第六十一章「カサVSまぐろ2」
イツキ「女ってさー。」
親父「ああ。」
イツキ「怖いよな。」
親父「あ、ああ。怖いマジ怖い。」
イツキ「なんかトラウマを思い出させちまった。」
黒い雪原編
第六十一章「カサVSまぐろ2」
加速していく戦闘。
その戦闘についていけるのは、当人と実力者だけだろう。
黒の闘技大会二回戦、カサVSまぐろ。
カサの圧勝に終わると思われたこの試合だったが、ほぼ互角の戦闘が繰り広げられているのだ。
「少々油断していた。しかし、油断をしなければなんてことない。」
「はい。だからこそ次の手を考えるだけです。」
カサの突きや払い。
まぐろの斬撃や刺突。
技術の組み合わせやフェイント、様々に織りまぜて、傷付けあう。
「はああっ!!」
カサの一撃が、まぐろの剣を払った。
「やっ……!?」
「そこだっ!!」
刃は……駄目だ、攻撃の機会を逃す。
カサは柄でまぐろの体を突いた。
「かはっ……!!」
よろめいた。
これこそ求めていたもの。隙だ。
「終わりだっ、まぐろ!!」
「……それはカサさんです。」
まぐろは槍を受け止めた。
……否、正確には受け長そうとしている。
槍を引っ張ると、カサの体も共に引っ張られた。
「くっ!」
カサはまぐろが視界から外れないように目で追った。
追撃がくる……!!
…………と思っていたのだが……来ない?
「追撃しないのか?」
「する必要がありませんから。」
まぐろは駆け出した。
しかしカサに向かってではなく、ステージ外に向けて。
「何を……!?」
カサは驚いた。ステージ外に出れば場外ということで負けになる。
「活用しない手はありません。」
まぐろは瓦礫に身を隠した。
そう。
二回戦からはステージにギミックがあるのだ。
今回は瓦礫。
二回戦第一試合でも使われていた。
「それを使ったところで、何か変わるのか?」
「ええ。」
声だけが聞こえる、瓦礫に隠れているので姿は見えない。
「少なくとも、私はカサさんが見えなくなります。」
「それは愚策だろう?」
「さあ?逆に、カサさんは私が見えない。」
「身を隠している場所は分かっているのだ。何も問題は無いだろう。」
「ありますよ。」
その瞬間、何かが瓦礫を突き破ってきた。
それはカサに巻き付き、身動きをとれなくした。
「なっ……!これは……!?」
「私もお借りしたんです。ミノリさんの脇差しを。」
姿を現すまぐろ。
黄色の光を放つそのしなるような武器は、ミノリの脇差し。
高エネルギーの刃は鞭のようにしなるのだ。
「それで私を場外に?」
「いえ。……カサさん、これを元に戻すとき、どうなるか知ってますか?」
「……しなった部分が引き寄せられて、ただの脇差しへ戻るのだ。」
「正解です。だけどそれは、柄が握られているとき。では握っていた手を離すとどうなるか。」
「……掃除機のコードのように、柄部分が引っ張られる?」
「正解です。それをフルパワーで使います。」
まぐろは脇差しを引き、カサを引き寄せる。
踏ん張るカサ。
「ぐっ……!そう易々と……!何かをさせぬ……!」
「もう遅いです!これに捕まった瞬間、私の勝ちは決まったんですから!!」
まぐろが柄を手放して、しなる脇差しの丁度真ん中を握った。
高く突き上げて叫ぶ。
「戻って!!!」
瞬間、カサの体が引っ張られる。
踏ん張れない。何故なら縮み始めたその脇差しは、宙へと縮むのだから。
「なあっ!?」
その武器はただの脇差しになった。
カサは体が浮いている。
まぐろは拳をつくった。
そして……踏み込む。
「はあああああああ!!!!!!」
決まった。カサの腹にめり込むほどのパンチだった。
「ぐあっ……!!」
……怖いなぁ。
と、思うイツキだった。
アフロ月です。
萌葱色の変奏曲を読んでいただき大変恐縮です。
いかがでしたか?
へい!
後書きまで読んでくださってありがとう!
Thank You!
女って怖いね!




