……やっと帰ってこれた……。」
深夜。
4人部屋へと戻ってきたのは日光とツユ、そして紅の三人だった。
中二病を患ったおじさん日光に、新米教諭のツユ、ツインテールの女性紅は、闘技大会会場で、紫の国の人物を探していたのだが……。
「こんな時間になるとは思いもしませんでしたね……。」
ツユがふらふらとよろめきながら呟いた。
そしてベッドにうつ伏せで倒れこんだ。
……どうやら相当疲れているようだ。
「紫の奴なんてどこにもいないじゃないの……。」
「インフォメーションが少なすぎるぜ…………ハハ……。」
力なく笑う日光。
…………それも仕方無いことかもしれない。
そもそも紫が居るという情報自体、噂に近い。
情報源である岩具も恐らく見つからないと言っていた。念には念をとも言っていた。
「……いっそ見つかってくれれば……紫来いよ……侵入してろよ斬らせろよおぉぉぉぉぉ!!!ああああああああああああああ!!!!!」
「日光が疲れで狂ってる……。」
「くそぉ……くそぉ……!!斬らせろ斬らせろぉぉォォォォォ!!!!!」
「ああああああ!もう五月蝿いわね!!見なさい、ツユなんてもう寝てるわよ!貴方もさっさと寝たら!?」
「五月蝿いのはどっちだ!こっちは疲れてるんだよ!!」
「私だって疲れてるわよ!!静かにしなさい明日の試合に出る人もいるのよ!?」
「I know! 知ってるわ!!でも絶対こいつら、俺達が会場で歩き回っていたこと忘れてただろ!!!」
「それは分かる!絶対忘れてる!でも試合に集中しなきゃならないから仕方無いでしょ!?」
「ああああああああああああああ!!!ちくしょおぉォォォォォ!!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
奇声をあげる二人。
ツユは構わずに寝ている。
寧ろこの状況で熟睡出来ていることに驚きだ。
もう才能である。
「…………。」
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
「……儀式?」
「ああああああああああああああああああ……って、ハツガじゃねえか!何やってんだ!?」
屋根裏から顔を覗かせるのはハツガ。
ツユの姉であり盗賊である。
ドアではなく屋根裏から来るのは職業病なのか。
「……五月蝿いから。営んでると思って見にきた。」
「奇声プレイ!?いや、俺達疲れてるんだよ。」
「疲れてなかったらやるの?」
「やらねえよ!!ってか騒がしかったのはすまねぇ。夜中はハイテンションになっちまうんだ。」
「ちっ。」
ハツガは舌打ちのあと、軽い身のこなしで部屋に下りてきた。
「流石ハツガだな。って、それビデオカメラか!?」
「うん。お金になると思った。」
「なんてやつだ……。」
呆れる日光。
日光はベッドに座った。
「ちょっと!そこは私のベッドよ!」
「細かいんだよ……はいはい。」
紅に怒られて、日光は別のベッドに移動した。
「ん?ベッド……別のベッド……『別』の『ベツ』ド!」
「わー、面白いねー。」
「面白くもなんともねぇよ!馬鹿にすんな!」
「馬鹿にするわよ!そんなつまらないこと言うやつなんてね!!」
「てめぇ……俺の方が年上だろ!?」
「そうね!でも精神年齢はどうかしらね!!」
「ああ!?」
「何よ!?」
唸る二人。
日光と紅は相性が悪いようだ。
「酒飲みてぇ!!」
「私もよ!飲みにいってこよっと!」
「待て!俺も行く!!」
「仕方無いわね!行くわよ!!」
…………相性が悪いわけではなさそうだった。
ハツガもいつの間にか帰ったらしい。
このまま夜は更けていくのだった。
「……うるせぇ……。」
同室の犬槇はたまったもんじゃなかったが。
こんにちは、アフロ月です。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
隠密部隊の日光、ツユ、紅の三人。
どうやら怪しい人物は見つけられなかったようです。
本当に居たのか……?と、疑問に思う三人中二人は途中狂っていました。
夜中って怖いね。
最後に、後書きまで読んでくださった読者の皆様に感謝を込めまして……またお会いしましょう。
Thank You。




